旅する練習

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1830
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065221631

感想・レビュー・書評

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  • 最後に仕掛けがされていて、それによって初読と2回目でガラリと印象が変わる物語になっています。

    物語の形式としては、叔父さんの回顧録といった感じです。

    途中の風景描写は丁寧ですが、関東風景に慣れ親しんでいる人でなければ浮かんでこないかもしれない、今ひとつでした。

    とにかく亜美が明るく前向きで可愛くて、女子であることのハンデを超えて、サッカーを頑張りたいという思いを強固にしたり、ウミウの死を通して生きることを考えたり、みどりさんのような繊細な人との触れ合いで、他者を慮ったりすることを学んでいったりするのを、叔父さんが懸命に書き記していく物語です。

    ですが、最後の仕掛けが私には合いませんでした。
    たしかに、死というのは突然で、突きつけられるように、あまりにも残酷なものです。直前までに故人が成し遂げてきたことや思いは、死の前ではあまりにも無意味で無慈悲です。
    けれど、こういったかたちでそれをまざまざと見せつけられたとき、読後に残るものは何であるか。
    何であるか。

  • 絶妙に読みづらかったけど、頑張って最後まで読んだ。途中クスッと笑える場面もあったし、子供らしい亜美ちゃんにほっこりしたけど、終わり方が…
    辛すぎた

  • ゆったり大事に読める小説。
    ずっと彼らと旅をしたくなった。
    人生ずっと練習でも別にいいんだ。
    だけどラストはただ悲しい。

  • 小説家の叔父とサッカー好きな姪のロードノベル

    やりたいことを諦める事が多い社会
    コロナ禍で閉塞感漂う社会
    それでも、やりたいことを自分のサイズでやれることって素晴らしい
    ゴールばかりに目が行きがちだけど、その過程を楽しむ事が素晴らしい
    そう思わせてくれた一冊

    頑張る人を応援するのも良いけれど、自分も応援される側になるのもいいんじゃないのかな
    急には夢中になれるものがみつからないし、今が辛いかもしれないけれど、いつか目的地のある旅に出るためのチャンスが来たら、出発できる「練習」だけはしておかないとね
    全ての人が旅に出られるとは限らないのだから

  • 話の途中でなんとなく最後の結末が予想できて、それが予想した通りの最悪な結末であり切なくなった。個人的に嫌いな終わり方だった。

  • 漫画のような世界観の一方で生真面目な文章の展開がなんだか絶妙に読み辛かった。でも内容は最後以外はよかった。ちゃんと読めてないのかもしれない。

  • シチュエーションがとても印象的。まるで水彩画を読んでいるみたいなロードノベルだった。のびのびとして爛漫な亜美に対してのみどりさんの描き方だが、両者がステレオタイプで少しがっかり。最後の唐突感も腑に落ちない。普通ならもっと喪失感でいっぱいにならないかな?ただ流れる様な文章が好みだったので☆3つ。

  • 個人的に途中から旅に参加する「みどりさん」の存在がとても大きかった。
    冒頭から半分までの間の2人の旅を読んでる時は、2人の自由な生き方がなんて素敵なんだろうと思って読んでいた。そんな中にふと現れた女性のみどりさん。最初はちょいキャラなのかなと思っていたが、2人の自由な生き方とみどりさん自身の生き方を比べて悩んでしまう姿に自分を重ね合わせていた。

    「誰かを応援するだけじゃなくて、誰かぎ応援せずにいられないような、そんなかっこいい生き方ができたら、もう少し自分を好きになれたかもしれない」

    自分がそれまで読んでる時に感じていた言葉を見事にみどりさんが口に出してくれていた。

    練習の旅は、旅の練習となり、目的地に向かうだけがゴールではなく、その間に何を感じてどう楽しむかという、旅の真髄を学ぶ時間になっていた。
    そして、おそらくこの旅は人生としても置き換えられる。
    いつくるかわからない死を迎える前までに、自分はどう生きるかを考えてしまう。

    最後の展開が、「旅」と「人生」を考えざるを得ない。

  • サッカー少女もジーコの話も良かったが、全国のサッカー少年少女に読ませてあげられるくらい明るく終えて欲しかった。

  • 最後の衝撃がものすごい。

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著者プロフィール

1986年北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年『十七八より』で「群像新人賞」を受賞し、デビュー。18年『本物の読書家』で「野間文芸新人賞」を受賞する。23年『それは誠』が「芥川賞」候補作となる。その他著書に、『十七八より』『本物の読書家』『最高の任務』『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』等がある。

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