鼓笛隊の襲来 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466621

感想・レビュー・書評

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  • 世にも奇妙な物語みたいなお話いっぱい。私はあんまり。

  • 文庫化したので再読。日常から少しずれた世界を描いた短篇集。好きなのは三篇。「鼓笛隊の襲来」、鼓笛隊についていくのは結構楽しそうな気がします。「象さんすべり台のある街」、セピア色の雰囲気が好き。「遠距離・恋愛」、特殊な離れ方でも互いを想い合える二人の姿が微笑ましいです。それにしてもこの世界の役所は秘密主義で凝り固まっているみたいだけど、仕事の幅があり過ぎて大変そうです。定時に帰れる仕事が少ないのは間違いないでしょう。

  • 著者の作品の基本パターンである、我々の基準からみれば突拍子もないことが当たり前に存在する社会を描いた短編集。相変わらず目の付け所が絶妙です。個人的には「突起型選択装置」が気に入りました。登場する女性が、何とも言えず魅力的です。

  • 三崎亜記の短編集。

    ひと言で言い表すなら「世にも奇妙な物語」。

    「赤道上空に、戦後最大級の鼓笛隊が発生」し、街を襲います。

    なぜ、台風ではなくて鼓笛隊なのか。

    他にも。
    なぜ、彼を乗せた電車は消えてしまったのか。
    なぜ、彼女の背中にはスイッチがあるのか。
    そして、そのスイッチを押すと彼女は(あるいは、世界は)どうなってしまうのか。

    答えはどこにもありません。
    描かれているのは、このような現実から少しだけズレた不条理な世界で淡々と生活する人々の、少し切なくて、少し温かい日常です。

  • 最後の短編はじんわりときた。
    男性目線の恋愛話はじんとくる。

  • 着想は筒井康隆ばりの突飛さ。淡々とした文体と流れは星新一のような。いいんではないでしょうか。

  • この世界から少しだけ、でも圧倒的にずれた設定が、こんなに出てくるのがさすが。設定に頼らず、物語としてちゃんと深みがあるところも。ただやっぱり長編の方が好みだなあ。

  • 冒頭、藤崎竜の駄文を思い出した。
    全話短くも面白いので2時間程度で読める。
    非日常の中の日常ってやつかな。

  • ・「戦後最大規模の鼓笛隊」がやってくる表題作。台風のようでもあり、宇宙人がやってくるような不思議な話。でも最後はほっこり。

    ・自分を見失いそうになっている女の人の「記憶」を巡る「彼女の痕跡展」。自分の記憶は正しいものなのか?そもそも私は私なのだろうか?

    ・覆面を被る権利が成立した世界での日常を描く「覆面社員」
    本当の素顔をさらせなくなった切ない話。

    ・本物の象のすべり台がある街の話。しかも象さん日本語喋ってるし。あなたの「故郷」はどこですか?

    ・「突起型選択装置」…ボタンのある女のひとと出会う男の人の話。ボタン、押したらどうなってたのかなぁ…。

    ・「欠陥」住宅に取り込まれてしまった家族の話し。「欠陥」の度合いと「世界の秩序」について。自分が見ている景色をみんなが見ているとは限らない、というさみしいような納得できるような不思議な話。

    ・「浮遊都市」に住む彼との遠距離恋愛を描く「遠距離・恋愛」
    こんなプロポーズ、憧れるわぁ(笑)

    ・気づいてはいけないことに気づいてしまったために人としての生活が営めなくなってしまった家族。これは恐かった…。

    ・理不尽にも離れ離れにさせられてしまった人たちの話。
    列車事故、震災…日常が一変してしまって、大切な人を失くして、いつになったら「受け入れ」られるんだろう。かなしいけど、さみしいけどちゃんと受け入れて前に進まなきゃいけないんだな、と思った話し。


    久しぶりにこの作家の本を読んだ。いろんな話がぎゅっと詰まって楽しめます。

  • ・誰だっけと思ったら「となりまち戦争」の著者だった。

    ・星新一を彷彿とさせる短編小説集だが、星先生の領域には至らず。今後の成長に期待を込めての★3

    ・作者がやりたいことの方向性は分かるんだけど、もう少しpolishが必要。しっくりこないというか、イマイチ感というか、なんというか歯切れ悪い感じ。

    ・作家として研鑽を積むより、そもそも人生経験を積んだ方が良いのではないか。と、読み手は言いたい放題。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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