ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181608

感想・レビュー・書評

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  • ガリア戦役6年目から8年目、そしてルビコン川を渡る直前までの巻。ガリアの地を平定していくカエサルと、ローマで画策する元老院。離れた場所にいながらローマや各地の情勢すら把握し利用するカエサルの傑出した才能。巻末ではついに元老院との決着をつけるべく国境のルビコン川を渡ることに。読んでて政争や戦争のイメージを駆り立てられる面白い巻でした。

  • 賽は投げられ, カエサルはルビコンを越えた. カエサルの心中も複雑だっただろうが, 副将ラビエヌスの気持ちもカエサル以上に複雑だったのだろう

  • ガリア戦記7年目の反旗を翻したガリア人との厳しい戦い、と、賽は投げられた、のルビコン川の渡河です。
    ガリア人が何でこんな7年も経ってから反旗を翻したのか全然わかりませんが、ガリア戦記の中でももっとも厳しい闘いだったんじゃないかと思います。ガリア中部の部族が総蜂起したものに対して、敵地のど真ん中で食料を調達しつつ、少数で戦わないといけなかったので、かなり厳しかったと思います。すぐ後で挽回しましたが、一度負けてますからね。ガリア人をまとめた敵の大将もさるものです。
    賽は投げられた、とルビコンの渡河は言葉だけ知っていましたが、なぜ起きたのか、どういう状態だったのか?、なんて知識がなかったので新鮮でしたね。元老院最終勧告、で国賊扱いされていて抜き差しならぬ状態で、その状態でも国家権力に闘いを挑むわけですから、確かに生半可な覚悟じゃできないですよね。自分達が考えるよりも、当時のカエサルはあれだけ国のために戦っていたわけですから、国家に対して反逆行為を実行に移すのは、よっぽどの覚悟だったということがわかりました。

  • 読書日:2012年6月30日-7月2日
    title in Italiana:C.IULIUS CAESAR -ANTE RUBICONEM- -RES-GESTAE-POPULI-ROMANI-
    PompeiusがJuliaの死後1年後に再婚したのが許せませんでした。
    幾ら元から政略結婚であっても、もっと情を持ち続けて欲しかったです。
    どんどんと反Caesarになっていく元老院とRoma市内の様子がありありと感じます。
    Rubicon川を渡ったCaesarの胸中は如何ばかりか。
    そして信頼していた副将と戦場でどう関わるのか次巻も目が離せません。

  • 「ガリア戦記」を読んでみたくなる。それくらい、本書の引用や解説がおもしろい。カエサルがルビコン河を渡ることになる経緯が非常に興味深かった。賽は投げられた!続きを早く読みたい!

  • 久しぶりにローマ人の物語を再開。今回はガリア戦記のカエサル。行動力、統率力、人望すげーな。さいは投げられた! 続きが楽しみ。

  • ガリア戦記もクライマックスを迎え、ガリア民族の中で唯一カエサルに対等に渡り合う若き指導者ヴェルチンジェトリックスとの戦い。数的に圧倒的に不利な状況のアレシア攻防戦。完璧な包囲網、組織化された屈強の兵士達。興奮は最高潮に達し、とても読み応えがある。『ガリア戦記』読んでみよう。クラッススがパルティアの地で倒れ三頭政治が崩壊。英雄を独裁者を必要としない共和制ローマは「元老院最終勧告」を突き出す。ルビコン越えを前にして共に戦い抜いた副将ラビエヌスとの別れは悲しい。最後はこの言葉で締めくくろう「賽は投げられた!」

  • クラッススのパルティア敗北とアレシアの勝利とルビコン渡河がハイライトですね。

  • ガリア戦役6年目からルビコン川を渡る、所謂「賽は投げられた」まで。前巻で15個軍団を騙し討ちにし全滅させたアンビリオリクスを追討するため、北伊で軍団を組織、ポンペイウスからも軍団を借りる。カエサルはアンビリオリクスが逃げ込んだゲルマンに兵をむけたが、結局、ゲルマン族が森林の奥地に逃げ、アンビリオリクス追討は成らなかった。ライン川に橋をかけ駐屯地を築いただけである。このころクラッススがパルティアで惨敗の後、戦死した。準備不足なのに戦争を強行したことと、パルティアにスレナスという名将がいたことによる。これで三頭政治の一角がくずれてしまった。ガリア戦役7年目(前52)はガリア民族がヴェルチンジェトリックスのもとに結集し、民族意識にめざめ団結してローマに反攻した年であった。はじめの三回の会戦はローマが勝ったが、ガリア側は焦土作戦を実行、ブルージュだけは堅固な地勢なので焦土作戦の対象外になった。だが、このブルージュをカエサルは土木技術を駆使して陥落させてしまう。これでガリア側が意気消沈するかと思いきや、かえって結束を固めた。カエサルはヴェルチンジェトリックスの故郷であるジェルゴヴィアを攻略するが、失敗し撤退した。南仏へ撤退する途中、ガリア側はこれを好機に追撃するが敗れ、アレシアに立てこもる。アレシアに対して、カエサルは20数kmに渡る包囲網を建築、落とし穴・塹壕・水堀・攻城矢倉やらが何層に重なった堅固なものだ。この攻城建築によって、5万の兵力で内外34万の兵力と戦い、まさに敢闘、外部からの援軍を斥け、ヴェルチンジェトリックスは身一つで降伏をした。ガリア戦役八年目は戦後処理である。基本的に各部族の戦闘力をそぐことに費やされ、以後、ガリアは反抗しなくなる。カエサルの課した税がそれほど重くなかったのが大きい。また、文化・信仰などは解体されず、ガリア民族はそのままローマ化されていく。このころ、ローマでは元老院派がポンペイウスに接近、カエサルの失脚を図る様々な議論がされている。基本的には総督を解任し、私人になったカエサルを法律闘争で屠るという戦略だったが、カエサル側も自らの支持基盤である平民会議や護民官の拒否権を使い抵抗する。しかし、「元老院最終勧告」がでて、カエサルは国賊となってしまう。ポンペイウスには国賊を討つように剣が渡されるのである。カエサルは迷いながらも、自らの軍勢とともにルビコン川を渡る。「ここを超えれば、人間世界の悲惨。超えなければ、わが破滅」、「進もう、神々の待つところへ、われわれを侮辱した敵の待つところへ、賽は投げられた」。紀元前49年1月12日である。このころの元老院は人事権をもてあそぶような所もあり、ポンペイウスも戦場を知るだけにさすがに参同できないような動議も出したりしている。現状認識の不足であろう。

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