旅のラゴス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171319

感想・レビュー・書評

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  • 2018/9/29読了。

    タイトルの通り、ラゴスという男が旅をする話。

    若い時代から70歳近くになるまでの人生を描いており、読んでいる自分も時間を旅した感覚になる。

    しかもこれを250ページほどの薄さでやってのけているので、内容の濃さに恐れ入る。文体も癖がなく読みやすい。

    南の国へ行き知識を蓄えていく描写や、奴隷鉱夫として囚われながも自らの知識で管理者側に回っていく場面などは理路整然と書かれており、なんだか自分まで頭が良くなったような錯覚に陥り特にお気に入り。

    また、SFというジャンルに似つかわしいワープ能力やその他特異な力も、自然な形で馴染ませており、無理なく読める作品だと思う。

  • むむむむむ
    初の筒井康隆さん
    一生の間にこんなたくさんの経験ができるものなのか。小さくまとまってんじゃねーよっていういつかの先生の言葉を思い出した。
    国王になって、結婚もして、15年間を過ごして、
    それでもそこも旅の途中。帰りたいと思う場所があって、でも帰ってからも居心地の良さは得られても心の満足は得られてず。
    最後まで進み続けなければ、本当の満足を知ることはできないってことか。夢追って叶えても、それで終わりじゃない。家庭を築いて、子ども育て、しわしわになっても、それで終わりじゃない。認知症の人が家にいるのに帰りたいっていう気持ちが分かった気がした。いつかもっと良くなる、幸せで心地好かった頃に戻れるなんて幻想。あるのは今だけ。

  • 半分くらいまで、思うように読み進めることができず、気が乗らない部分もあったが、半分を過ぎたところから、さまざまな展開があって時にはハラハラしながら読み終えた。
    主人公のラゴスさんのように自分の思う道を、旅を、進められることができるのは、男女を問わず憧れであり、モテる理由も理解できた。

  • ラゴスの生涯をかけて旅に出る模様がロマンや
    ファンタジーに富んでいて創造欲を掻き立てせてくれた作品でした。旅のポイントで登場するキャラクターや恋人が魅力的で、建物に何年も籠り、  
    数多の種類の書物や学問書を読み漁って知らぬ間に王国を築いていく様子が面白かった。

  • 旅を続けて行く中で、ある所で物への執着が無くなっていく場面があるが、そこがすごく好きだった。今自分の周りの大切な物は本など色々あるけれど、人生で学んだ経験とか知識など様々なもので深みのある人間になりたいと思った。物にまだまだ執着してしまうけど、頭に入れて旅をしたい。

  • ラゴスの生涯を綴ったロードノベルであり、人生の指南書のような一冊。
    歳を重ねても探求心を持ち、学び続ける姿勢こそが瑞々しく生きるコツであり、人生を彩りのあるものにすると思うきっかけとなった!

  • どこに行っても人間としても男としてもモテるってなんか都合よすぎな感じするな〜って思った。
    壁抜けをできる男の話が好き。先っぽだけ出してそのままなんて!
    何故か学習意欲を煽られる小説。
    旅がしたくなったし、こういう系他にもあるなら読みたい。

  • 筒井康隆氏の作品には随分お世話になっているが、今作品は初読。「時をかける少女」「富豪刑事」等とは一線を画す。現在、盛況を成す異世界転生作品の原型を見たような気がする。

  • 人間が様々な特殊能力を持ち、生活をしている世界。

    その世界を旅して回る主人公のラゴス。
    ラゴスは絶対にイケメンだと思う。

    2度も奴隷となり、ある時は王として称えられる。
    ソツがないようで、ちょだとお茶目なラゴス。
    これはモテるだろう。

    そこだけに焦点を置いてしまい、
    最初から最後まで、ラゴスのモテ伝記を読んでいる気分だった。

  • 終わり方が秀逸

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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