二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 452
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943869

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。

  • 自立できない、人に迷惑をかける著者のの本音が語られる私小説。嫌悪感が避けられらいような話です。

  • 昭和六十年代手前が舞台だけど、人間ここまで転落できるものかと思った。
    これが私小説だからすごい。というか、えぐい。
    読んでるこっちまで生きていくのがしんどくなってくるほどでした。

  • 暗渠の宿と廃疾かかえてを先に読んだけどこっちの方が
    その二作よりも若い頃の話になっている。
    そしてこちらの作品は恋人などよりも酒屋の店主、アパートの大家など
    とのやりとりのほうが多く書かれていて根本としては同じかも
    しれないけれど先に読んだ二作とはまた少しだけ違った世界を味わえる。
    留置場での話しも興味深いし、腋臭風呂というとんでもないタイトルも
    なぜか興味がそそられる。
    個人的に一番おもしろかったのは大家の豹変ぶりだった。
    貫多が悪いに変わりはないが、それにしてもあの変わりっぷりを
    目の当たりにしたらきっとどん引きすると思う。
    若い頃の話だからか女性との話が少なめだからか、いつも感じるような
    苛立たしさはあまり感じなかった。

  • 2011/9/15購入
    2011/9/23読了

  • 登場人物に共感しづらくて、読んでいてつらい気分になることもしばしば。ですが、自分とはほとんど関わりのない層のお話がリアルに描かれていて、彼らの生活ぶりについては興味深く読むことができました。

  • こと西村賢太に限っては三人称より一人称のほうが好きかもしれん。

  • 独特の世界観がなんとも言えない味わいで、癖になる私小説でした。美味しいものって臭かったり、見た目がグロかったりするけど、他では味わえないオンリーワンを持ってるもんだよな〜。

  • すごい本だったが、読む前に感じていたような嫌悪感はない。
    巧さがあったからだろうか。

  • これは面白い! どんな良作家にも駄作はあるものだが、どうやらこの西村賢太という人は、常に星を四つ以上あげたくなる作品を書くようだ。そんな作家は貴重だ(もちろんこれは僕の主観による評価に過ぎないから、人によってはチョット齧るだけで嫌悪感が湧いて投げ出す人もいるだろうが)。

    いつもの通り文章は一文一文がかなり長くて、その中に自らの欠点、失言、愚行を惜しみなく詰め込んでいる。そして独特の表現技法も健在だが、この短編集ではそれらは僕がこれまで読んだ2冊よりも俄然輝いているように思えた。つまりそのレトリックで後半の二篇はかなり笑かしてもらったのだ。引用している部分がその一つである。

    文字通り『二度と行けなくなった場所』についての回想をベースに各作品は作られている。まあ客観的に言えば「後味が悪い」作品が多いわけだが、この後味の悪さも彼の術策の一つであり、彼の小説に慣れないうちの読後感は言葉で表すと「……何だかヘンな作品だった」となるところだが、一作また一作と読んでいくにつれ、段々と「……これも味なものだなぁ」と思うようになってくる。

    特に最後の『腋臭風呂』が短いながらも良い。実際に起こったにしては少々出来過ぎている感もある偶然(だが作者の事だからこれもそうなんだろう)をうまく笑える味付けにしてある。この作品では前三篇にみられる主人公の無頼性のようなものはなく、他人の非常識さで笑わせてもらえる。

    二篇目の『春は青いバスに乗って』はいわゆる『拘置所モノ』。拘置所、刑務所、監獄と言った題材は純文学での常連であり、それを描いた作品には神がかった名作も多い。それらと比較するのは酷なので辞めておくが(その割にそれらよりこの短編集の方に高評価をあげていたりするが)、これを読むと少なくとも「このような赤裸々な告白を題材にして、なおその小説としての価値が認められるとは、この国は何と寛容なんだろう!」と思うことだろう。

    ただ、表紙がちょっと残念。中身はしっかり文学してる(と思う)のに、これではまるで某の小説もどきではないか。
    ※2012年1月追記:現在では表紙は変更されました。なかなかいいと思います。

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著者プロフィール

1967(昭和42)年7月12日、東京都江戸川区生まれ。中卒。新潮文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』角川文庫版『田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他』を編集、校訂、解題。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『暗渠の宿』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『一私小説書きの日乗』(既刊六冊)『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自薦短篇集』『薄明鬼語 西村賢太対談集』『随筆集 一私小説書きの独語』『やまいだれの歌』『下手に居丈高』『無銭横町』『夢魔去りぬ』『風来鬼語 西村賢太対談集3』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』『夜更けの川に落葉は流れて』『藤澤清造追影』などがある。

「2019年 『狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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