- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087466621
感想・レビュー・書評
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異常性の中に覗く日常への警句。
シュールな設定を引き立てる淡々とした語り口は、著者のお家芸か。
「覆面社員」は、本心を隠して理想的な役割性格を演じる内に、自分がわからなくなってしまう――そんな誰もが身に覚えのあるような病のメタファーに思われた。
現代版『人間失格』と呼べそうな1篇。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり三崎さんらしい短編集。
ありえない世界だし
読み終えてすっきりもできないのに
現実を感じさせられる。
ただひとつ、
ボタンを押すとどうなるのかだけ教えていただきたい。 -
この人の小説は、いつも不思議な内容です。
この作品も、その例に違いません。
シュールなショートショートというと、
星新一の名前が思い起こされますが、
星新一とも、また違うんですよね。
星新一の場合は、シニカルな現代風刺と言う感じですが、
この人の作品の場合は、風刺というより、
一風変わった世界の話に尽きると思います。
短い物語ばかりなので、一気に読んでしまいました。 -
再読2回目。
シュール。
ひとの存在って、何だろうと考えてしまう一冊。 -
三崎さんの持ち味「不思議なことが当たり前にある日常の話」が詰まった短編集。台風のように鼓笛隊がやってきたり、記憶にない恋人との失恋だったり、覆面をかぶって別人になったり、レプリカではなく本物の象だったり・・・そんな不思議な9編が収録。短いページで不思議なことが当たり前の世界観と、その世界観で起こるちょっとした物語を楽しめる。次はどんな日常なのか?どんな現象が当たり前になっているのか?そして人々はその現象に対してどう向き合っているのか?と楽しめる1冊。
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これ面白い! 短編集だけれども。
世界のほころび隙間をあぶりだすような物語。
表題になっている『鼓笛隊の襲来』は、”鼓笛隊”が台風のように語られていて、面白い。 -
日常に紛れ込む不条理SF短編集。ぞくっとするようなオチのものもありますが、表題作や「象さんすべり台~」「遠距離・恋愛」「同じ夜空を見上げて」あたりは、ちょっとふわっとした後味が残って好きでした。襲来する鼓笛隊、怖いけどちょっと可愛いかなって気もする(笑)