ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181608

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  • ついに8年間にわたるガリア戦役が終わり、カエサルはガリア征服を成し遂げます。
    戦役7年目、中部ガリア部族の蜂起で最大の危機に瀕するも、冷静に状況判断を下すカエサルのリーダーシップにほれぼれします。
    ガリア戦役の最後の戦いであったアレシア攻防戦。
    ローマ軍の前後から攻める総勢34万ものガリア軍を、5万にも届かない戦力で打ち破ったカエサル率いるローマ軍。
    カエサルの築いた包囲網のスケールに圧倒されちゃいます。

    さて、ローマ国内では三頭政治がクラッススの死によって二頭になったことで、元老院はカエサル排除の動きを強めます。
    一方のカエサルは、もはや元老院には統治能力はなくローマには新体制が必要だと考えています。
    双方の動きは飽和状態に達し、ついにカエサルは自軍を率いてルビコン川を越えるのです。

    次巻、いよいよローマ市民同士の戦いが幕を開けます。

  • とうとうルビコン川を渡りました。カエサルだけで、まだ3巻ある。

    ガリアとゲルマン、同じ言葉の発音違いかと思ってた。ローマ人、ローマ化したガリア人が建設した都市がたくさん残ってることに驚き。いつかひとつでも訪れてみたい。

    全体だと、まだ4分の1も読んでない。。。

  • 【読み返し】
    ガリア戦記終焉により、政治論争に変わるのは如何にもローマ的。
    カエサルもポンペイウスの一変ぶりは想定内だったと思う。

    ただ、この刊で一番はカエサル、ラビエヌスのストーリーかと思う。
    カエサルの政争から軍事内戦に移行する迷いがそこにあったと考えるとそれもカエサルと思ってしまう!

  • カエサル篇のルビコン以前(ガリア戦記)を読み終えました。
    地図で見ればヨーロッパなど狭いと思うでしょうが、あの全域をカエサルの軍団で縦横無尽に移動し戦う。今のヨーロッパの基盤みたいなものをこの時点で作っていったんじゃないかと思います。
    本書の中にも、この時点でついているガリアの地名が、そのまま今の地名でも存在すると書かれています。

    さて、次の章からはルビコン川を越えることとなります。『賽は投げられた。』という名言が出てきましたね。元老院最終勧告が発せられ、後には引けなくなったカエサル。どう元老院と戦うのでしょうか?楽しみです。

  •  部族ごとで行動し決して結束することのなかったガリア民族が、ある男の登場により一変する。ヴェルチンジェトリックスである。ガリアの解放を旗頭に諸民族を糾合し、親ローマ派だった部族も続々と反カエサルへと立ち上がる。さらにカエサルに追い打ちをかけたのは元老院による三頭の一人ポンペイウスへの懐柔で、カエサルを「独裁者」として告発する工作をはじめる。この絶体絶命の危機にカエサルは敢然と立ち向かう!
     
     カエサルの魅力をあますことなく伝えるガリア戦役の最終巻。

  • ガリア戦記後期。
    ガリアを掌握する背景で
    三頭政治の一角であるクラッススが戦死。
    またポンペイウスが元老院派に傾く
    これに伴いカエサルの副将もカエサルの元を離れる。

    ルビコンをわたる事によってローマ共和国の敵(国賊)となってしまう
    カエサル。

  • 共同歩調は苦手という、まるで後世のジェノヴァ人のようなガリア人。

    ローマの支配下に入るのは嫌だけど、各部族がこぞってカエサルに

    対することはなかった。それが、ひとりの青年の活躍の元、ガリアは

    反ローマとして立つ。

    さすがのカエサルも手こずる相手だが、配下の兵士を鼓舞する人心

    操作術に長けたカエサル。窮地に遭っても兵士の戦闘力を見事に

    引き出す。そして、運も彼に味方する。唯一と言ってもいいガリア

    総動員の反ローマの戦いも、結局はカエサルの勝利に終わる。

    その頃、ローマでは民衆派に移行しようとするカエサルの政治的

    動きを危険視した元老院派によって、戦勲を上げたカエサルは

    政体を脅かす者とされ巧妙な排除の計画が立てられる。

    「元老院最終勧告」という名の非常事態宣言が出され、カエサルは

    国賊とされる。共に戦って来た軍団まで元老院によって取り上げら

    れようとしている。その部下たちに向かって、カエサルは話す。

    反カエサル派が不正に彼を貶めようとしていること、元老院は平民の

    代表である護民官の権利を侵害したこと。そして、ガリアを制覇し、

    ゲルマン民族の侵攻を食い止め、ローマに多大な貢献をした彼らの

    最高司令官の名誉と尊厳を守ってくれるようにと。

    「最高司令官と護民官が受けた侮辱を晴らすためには、カエサルの

    行くところどことなりとも従う用意あり」

    兵士たちはカエサルと共に国賊となる道を選んだ。だが、長年

    カエサルの下で戦い、彼の右腕といってもいい副将ラビエヌス

    だけは敵対することになるポンペイウスの下に向かう。

    ポンペイウスや元老院派が期待したようなカエサルの兵士たちの

    切り崩しもせず、息子と従者だけを連れ、荷物さえも置き去りにして。

    大地主ポンペイウスの領地出身のラビエヌスは、代々、保護者と

    被保護者の関係にあった。

    うぅ…なんか格好いいじゃん。ラビエヌス。

  • ヨーロッパを創作するというカエサルのスケールの大きさ。それを実行するにあたっての戦略的思考。「ガリア」制圧を成し遂げた後で内戦に突入せざるを得ない逡巡。そして、重大な行動を起こすことの例えとなった「ルビコン川を渡る」時に発した「賽は投げられた」という台詞。続きを読むのがワクワクします。

  • ガリア戦記終焉ルビコン渡河。

  • カエサルさんカッコイイっす。自分の中で歴史上、カエサルを最も尊敬する人物にしてくれた本③。

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