岩波文庫的 月の満ち欠け

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000014113

感想・レビュー・書評

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  • 本当だと思わせる力がこの小説にはある。
    リアルじゃ無いのに現実よりリアル。
    良い読書体験だった。

  • トリッキーな装丁デザインのサンプルぐらいのつもりで購入したが、よみだしたら止まらず一気に読んだ。

    瑠璃たちが時間を超えて、月のように死に、生きるのに対し、男たちは樹のように生きる。男たちが建設業者なのは、それが空間に根差す仕事だからだろう。

  • 幾ら年月を経ても一人の人を愛しつづけることができるか?
    生まれ変わりをテーマに一途な愛を描いた作品。はじめは「?」っていう感じ。ただ、設定さえ受け入れてしまえば話の構成が上手いので引き込まれていく。物語自体は、人によって評価は分かれそう。「君の名は」のようなロマンチックな話ととるか、「世にも奇妙な物語」の延長ととるかによって。個人的には、呪いにでもかかってんのか?って思うようなすれ違い方や、生まれ変わりをあっさりと受け入れてしまえる人物たちにツッコミを入れつつも面白く読ませてもらえた。

  • 前半は面白く読み進められたのですが、時系列が行ったり来たりするのが読みづらく、後半は小説の世界観に入り込めませんでした。


  • 映画を先に観ていて、原作はどんな風に書いているんだろう?と思っていて、図書館で発見。
    早速読んでみた。

    映画を見ているので、時系列の頻繁な入れ替わりは頭の整理がしやすいが、それでも、映画とは違う展開になると、頭が混乱する。
    もう少し、時系列がしっかりわかるようになっていたら、もっと読みやすかっただろうな。

    映画の印象が強いので、アキラは、目黒蓮さん。瑠璃は、有村架純さん。小山内さんが、大泉洋さん。正木は、田中圭さん。
    それらが、頭の中をストーリー通りに動くのだけれど、ちょいちょい、映画との展開さに、頭の中の俳優陣も迷走。
    まあ、この原作通りに映画化したら、ちょっと長くなるし、瑠璃の行動に違和感を感じるので、だから、映画のような感じになったのね。と、納得。

    前世の話と、輪廻転生を合わせた感じのストーリー性は嫌いじゃない。
    面白かった。

  • 前半は時系列と登場人物の整理で頭の中が混乱、
    後半になるに連れてストーリーを楽しむことが出来てきたけど…
    "生まれ変わり" 信じない訳じゃないし、信じたい気持ちもある。でも自分や家族がこんな前世の記憶を持って生まれてきたらって考えたらちょっとホラー
    人は生まれ変わったらキレイさっぱり新しい人間(動物でもいい)として生きたいなぁ〜と私は思う。

  • 「生まれ変わり」とか、ありえない話で、でも、みんなあってほしい話である。だから、小説でも、映画でも、手垢のつきまくった題材で、もう料理の仕方なんてないんじゃないかとも思う。

    「生まれ変わり」を題材にするこの小説は、それでも読ませる何かがある。それは何なんだろうと思いながら、読んでいた。

    僕はそれを「ゴールのわからなさ」だと思った。この小説は、何が最後に来るのかよくわからない。「生まれ変わり」がテーマだということはわかるのだけど、「誰と誰が出会うのがゴールのなのか」「そもそも出会うことがゴールなのか」よくわからない。

    それでも、複雑な人間関係を解きほぐしながら、少しずつ結末に近いづいていく。この「先の見えなさ」と、少しずつ見えてくる話の進み方が、魅力になっているのかな、と思った。もちろん、その「進み方」は、最後に裏切られて、あまり思ってもみなかった方向に進むのだけど。語弊を恐れず言ってしまえば、テーマよりもレトリックに依存した小説、なのかもしれない。

  •  2017年の第157回直木賞受賞作品です。主人公が青森県出身という設定のアドバンテージ?だけで手にしました(笑)。
     ちょうど1年前に大泉洋さん主演で映画化もされていますね。映画は観ていないのですが、キャストが有村架純、目黒蓮、田中圭、柴咲コウ、伊藤沙莉、と中々豪華な顔ぶれですので機会があれば観てみたいです。ただ、原作を超えてくる映画化作品は滅多にないのでやはり観ないかな...。
    (横山秀夫さんの「クライマーズ・ハイ」は映画でも見応えがありました)
     本著のテーマは「生まれ変わり」ですが、皆さんは信じるでしょうか?一説によると?現生が人間だからといって、来世も人間とは限らないようです。他の動物になったり、植物になったり。まぁ前世の記憶がないのでどーってことないか。
     もし前世の記憶が残ったまま人間に生まれ変わったとしたら、それはそれで他人の人生を背負い込むことにもなる感じがして私は嫌かもしれません。
     『瑠璃も玻璃も照らせば光る』ですが、まずは自分自身が光を放てる存在になれるように、今の人生を一生懸命生きることが何よりと思います。
     この本を昨夜読み終えて、テレビを点けたら「ザ!世界仰天ニュース」で、2000年に約50年前(1945年)の戦争時に戦闘機乗りだった軍人の記憶を話す2歳の男の子のお話でした。科学では解明できない不思議な出来事がまだまだたくさんありますね。

  • 人は信じたいものを信じるということ。


    なかなか難しい題材を小説にした感はあるな。笑
    星一つはおまけ。

    さんかくが幾世にも渡って会いたい人という説得性のようなものが感じられなかった。
    何より誰かと久しぶりに会う時って相当気心が知れた仲でないとあれ?こんな人だっけ?と感じることもしばしばあるような。。
    読者に投げるよりももう少しやさしさのある終わりを展開してほしかったな。(感情論で言えばこれは会えたのかな?)

  • 何十年も同じ人を想い続けた愛の物語。顔も名前も全く知らないけれど、またその人に出会えると信じた主人公。よかったです。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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