夜行

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864565

感想・レビュー・書評

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  • 2023.03.15

  •  実在する京都という街を幻想世界への出入口とすることを得意とする作者、森美登美彦のパラレルワールド展開作。
     読む者をして不安定極まりない立ち位置に立たせながらも、京都、尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡、そして最終夜鞍馬と、岸田道夫という銅版画家を絡めながら話が進んでゆく。
     やがて、岸田の「夜行」四十八連作と「曙光」とを通して、夜の世界と朝の世界というパラレルワールドの存在が描かれる。

    「もう二度と長谷川さんに会うことはないだろうと思った。しかし私には、十年ぶりに接した彼女の声やしぐさをはっきりと思い浮かべることができる。彼女には彼女の歳月があり、私には私の歳月があった。
     そして私は、十年ぶりに鞍馬に集まった四人の仲間たちのことを想った。火祭からの帰り道、姿を消したのが彼らではなく私なのだとしたら、彼らは不安な一夜を過ごしただろう。こうして無事でいることを早く知らせなくてはならない。」(最終夜 鞍馬 252頁)


    (内容紹介)からの抜粋
     僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
     私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
     十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。
     十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
     夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。

  • とても美しい景色の話のように思いました。
    語彙力皆無なのでうまく言い表せませんが、不気味さや恐ろしさの中に一種の芸術性のようなものを感じました。
    夜行列車にも乗ってみたいと思いましたし、何よりその小説に登場する絵を見たい!とも思いました。

  • 大学生のときよく読んでいた森見さん、久々に読んだ。うーん、こんな文章だったっけ。どこまでも続く夜、その中にある灯り。雰囲気を楽しむ本でした。夜行列車乗ってみたいな。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50021795

  • 22年11月13日読了

  • 「世界はつねに夜なのよ」

    繋がっているようで繋がっていない、分かったようで分からない、不思議な物語だった。

    旅のお供にぴったりの1冊だった。ぞぞっとくる。
    面白い。

  • パラレルワールドかしら。夜行と曙光。

  • 1日で一気読み。じとっとした怖さのある作品でした。尾道の話が1番怖かったかな。最後まで読み、自分のいる世界が夜なのか昼なのか分からなくなり、ぐらっときた。

  • 図書館で借りた後に再読したくて買いました。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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