単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578301

感想・レビュー・書評

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  • 秀逸。藤枝東出身と言うところにも親近感。

    進化の二相性
    進化のステージ1: 可塑性「どれだけ変化しうるか」の高いものが淘汰に打ち勝つ
    基礎力➕可塑性 (ヒトはまだ可塑性により多様性が保たれている)
    進化のステージ2: 多様性を失った種は滅びる(最終段階)全員「伸びしろ」があったら遺伝子の優劣のみが淘汰の指標だが、多様性を失い滅びてしまう。

    脳のゆらぎ
    ①効率よく正解に近づく(最適解への接近)
    ②弱いシグナルを増幅する(確率共振)
    ③創発のためのエネルギー源
    →複雑系と創発

  • 脳に関する知識ってニューロンとか前頭葉とか脳神経とかそれくらいしか知らない素人の私でも、とっても面白く読めた。

    面白かったのはわかるんだけど、説明するのは難しくて、理解しきれてない部分が沢山ある。
    何回も読んで、そのたびに、おおおって新しい発見に湧きそう。 

    脳科学がその性質上、「解けない謎」に挑んでいるっていうことに、宇宙や深海に通じる神秘性を感じるよね。

    とても機械的な仕組みで動いている脳をどんだけ調べても、
    答えは出ないかもしれないっていう深遠さ、
    自分探しの旅に出るくらいなら、この本を読んだほうが
    よっぽど安上がりでいいと思うよ。

    タイトル通り、「私」ってめちゃくちゃ難しいよ。

  • 脳について。学術研究と筆者の考え。
    一般啓発としてはかなり(情報処理的に)レベルが高い本である。
    ノイズも多いが情報量も多い。
    あと筆者自身の解釈にも注意が必要(快楽主義者っぽい)。ファクトを拾って読むのが良いかと。

    【以下メモ】
    直感の発生場所は大脳基底核(淡蒼球)。
    しかし、ここれは訓練されたものしか扱えない(手続き記憶の生成場所)。だから天性の勘はない。
    無意識の方が大きい(その点フロイトの分析は正しい)。
    報酬系テグメンタ。
    ひらめきは寝た方が良い答えが出る。
    意識ではなく、無意識での決定の連続で人間は決定を行っている、しかもそれが意識化の決定であると錯覚している点がタチが悪い(だからこそ、意思決定を言語化する事が重要であるという示唆が得られる)。
    ノンバーバルコミュニケーションには性差があり、男性は苦手で、女性が得意。基底核の直感の力。

    自由意志の存在は?
    私たちの意識はどのように作られているのか。
    自由否定も自由意志。トートロジーの連続。

    行動経済学の知見でも出てくるが、ボランティア活動に報酬を貰うと、満足度が落ちる。
    逆に報酬がない方が満足度が高い
    →脳は行動を合理化する為に感情を変える。
    (お金をもらってないでやっているのだから、とても良いことに違いないという錯覚)
    →心は行動に影響を受けている。

    脳の電気信号の順序が、
    準備→意志(手を動かせ)→手が動いたという感覚→手を動かせと実際に指令する
    という順序だというのも示唆深い。
    脳の電気信号を捉えれば、次のパッドが失敗するかもわかる。α波によって。
    自律神経は自分で動かす事ができる。血圧も。汗も。α波も。これはフィードバックで可能になる。薬がいらない時代が来るかも。
    脳も同じ原理で動作を行っている。つまり、手が動いたという感覚→手を動かせと指令
    フィードバックがあって初めて脳は活動できる。
    つまり、これが身体と心の連続性で、不分離性。

    脳のノイズについて
    べき乗で表されるこの世の中の事象。正確には、脳の創発の結果。
    ジップの法則
    都市の人口、ベストセラー作品数、収入、地震の大きさ、ガラスを割った時の破片の大きさ。などなど。
    ノイズがエネルギーを作る。脳は20ワット位で動く。
    ニューロンの入力がゆらぐ→ノイズ
    「鹿威し」モデルでの拡散と収束

  • 2015.3.25ビギナー向けの脳科学の本として、幅広く知るなら別の本として、脳科学に対する興味とか、ある程度の深さを求める入門書としてはすばらしい一冊であると思う。高校生への講義内容の収録ということでわかりやすくもあるし。脳ってなんというか、すごいともすごくないとも言えず、不思議、、、。

  • 以前に別の出版社から出ていたものがブルーバックスで再度出たのを知らずに二度買いしてしまった。高校生対象の講義でいわゆる脳科学をわかりやすく解説。題名の通り、脳は単純であるが、使いまわした機能で進化して、「私」を複雑に感じるようになっている。

  • 長い時間いれば好きになる
    テグメンタ➡︎快感、盲目性
    基底核が直感を生む。
    直感は理由が言えない、ひらめきは言える
    ひらめきは寝てまて
    直感は繰り返すことで、育まれる

  • 脳科学と聞くと難しく感じるけど、楽しく読める本。分厚いけれど一つ一つの話は短いからすぐ読める^_^

  • わかりやすく脳の話がかいてある。
    「直感は学習によって培われる」が一番響いたかな

  • 一通り読み終わって、パラパラ読み返し中。
    それくらい面白い。
    自分が身体を動かそうと思う前に、脳は準備を始めてるとか、
    人間の視覚のほうが珍しいとか。
    高校生への講義形式になってるので、初心者でも読みやすい。

  • 薬学なのに茂木さんより凄い?講義うけてみたい

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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