月夜の島渡り (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024720

感想・レビュー・書評

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  • 安定の面白さ。
    「夜市」や「秋の牢獄」はしっとり感のある幻想譚。
    本作は舞台が沖縄ということでカラリとした幻想世界を見せてくれた。
    でも、クームンの家、少年が出会う影のように希薄は女など時折しっとりしたものが滲み出てきてくれる。

    「月夜の夢の、帰り道」が爽やかで好み。
    「ニョラの穴」はホラー「夜のパーラー」怪談的で好み。

  •  好きです、恒川さん(真顔) 沖縄を舞台に、不気味で不思議な世界を美しく描く短編七作。ニョラやクームーといった聞き慣れない語感の言葉の数々に、柔らかい方言の響き、リアルの中にじわりと紛れ込む幻想の風景、得体のしれない生物やヒトビトの存在感。今作も恒川ワールドにどっぷり浸かりこみました。
     描写や設定が一番好みだったのは「弥勒節」。クライマックスの胡弓の演奏シーンは圧巻です。
     個人的に一番怖かったのは「夜のパーラー」。解説にもありましたが、七作の中で最もファンタジー要素が少ないこの作品で、他のどれより背筋が寒くなりました。

  • フーイーの話、好き

  • 2011年の『私はフーイー』の改題文庫版。
    沖縄を舞台にした幻想譚。短編7編を収録。
    現実と不思議な世界が交錯する恒川ワールド。
    最初の「弥勒節」、最後の「私はフーイー」の時間軸の大きさがいい。
    薄めの文庫本なので、他の本が読み終わりそうなとき、荷物を減らしたいときに
    ちまちま読んだ。

  • 幻想的で仄暗い恒川さんの世界。
    沖縄が舞台の短編集。
    独特な文化が育まれてきた地と不可思議な物語が好相性。

  • 頭の中で映画鑑賞みたいな感じ

  • 沖縄が舞台の7つの怪異譚。 沖縄に訪れた時、観光地から一歩外れて静寂で少し不気味な道に迷い込んだことを思い出した。 異界への入口があちこちにありそうな沖縄の雰囲気と、恒川さんの筆致の相乗効果で、現実と怪異の境目が曖昧になる。 「月夜の夢の、帰り道」が特に好き。

  • 悲しい話が多いけど、不思議さ加減が絶妙で本当に引き込まれる。沖縄の方言かわいいな。

  • 面白かった。現実的な非現実、ありそうもないありそうな話。絶妙なバランスで、特に沖縄好きにはたまらない。

  • #読了 沖縄を舞台にした短編集。南国の昼間の濃い影の中に潜む何か、日常と隣り合わせの恐怖にゾクっとした。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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