単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578301

感想・レビュー・書評

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    モダリティ
    クローニング
    ベキ則
    正規分布=ランダム
    学際的
    カタログ=集合
    リカージョン=自分を自分の中に持つ入れ子構造
    アナロジー=類推
    自己組織化=教えていないのに自然に秩序が生まれてくること

    何か技術を身につけるのにひたすら反復練習を繰り返すと自然にできるようになる、それは直感も同じというのは目から鱗だった。

    物事を視点移動すればいくらでもリカージョンして自分の位置を測ることができるが
    ワーキングメモリ=短期的な記憶は同時処理できる情報量が限られており
    約7前後であることから、7以上の並行処理は途端にキャパオーバーとなる。
    自分の心を自分の心で考えるリカージョンを繰り返すだけですぐに容量がいっぱいとなってしまう。

    リカージョンは矛盾をはらむ。

  • 心、人格、自我、意識などと呼ばれる人間の精神活動がどのようなメカニズムで生まれるのか。脳科学について様々な知見を与えてくれる一冊です。

  • これも面白かった。
    何か失敗したときは「脳がゆらいでるからや…」と思うことにします。

  • 不思議

  • 2016年10月21日購入。

  • けっこうおもしろい
    ヒトは向かって左側しか見ていないとか。。。

  •  最新の脳科学を高校生に語る形式で作られた本なので、一見わかりやすい。でも、普通に持つ脳の常識が揺らいでしまうような実験結果に戸惑うところも。研究の積み重ねで、人間の無意識がどんどん明らかにされてゆくのだろうか。それはどんな姿を見せるのか。私たちの現状の人間観は「作話」されたものだということに、読後、何とか納得しました。私は、どちらかというと、無意識に親近感をいだいているのです。

  • 【目次】
    はじめに [003-007]
    目次 [008-015]
    本書をもっと楽しむために [016]

    第一章 脳は私のことをホントに理解しているのか 017
    1-1 今ここに立っている不思議
    1-2 意識は私の全部じゃない
    1-3 手を見れば、理系か文系か判別できる?
    1-4 指の長さと同性愛
    1-5 天然パーマはIQが低い!?
    1-6 風邪薬を飲んで熱が下がる、これって因果関係?
    1-7 だれもが知っている富士山を描いてみれば
    1-8 脳の活動がすべて
    1-9 ありもしない色が見えてくる
    1-10 脳を記録すれば心は読める
    1-11 脳を覗かれる
    1-12 点の動きに生命を感じる
    1-13 脳の早とちりは生存戦略にぐっと有利
    1-14 人の顔など半分しか見てない
    1-15 「恋の拘束」と変化盲
    1-16 本気なのにこじつける、知らぬ間に嘘をつく
    1-17 「どうして私のこと好きなの」と訊かれたら
    1-18 長い時間一緒にいれば好きになる?
    1-19 吊り橋上の告白は成功率が高い?
    1-20 行動と感情が食い違う
    1-21 報酬系・テグメンタが快楽を生む
    1-22 「あんな人と付き合うのやめろよ」は有効か
    1-23 心の底からバカになって恋人を選ぶ
    1-24 サブリミナルが教える「やる気」の正体
    1-25 「勘」をサイエンスが扱うと
    1-26 ひらめきは寝て待て
    1-27 なぜか答えだけわかる
    1-28 わからないのにできる
    1-29 無意識的で、自動的で、しかも正確
    1-30 理由はわからないけれど「これしかない」という確信が生まれる
    1-31 ノンヴァーバル・コミュニケーションの性差
    1-32 人生経験は直感を育む
    1-33 グッドエイジング、すなわち勉学へのスイッチ

    第二章 脳は空から心を眺めている 099
    2-1 脳研究って何だろう
    2-2 「役立つ」以外にも記憶の役割がある
    2-3 突然、校歌を思い出す
    2-4 世界はわずか5分前にまるごと創造された?
    2-5 昨日の自分と今日の自分は同じ?
    2-6 日常は根拠のない自信に満ちている
    2-7 部分を全体から類推する
    2-8 自由に世界を受け取ることなんてできない
    2-9 逆さメガネにもやがて慣れてしまう
    2-10 目のレンズが生み出す世界像は天地が逆!
    2-11 脳が反応する世界が、世界のすべて
    2-12 「正しさ」は、記憶しやすさに規定される
    2-13 子どもの描く世界地図は歪んでいる。正しさの基準
    2-14 「正しい」は「好き」の言い換えにすぎない
    2-15 子どもはなぜ甘いものが好きか、大人はなぜビールを好むか
    2-16 好きになることは、脳の回路が変化すること
    2-17 ネズミもカンディンスキーの絵画が好きになる?
    2-18 好みは操作される?
    2-19 見えたという気がしないのに、わかってる
    2-20 「たしかに見ました」は当てにならない
    2-21 記憶そのものがすり替わる
    2-22 強烈な無意識の作用を実感する
    2-23 「がんばれ!」の効果は絶大
    2-24 身体は真実を知っている
    2-25 脳は体を介して、自分の置かれた状況を把握する
    2-26 お金をたくさんもらうと仕事は楽しくなくなる?
    2-27 感情を操作して行動に合わせる
    2-28 右脳と左脳をつなぐ神経の束を切断すると
    2-29 無意識に言葉を理解できる?
    2-30 理解して表現するのか、表現を見てはじめて理解するのか
    2-31 日常生活は作話(意味のでっちあげ)に満ちている
    2-32 記憶は「時間の流れ」もつくり出す
    2-33 僕らは「自分が道化師にすぎない」ことを知らない
    2-34 作話には生存戦略上、大きな効能がある
    2-35 僕らはヒトになるべく生まれてはいない
    2-36 人間と動物の境界線
    2-37 他人の心が理解できるのはなぜ
    2-38 「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じてる
    2-39 僕らの「心」の働きは、進化の過程の「使い回し」の結果
    2-40 自分か他人かを区別できなくなる
    2-41 幽体離脱を生じさせる脳部位がある
    2-42 他人の視点から自分を眺められないと、人間的に成長できない
    2-43 他人の眼差しを内面化できるのが人間
    2-44 僕らは自分に「心」があることを知ってしまった

    第三章 脳はゆらいで自由をつくりあげる 201
    3-1 少しは脳の気持ちにもならないと
    3-2 僕らの「心」は環境に散在する
    3-3 本当は脳にニューロンはいくつあるのか?
    3-4 ふたつの壮大なプロジェクト――脳を解明し尽くす?
    3-5 僕らのDNA情報はCD1枚に全部収まってしまう
    3-6 進化の過程で、動物のパーツを使い回してヒトが完成した
    3-7 ネズミは〈どのくらい前〉と〈いつ〉を区別できるか?
    3-8 生物は、意外に簡単に地球上に生まれてしまった
    3-9 有機物は、原始的な地球上でいともたやすく生まれた
    3-10 生物=自己複製するもの?
    3-11 生物=いずれ死ぬもの? トートロジーの悪魔
    3-12 生物=外部エネルギーを活用するもの? それとも、子孫を残すもの?
    3-13 生物=親があるもの?
    3-14 生物=環境適応するもの?
    3-15 完璧なアンドロイドを、人間と区別する理由はあるか?
    3-16 違和感なく「生命」だと感じたら、それは「生命」
    3-17 「自分は理解しているぞ」と自分で感じたら「理解している」
    3-18 隣人は「この赤」を、同じ「赤」と見ているのだろうか?
    3-19 感覚神経は、ため息が出るほど美しい――耳の構造
    3-20 耳は「有毛細胞」を備えたナノテク装置
    3-21 トウガラシから見つかった「熱さ」を感じるセンサ
    3-22 「熱さ」と「冷たさ」、元は一緒のチャネルの使い回し
    3-23 もっとも原始的な器官で400種類を嗅ぎ分ける――嗅覚の構造
    3-24 感覚の中の例外――寝ている間も動く嗅覚
    3-25 君の〈赤〉と、隣の人の〈赤〉は同じか? ふたたび
    3-26 個人差よりも、大ざっぱな構造の類似性がポイント
    3-27 目の網膜は進化の失敗作をそのまま使っている
    3-28 ヒトは3原色の世界、昆虫や鳥は4原色の世界
    3-29 〈目〉の誕生は5億年前
    3-30 目を介さずに、大脳皮質で直接「光」を見る?
    3-31 「見える」の定義を更新するテクノロジー
    3-32 世界ではじめて赤を見たネズミ――人の脳を開拓する時代
    3-33 僕らは本当に自由なんだろうか
    3-34 本当は脳に操られているだけ?
    3-35 脳内反応はすべて美しい方程式で記述できるとしても
    3-36 「動かそう」と意図したときには、脳はもう準備を始めている
    3-37 自由意思は生き残れるか?
    3-38 自由の条件とは
    3-39 他者に制御されているのを知らなければ、それは「自由」である
    3-40 自由意思の「存在」よりも、自由意思の「知覚」こそがポイント
    3-41 意図を生みだす中枢
    3-42 エイリアン・アーム・シンドローム
    3-43 ひとつの脳に複数の人格が同時に存在する驚き
    3-44 頭から取り出されても、脳は活動し続ける
    3-45 脳のゆらぎを目の当たりにする
    3-46 ゴルフ・パットの成否は、脳を見れば予測できる?
    3-47 「入力+ゆらぎ=出力」という計算を行うのが脳
    3-48 行動の直前の脳の状態が、成否を握っている
    3-49 脳の内面がモノの「見え」を規定する
    3-50 「君は30秒後にミスをする」
    3-51 脳の「ゆらぎ」が僕らを決定している?
    3-52 僕らにある「自由」は、自由意思ではなく自由否定だ
    3-53 〈手を上げる〉から〈手が上がる〉を引き算すると何が残るか、ふたたび
    3-54 自由否定の生まれる場所
    3-55 実際に「動く」よりも前に「動いた」と感じる
    3-56 僕らは常に未来を知覚してしまう
    3-57 僕らは未来から情報を借りている
    3-58 現在の情報を使って、過去に欠落していた情報を埋め込む
    3-59 フレキシブルな脳内時計
    3-60 僕らは、行動の結果を想定してから動く――記憶は未来志向
    3-61 僕らは、縦方向と横方向を均等に扱ってない――空間も歪む
    3-62 僕らの知覚している「世界」は、脳の可塑性を通じて、後天的に形成された
    3-63 可塑性の高いものが淘汰に打ち勝つ――進化のステージ1
    3-64 多様性を失った種は滅びる――進化のステージ2(最終段階)

    第四章 脳はノイズから生命を生み出す 337
    4-1 脳の「ゆらぎ」は何の役に立っているのだろう
    4-2 アリはどうやって行列をつくるか?
    4-3 ひねくれアリの存在理由、優等生だけではやっていけない
    4-4 航空会社が採用したアリのエサ運搬システム
    4-5 情報の利用と収集の切り替えを担うのが「脳のゆらぎ」
    4-6 ノイズのおかげで検出できるようになる情報
    4-7 ニューロン(神経細胞)は積分マシーン
    4-8 ニューロンを鹿威しに見立てる
    4-9 ニューロンの出力ではなく、シナプス入力がゆらいでいる
    4-10 連鎖する回路――フィードフォワード
    4-11 脳はノイズをエネルギーに変えて、秩序ある世界を生成する
    4-12 わずか20ワットの電球と同じ電力で脳は動く
    4-13 情報を前の層に戻す回路――フィードバック
    4-14 ランダムなノイズから生み出される美しい秩序――創発
    4-15 活動するニューロンの「島」がうねうねと動いていく
    4-16 睡眠中の脳の活動は、発火と静止の規則正しい繰り返し
    4-17 回路なしの単体でも創発は起きる
    4-18 自分が書き換えた環境が、巡りめぐって自分の行動に影響する
    4-19 ふと強靭な意志を持ったように、行動パターンを変える回路
    4-20 遺伝子は生命の「設計図」じゃない!
    4-21 ニューロンがつくり出す優しく、浮遊感のある音楽
    4-22 人間社会にも自然界にも存在する共通の法則――べキ則
    4-23 生成の「ルール」の存在を予見させるベキ則
    4-24 脳のベキ則はネットワークの構造から生まれる
    4-25 回路の構築+ノイズ=機能
    4-26 ゆらぎを意志でコントロールできる?
    4-27 意志的にゆらぎをつくれるか?
    4-28 僕らの「心」はフィードバックを基盤にしている
    4-29 「脳」を使って「脳」を考える――リカージョンと入れ子構造
    4-30 サルは「24783」という数字を理解できるだろうか?
    4-31 地球上で「有限」というものを理解している唯一の動物
    4-32 単純な脳、複雑な「私」――リカージョンの悪魔
    4-33 自分のことは実は自分が一番わかってないかもしれない――3日間の講義を聞いて
    4-34 感情や嗜好も、実は知らぬ間に条件づけられている
    4-35 汎化によって好き嫌いの世界観が形成される
    4-36 「自由」は感じるものであって、本当の意味で「自由」である必要はない
    4-37 脳研究は、学問横断型の接着剤
    4-38 ラッセルのパラドックス――リカージョンは矛盾を生む
    4-39 脳研究は、答えに行き着けないことを運命づけられた学問

    付論1 440
    付論2 448
    おわりに [454-459]
    参考文献 [460-469]
    さくいん [470-473]

  • 高校生に対する授業を文字起こしした内容は非常にわかりやすいし、身近に感じることが多い。
    人間は顔の左側で男女の判断をしている…とか。
    握力検査で検査前にサブリミナルで励ましの言葉を見せることで、握力自体に加え、検査器を握るスピードも早くなっている、ということに驚いた。サブリミナルは、恐ろしいほど脳に影響を及ぼしている。

  • もっともっと深読みしたい!と思った。自分の意志で身体を動かしていると私たちは、思っている。でも自分の意志よりも先に脳は予測しているのだそう。今、動かしてるこの手は、過去の世界。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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