- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065295809
作品紹介・あらすじ
親友の名前はトランジで、私はピエタ。
人類最後の「名探偵と助手」だ。
芥川賞受賞第一作『おはなしして子ちゃん』に収録された衝撃作「ピエタとトランジ」が、長篇になって帰ってきた!
天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、彼女の才能に惚れ込み助手に名乗り出たピエタ。
トランジは事件を誘発させる体質で、次から次に周囲で人が死んでいく。
あるとき、トランジに秘められた恐るべき事実が明らかになり、人類は滅亡に向かって――!?
芥川賞作家が送るスリル×サスペンス×友情の、超弩級ガールズ・エンターテイメント!
感想・レビュー・書評
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一見髑髏、よく見ると少女二人が座る昔の挿絵風の表紙と同様に一筋縄ではないピエタとトランジの物語。〇〇事件と言いつつミステリーでもなくチープな百合風味のドタバタ喜劇かと思いきや、気がつくと世界の終わりまで伴走してた。読めて良かった。
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頭脳明晰なトランジは殺人事件を誘発する体質の持ち主で、周囲でどんどん人が死んでゆく。そんなトランジと、彼女の助手であり友人であるピエタのロマンシス小説。
『おはなしして子ちゃん』に収録されていた『ピエタとトランジ』の続編であり完全版です。
ずっと文庫化楽しみにしていたので、珍しく発売してすぐに読みました。
短編集に収録されていた話はピエタとトランジが高校生の時初めて出会った時の話で、こちらはその後の2人、高校を卒業してから大学、就職などのライフイベントを経て、老人になるまでの人生を描いています。
もちろんその間でも2人の周りでは人がどんどん死んでいき、高校の卒業時には全校生徒が半数以下になっていたり、大学の寮もほぼ全滅。2人の存在は世界の危機へと繋がっていきます。
見ようによっては、とても綺麗な滅亡の形かもしれない。滅ぶのは世界ではなく、人間だけだから。
そんな右を向いても左を向いても事件や事故が起こる世界の中、どこまでもどこまでも2人で駆け抜けてゆく、疾走感のあるロマンシス小説。
とんでもない世界観なんですが、2人の関係性、互いが互いにとってどうしても必要な存在であるという姿にぐっときます。時を経ても変わらない関係・気持ちと変わっていく世界の対比も美しい。
老人になった2人も出てきますが、それでも最強の「ガールズ小説」だと思います。
ピエタもトランジも、森ちゃんという新しく出てきたキャラクターもそれぞれとても魅力的なのですが、私は特にピエタがとても好きで、最初の短編でピエタは若く可愛く奔放で、若さゆえにトランジとトランジの引き寄せる破滅に惹かれるようなイメージで描写されているのかと思っていたのですが、年をとってもどんな経験を積んでも変わることなく、どこまでも美しく自由で奔放で、「今までの人生で今が一番輝いてる!」と自信を持って言えるピエタがとても素敵でした。
表紙がピンク色の背景のドクロの隠し絵というのも、甘さと不気味さがあって可愛いですよね! ちょっとラノベ感のあった単行本の表紙も良かったですけど、こちらの方がイメージに合ってる気がします。 -
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がとさん、初めまして!
がとさんの感想を拝読して読みたくなりました。
早速今日、入手してきました。
深く読み込まれていて、文章もお上手で、...がとさん、初めまして!
がとさんの感想を拝読して読みたくなりました。
早速今日、入手してきました。
深く読み込まれていて、文章もお上手で、素敵な感想文ですね。
こんな風に文章が書けたら…と思いました。2022/11/05
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謎解き要素のない、ミステリィと言えばいいのでしょうか?究極の探偵と究極の探偵助手が出てきます。
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トンデモ設定を活かしきれてて見事。
女子高生2人の日常から始まったはずだったのに、気づけばすごい場所へ連れてかれてました! -
「……私の近くにいるとみんなろくな目に遭わないから」頭脳明晰な探偵トランジと親友で助手のピエタ。トランジは周りに殺人事件を誘発してしまう体質の持ち主(本人は望んでおらず手を出してもいない)であるゆえ、2人の行く先々で人が死んでいく。時を超え、国境を超え、デストピアを駆け抜けていく壮大な物語。『おはなしして子ちゃん』に収録されていた同名短編が独立して長編になったのが文庫化されたというので読んでみました。凄く面白かった。バタバタと人が死んでいく…という設定は本来私は好みでは無いのですが、ピエタとトランジの二人の関係性の魅力が輝いていてそちらの楽しさが勝っていました。いわゆる百合なんでしょうけど二人の間には性的関係が一切無いのがまた良いですね。
私に絵を描く才能があれば二人のファンアートを描いてみたいところです。表紙の絵は帯を取ると髑髏になるのがすごいですね。
コメントありがとうございます♪
やっぱり表紙いいですよね!私も書店で一目惚れして買いました。藤野可織さん...
コメントありがとうございます♪
やっぱり表紙いいですよね!私も書店で一目惚れして買いました。藤野可織さんは最近不思議エッセイ読んで楽しかったのですが、内容が私的にはあまり馴染みないものだったので「なんじゃコレ」と最初かなり戸惑いました。傍らに珈琲を。さんはいろんな物を読んでるので大丈夫かと思いますが‥。
積読万歳〜私も実際のも心の積読もいっぱいありますよ。楽しみがいっぱいあるということですよね⁈この本もちょっと気分変えたい時に良いかと思います♪
そうなんですよ〜一見おそろしげ→無垢な少女たち→真ん中のは犬?微笑んでるけどあなたたちは何見てる...
そうなんですよ〜一見おそろしげ→無垢な少女たち→真ん中のは犬?微笑んでるけどあなたたちは何見てるの?‥と想像が不気味な方へ行ってしまうすごい表紙です!