レインツリーの国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.69
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本棚登録 : 23958
レビュー : 2399
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101276311

作品紹介・あらすじ

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった-。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫化してすぐに読んだけど、
    ワケあって再読。

    自分が好きな本の結末を
    他のみんなはどう受け止めてるのか?

    感想なんて人の数だけあっていいし、
    自分が感じたことがすべてだと思ってるけど
    ほんの稀に他人の書評が
    妙に気になることがあります。
    (特にあまりに衝撃的な結末だった場合)

    そして他人の感想を読んで
    その人と話してみたいと思うことって
    意外とあるんですよね。


    中学の頃に読んだライトノベルのシリーズの書評を通して
    伸とひとみは
    メールのやりとりを続けながら
    少しずつ少しずつ距離を縮めていく。

    しかしひとみには
    会うことに積極的になれない
    ある秘密があって…



    読書というのは
    あくまで個人的な行為で
    自ら孤独の中に浸り
    自分自身と向き合う時間。

    だからこそ書評には
    素直な思いが溢れているハズだし、

    選ぶ言葉や言い回しや文体には
    その人自身の思想や
    生きるスタンスまでもが表れるものだと思うのです。

    そういう意味で
    ネットから恋もありえること。

    ネットって言葉がすべてだから
    解り合うためには
    じっくりと真摯に
    言葉を尽くさなきゃならないし、

    好きなものを通じて
    ものの考え方や
    言葉にまず惹かれているわけだから
    見た目から入る恋愛よりも
    実は深いところで結びついている強みって
    少なからずあるんですよね。


    読書好きだからこそ分かる、
    自分が書いたものに対して
    反応が返ってきた時の
    驚きと喜びの心理描写の妙。
    (繋がったっていう感覚、ブクログのみんななら分かるよね)

    伸とひとみのように
    趣味がある程度カブっているのに
    視点が自分とは微妙に違うパターンだと特にテンション上がるのも頷けるし(笑)、

    ネットやリアルに限らず
    本当に失くしたくない縁だと思うなら
    解り合う努力を簡単に放棄しちゃいけないってことを
    改めて思い知らされた気がします。


    お互い違う環境で育った二人だからこそ
    惹かれ合うんやし、

    そもそも人は違うからこそ
    解り合いたいものなんやもん(笑)


    できることなら
    一歩だけ前へと歩きだした
    伸とひとみの行く末に
    あたたかな光を。

    この小説が
    報われない愛の前で立ちすくむ
    誰かのバイブルとなりますように。

    • ゆりさん
      この本は有川さんの作品の中では2番目に読んだんですが、面白かったな~。
      繋がったって感覚は言い得て妙だと思うし、みんなに言ってるんですが、伸...
      この本は有川さんの作品の中では2番目に読んだんですが、面白かったな~。
      繋がったって感覚は言い得て妙だと思うし、みんなに言ってるんですが、伸君が格好いいです!!
      関西弁萌えだ!!と改めて思いました。
      あ、なので、円軌道さんの記事も、いいなぁ、関西弁。と思って読んでますww
      2013/08/13
    • 円軌道の外さん

      遅くなりましたが
      ゆりさん、初のコメント
      ありがとうございます!

      コレ、健常者と障害者の恋って括りで
      論じてる人もいるけど...

      遅くなりましたが
      ゆりさん、初のコメント
      ありがとうございます!

      コレ、健常者と障害者の恋って括りで
      論じてる人もいるけど、
      自分はすごく普遍的な
      普通の恋愛を描いてるな〜って思うんですよね(^_^)v


      どんな状況の恋でも
      違う環境で育った他人同士なんやから、
      衝突したり
      意見のくい違いは当たり前やと思うし。

      他人だからこそ
      相手を知ろうという姿勢と
      分かり合いたいっていう思いと、

      誠を尽くすことこそが
      人の心を動かすことを
      有川さんは伝えたかったんじゃないかなって、
      俺は思います(^_^;)

      特にネットからの恋愛は
      言葉がすべてやから
      誠意がないと
      もろに伝わっちゃいますもんね(笑)


      あはは(笑)
      関西弁萌えって、
      関西人としては
      ホンマに嬉しい言葉です(^O^)

      うるさいとか
      コワいとか
      おちゃらけてるとか、
      アホやとか(笑)
      だいたい世間一般では
      そういうイメージで捉えられてるんで(笑)


      また良かったら気軽に
      コメントしてくださいね。

      自分もまたあとで
      お返しに参ります(*^o^*)


      2013/08/18
  • ロシアの文豪との格闘で疲れ切った脳みそをリセットしようと思って、軽く手に取った本書。文庫本として分量も手軽だし、はずれのない有川浩の恋愛ものなら、間違いないだろうと思って読み始めました。

    なになに、出会ったことの無い若い男女が、好きな小説についてネットで盛り上がったって話か・・・いいねえ。
    で結局、最後まで会わずに、最後の最後で出会って幸せになるって話かなと思ってたら、あれ、第二章でいきなり会っちゃうじゃないのこの二人。

    想像と違うなと読み進めると・・・。
    え、そっち系のテーマなの!重い!全然、軽くない!

    脳みそを休める為に軽い気持ちで手に取った本だったけど、全然休まらない(笑)。
    本書のテーマを十分に知っている人から見たら、僕のこの本の選び方は笑止千万だろうけどね。

    結論的には、ものすごく楽しめた一冊でした。
    有川浩は「図書館戦争シリーズ」と「旅猫レポート」しか読んだこと無いけど、本書は図書館戦争シリーズでも出てきてるんですね。完全に忘れてました。

    図書館戦争シリーズを読んでいる時は、有川浩先生が女性とは知らず(当然、名前の読み方も『ひろし』だと思ってましたw)、「男のくせに、『白馬の王子様』の描き方上手いなあ!」と感動しながら読んでました。

    本書も、大きく言えば『白馬の王子様』系のお話ですね。

    「私みたいな超面倒くさい女の子を好きになってくれる彼」

    もう、この一文で、もう多くの女子はメロメロなんじゃないでしょうか。

    実際、女子にとってはこの主人公の向坂伸行は理想の男性なんだろうな。
    完璧とはほど遠いけど、自分に一途になってくれ、自分のありのままを受け止めてくれる。そして、受け入れるだけじゃなく、建設的な意見も言ってくれる。

    伸行は美容院の実家で育っているので、女性が髪型や化粧、服装で全く変わってしまうことを子供のころから知っており、女性の外見にはあまり執着していない。

    そして彼の放つ必殺のセリフ
    「俺が好きなのは、君の頭の中身だから」

    こんなこと言われたら、男の僕でも「お前!!本当に格好いいよ!!!!」って、泣きながら抱きしめて、彼の背中を両手でバンバン思いっきり叩きますよ(笑)。

    という訳で、頭のなか完全にリセットできたので、ロシアの文豪やっつけてきますね。
    ありがとうございました。

  • 甘い往復書簡を読んでるみたい!
    と、恋気分で読んでたのも束の間…。

    お互いを想う気持ちはたくさんあるのに
    自分が自分がの自己主張が少しずつ降り積もって
    大きな溝になったり、歪になったり。

    恋の感情だから超えられること、
    恋だからこそ超えられないこと。
    でも、こんがらがりすぎた糸も
    言葉を届けあうことで時間をかけて解いていく。
    互いを分かるための労力を惜しまないことは
    大切に繋がっていくために何よりも大事なことだと思う。

    恋は成就することよりもその後お互いに
    幸せな気持ちを交換し続けられることが大変。
    最初すごく簡単に思えることほど本当は難しい。

    レインツリー=ネムノキの花言葉は
    「歓喜」「胸のときめき」。
    たくさんの辛い思いをぶつけあってもなお
    一緒にいたいと願った2人の未来が幸せだといいな。

  • ネットで知り合った20代半ばの男女の恋愛もの。
    聴覚障がいを持つ彼女の事情も含めて、丁寧に描かれます。

    かって愛読した作品のラストが気になっていた伸行。
    高校生が活躍するSFアクションもののハチャメチャな楽しさにはまっていたら、彼女が彼との別れを選ぶという結末にショックを受けたのだ。
    仕事にも慣れてきた頃、ネットで感想を検索してみたら、「レインツリーの国」というサイトを見つける。
    ひとみというハンドル名の女性が書いている感想に興味を持ち、伸のハンドル名で書き込むと、互いに好印象で、3日とあけずにラリーが続くようになった。
    会いたいという願いを最初は拒んだひとみだが、紀伊国屋で待ち合わせることになる。

    重たそうな髪の少し野暮ったい彼女。
    それは想定内だったが、ところどころ不審な点があり、しまいに伸行は爆発してしまう。それは誤解だった‥
    彼女は補聴器をつけていて、それでも聞き取れない場合があったのだ。
    障がい者枠で就職していたが、身近な社員の理解を得られず、実は孤立している苦しみがあった。
    いちいち説明なんかとてもできないと思ってしまいがちだけど、ほんとは説明したほうがいいことも‥そのへん、下手なところがあるんですね。

    時にはぶつかり、行き違いを重ねつつも、また手を差しのべあう二人。
    聴覚障がいについても適度に説明されていると思いますが、障がいに限らず、育ち方の違いやコンプレックスのあり場所などで、互いにこういった問題はよく起こるものと感じられます。
    メールのやり取りがリアルでちょっとイタイ‥遠い昔に~身に覚えが‥?
    そういう意味で、恋愛として普遍的なものを感じました。
    彼にちょっと近づく女の子も、恋愛至上主義にしてはさばさばしていて、有川さんらしい。

    めんどくさい女の子の気持ちを理解したいと思う寛大な伸。
    その真っ直ぐさがまぶしい~!
    何の苦労もしていないからではなく、彼にも人にはわかりにくいかもしれない経験がある。
    それを乗り越えた後だからの知恵の回り方。
    「理屈っぽい」という理由で今まではフラれていたというのが笑えるけど。
    お似合いなのね~ふふふ♪
    用心して距離を置いていたのに、いつの間にか彼に甘えている彼女が、一歩ずつ成長していく甘~いお話です☆

    図書館シリーズの2作目からのスピンオフ作品。
    内容はこれだけで独立しているので、恋愛物が読みたいときにどうぞ!

  • 久々に良い本に出逢えました。価値観の合う人って恋愛において大事なポイントだしそれが好きな書籍について共感しあえるなんて本当に素敵だと思う。私は最近読書に目覚めてまだ読んだ本も少ないけど、私が良かったと感じた1冊が当サイトを通じて名前も顔も勿論知らない誰かも同じように同調して貰えた時は本当に嬉しかった。
    健聴者と障害者の恋愛がテーマってよく有りがちなドラマ仕立てが多いけど、現代的だけど奥ゆかしくてでもストレートで。最後の最後まで二人の距離が縮まる行程が青春菌満載で爽快でした。
    この本、凄く好きです。

  • 読後はさわやか青春菌。
    図書館戦争に出てきた本で気になっていたのだが、やっと読めた。
    でもまあ、こんないい男はいないんじゃ?(笑)
    有川さんは言葉を大事にしていることを言葉で表現してますよね。
    個人的にはボリュームが足りなかったかなあ。もうあと2つ3つエピソードがあって、仲良くなる過程を見たかったかなあ。まあ、それも読者の想像に任せたい、という一つの表現なのかな。
    この本のおかげで、人の書評を読みたくなり、ブクログエントリー。

    • HNGSKさん
      urarintyoさん、初めまして。あやこといいます。
      わたしも、伸のようないい男は、この世にはまず存在しないのでは・・・と思いました。
      有...
      urarintyoさん、初めまして。あやこといいます。
      わたしも、伸のようないい男は、この世にはまず存在しないのでは・・・と思いました。
      有川さん作品にでてくるすべての男子について言えることかもしれません。(笑)
      2012/11/15
    • urarinchoさん
      コメントありがとうございます!
      ネー。有川さん作品の男どもはカッコよすぎて、現実の男子はつらいっす(笑)
      コメントありがとうございます!
      ネー。有川さん作品の男どもはカッコよすぎて、現実の男子はつらいっす(笑)
      2012/11/15
  • 主人公の純粋でストレートな気持ちが、文章の1行1行に、爽快に描かれています。
    そのことが、一読者である私を、とてもわくわくさせました。


    「彼女は――彼女たちは、耳が不自由な分だけ、言葉をとても大事にしているのだ。」
    (p.184から引用)


    だからこそ、主人公の真っ直ぐで飾らない言葉は、彼女の心にきちんと届いたのだと、私は思います。


    言葉には、時に傷ついたり、逆に傷つけてしまうこともあるけれども、
    でもやっぱり、誰かの言葉に救われることが圧倒的に多いのですね。

    だからこそ、私は、ひとつひとつの言葉を大切にしていきたいし、
    できる限り、きれいな文章を書けるよう努力していきたいと思います。

    • まろんさん
      この本でも、『図書館戦争』シリーズでも、聴覚障害の世界を
      お涙頂戴に陥ることなく、真摯に綴った有川さん。
      見つめ合うだけで全ての想いが伝えら...
      この本でも、『図書館戦争』シリーズでも、聴覚障害の世界を
      お涙頂戴に陥ることなく、真摯に綴った有川さん。
      見つめ合うだけで全ての想いが伝えられるなら素敵だけれど
      そんな超能力を持たない私たちは、やっぱり、
      伝えたい気持ちをきちんと言葉にして
      相手に届ける努力を忘れずにいたい、と思わせてくれる本ですよね!
      bluebird-ryuryuさんのこのレビューの最後の4行、
      有川さんが読まれたら、きっと嬉しさがこみ上げるだろうなぁと思います。
      2012/10/13
    • HNGSKさん
      わたしも、ブルーバードさんが書かれているように、言葉を大切にしていきたいです。

      この本、読みます。
      わたしも、ブルーバードさんが書かれているように、言葉を大切にしていきたいです。

      この本、読みます。
      2012/10/13
    • HNGSKさん
      お久しぶりです。この本を読みました。言葉っていいですね。有川さんっていいですねー。
      お久しぶりです。この本を読みました。言葉っていいですね。有川さんっていいですねー。
      2012/11/14
  • きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった。

    図書館戦争シリーズの「図書館内乱」から、出てきた本。
    とても、素敵なお話でした。

    聴覚障害者の方の大変さなどが、スムーズに書かれておりなるほど・・・と考えさせられる部分もたくさんありました。

    夏に読んでさっぱりする爽快ラブコメでした。


    有川先生らしい、終わりで私は好きです。

  • すぐに友人にオススメしました!

    短いから読みやすいし2日で読み終わった!恋愛ものだけど人間らしさが描かれててフィクションだけど物事が思う様に進まない辺りや同じやりとりの繰り返しが現実というかご都合主義ではなくて考えさせられることも多かったし、ストーリーの男性も綺麗すぎな感じじゃなく人間らしさがでててね。
    なんかこの本に出会ったときの自分に少し2人の気持ちがリンクするとこもあって良かった、話の取っ掛かりとかは今時ぽいかもだけど。

    本を読む人なら誰にでも忘れられない本てあるじゃない?それが子どもの時に読んだ本でも、急にふとしたときに思い出すみたいな。
    それで本のレビューをみて
    自分と似た感性の人がいる!って彼は嬉しくなりヒロインの彼女との本の感想などのやりとりがメールで始まるんだけど
    彼女には会えない理由があるの。

    私この本を読むまで聴覚障害の人は
    手話を使えるってイメージがあったけど
    中途失聴とか聾とか伝音、感音ってあるのを知ってさ自分なんも知らないんだなぁって思った。

    深く考えた。

    彼は自分と感性が似てるけど少し違う見方もする彼女に惚れたんだなってこの男の子もさ
    少女マンガのヒーローて感じじゃなくてさ
    ヒロインを傷つける言葉をいったり自分の意志の強さがあったりストレートでさ
    感性が似てる人と出逢うっていいなぁと思ったよ。

    私がこの本の中で
    印象に残る言葉があって
    痛みにも悩みにも貴賎はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ。
    彼女は彼女たちは耳が不自由な分だけ、言葉をとても大事にしているのだ。第一言語として自分たちに遺された言葉を。その言葉を大事に使って、真摯に理屈を組み立てる。だから伸行はひとみの言葉に魅かれるのだ。あれほど真摯に使われる言葉はまたとないからだ。自分と似ていて少し違う心地よさ、それはひとみが言葉の限りある愛おしさを知っているからだ。
    その言葉で大切な思い出の本を語られたら、魅かれない奴はいないだろう。


    私もこんなに自分とぶつかってくれる人にいつか出逢いたいな。
    僅かな願望(笑)

    読後、友人に力説しました(笑)

  • 知り合ったきっかけがなんであれ、近づいていくプロセスがどうであれ、この2人は「出会うべくして出会った2人」。
    お互いにつらい過去を抱え(片方のはこれからも抱えていかねばならない性質のものだけど)、かなった恋も一筋縄ではいかないだろうけど、そんな2人だからこそ乗り越えられると信じたい。
    『阪急電車』を読んだ時も感じたが、有川浩は会話のテンポが実に心地よい。会話を通して、ストーリーにぐいぐい引き込まれていくんだなあ。

  • 今までにない衝撃を受けました。
    ただのラブストーリーだと思って読んでいた私にとって、この本の核となる部分は重かったです。
    いつもなら
    おもしろかったー、とか
    切ない…
    で終わる私のつたない感想ですが、なんだかこのおはなしはそんな簡単な言葉で終わらせちゃいけないような気がして、このレビューを書きながらも戸惑っています。
    ひとみさんもいうように『深く刺さって抜けない棘のよう』な作品になりそうです。
    私は、ひとみさんの前に自信を持って立てるのでしょうか。
    伸さんみたいに、真正面から向かっていくことができるのでしょうか。
    そんなことを読み終わってからずっと考えて、そして涙があふれてきます。
    ストーリーに感動して、という理由もありますが、自分に対するやるせなさ?みたいなもので。
    すごくすごく心が揺さぶられました。
    いつもの私なら、オススメの作品はみんなに紹介して回りたい性格なのですが、この作品はそうじゃなくて、私がひっそり書いたこのレビューをうっかり見つけてくれた人が、興味を持って手にとってもらえればなあという思いです。


    なーんて、偉そうなことを書いてしまいましたね。
    私も青春菌がうつったかも笑
    こうやってレビューを書いてる私にとって、二人の出会い方はすごく素敵で、憧れます。

  • ブログの内容にひきつけられてネットでの会話が始まる。
    you've got mailのような感じの始まり。

    会って,難聴であることが発覚。
    賢い女性と直球な男性。

    言葉のやり取りが引き立つ。
    参考文献が豊富で,事情の説明が丁寧。

    有川浩にやられたという感じ。

    恋愛小説として読んでもいいし
    恋愛部分は無視して読んでも良い。

    男性は有川浩の理想像だろうからあまり深追いしない方がいいかも。

    ps.
    参考文献の一覧をwebで作ろうとしてみたらamazonに登録のないものもある。すごい調査の熱意に脱帽。
    http://www.amazon.co.jp/lm/RXN5OBSIY7A7L/
    に掲載できないものは
    http://researchmap.jp/joc0l1uwv-45644/#_45644
    に参考文献のURLを記載しました。

    ps.
    booklogの感想をいろいろ拝読しながら花丸をつけさせていただいています。え,そうなのと思うものに花丸を。

    残念な感想がいくつか。
    恋愛小説として読まなくてはいけないと思い込んでいたり,
    登場人物に共感しなくてはいけないと思い込んでいたり,
    作者に共感しなくてはいけないと思い込んでいたり,
    自分の思い込みを作品に押し付けようとする読み方をしていたり,感想を書かれている方々。

    もったいないな,作品から自分の為になるところを貰えばいいのに。
    自分の価値観を作品に押し付けても,作品は何も返してはくれない。
    自分の価値観にないものを作品から貰おうとすれば,作品は一杯返してくれる。

    この本の登場人物のやり取りを見て学ぶところがそこかも。
    相手に自分の価値観を押し付けても何も帰って来ない。
    自分の価値観にないものを相手から貰おうとすれば一杯返って来る。

    • jardin de luneさん
      私もこの本が大好きですが、この本に限らず感覚的な読み方しかしないので、「参考文献が豊富」というポイントに目から鱗が落ちました。もしかしたら有...
      私もこの本が大好きですが、この本に限らず感覚的な読み方しかしないので、「参考文献が豊富」というポイントに目から鱗が落ちました。もしかしたら有川さんの魅力はそういうところから出ているのかしら… 他の本も読んでみようとおもえるひとことでした。
      2012/08/26
    • kaizenさん
      ご意見ありがとうございます。小説,新書で参考文献がない本が時々あり,残念に思うことがあります。中身は面白いのに,参考文献がないので確かめづら...
      ご意見ありがとうございます。小説,新書で参考文献がない本が時々あり,残念に思うことがあります。中身は面白いのに,参考文献がないので確かめづらい。恋愛小説が苦手な人も,「レインツリーの国」は中途難聴者の感じることと行動について調べたり,追いかけてみるきっかけになるかも。
      2012/08/29
  • この本が出たころ、友達に「とてもいいから読みなよ」と勧められたことがありました。
    でも難聴者の話だと知って読むのを躊躇して、何年も経ってしまいました。どうせ薄っぺらいんだろう、と。
    いま読むに至ったのは、図書館戦争の映画化がきっかけです。おもしろそう、原作を読んでみようかなと思ったことからでした。
    図書館戦争の第2巻「図書館内乱」では、途中失聴者の女の子が出てきます。その女の子についての説明や、その女の子が感じていることは、とてもきちんとした取材の上でなされているように感じました。
    そこから派生した物語なら、「聴覚障害」だけが軸の物語じゃないんだろうと。

    わたし自身も聴覚障害を持っています。生まれつきの難聴者。聾でもろうあでも途中失聴でもなく。
    図書館内乱、そしてレインツリーの国でもう一文だけ付け加えて欲しかったとすれば、「生まれつきの難聴者」でも「口話を第一言語」としている人がいるということ。物語中で説明してくださった聴覚障害の人の中に、その真ん中の人間がいるんだということを書いてほしかったなあ、なんて、ワガママですが。

    口話での生活でほとんど苦労しない私ですが、主人公の気持ちにはとても感情移入することができました。途中で何度も泣きました。
    この物語に出会えてよかったと思います。

  • 聴覚障害をもつ友人に勧められて読んだ、初・有川作品。
    ・・・ですが、なんというか、自分の独りよがりな’わかったつもり脳’を、ガツーンと殴られたような気分でした。

    聞こえないという状態は想像できる気がしていたんです。きっと不便だろう、大変だろうって。だけどやっぱりそれは、’わかる気がする’程度であって、聞こえる人々との微妙なズレ(微妙なだけに声高に主張するにもはばかられ・・・)、当事者にしかわからない不安や悔しさ(わたしは悔しいという感情がわくこと自体、この本を読むまで想像できませんでした)、そんなことも知らずに、聞こえない辛さをわかったつもりになっていた自分が恥ずかしかったです。

    現実はこんなにうまくいくことのほうが少ないでしょう。だからこそ、2人を応援したくなるようなストーリー展開に自分を重ね、ちょっとだけ、希望を感じることができるのかもしれません。わからなくてもわかりたいと思うことが、理解への助けになると信じて。

  • 二人なら乗り越えられるなんて楽観的になれるほど現実は優しくないのも知ってる。


    綺麗で甘いだけじゃない恋愛小説。
    青春菌すごいなぁ(笑) 甘いけど痛いとこもついてくるね。
    終わりがある、って言うことを認識した上で始まったところで終わっている。
    健常者とか障害者とか関係はない。悩みなんかそれぞれのはずで。
    地雷は誰にでもあるんだなって。それ踏まれたときにせめて理不尽に傷つけることはしたくないものです。

  • べったべたの恋愛物(笑)
    でもそんなまっすぐな小説を書いてくれる有川さんが好きです。
    聴覚障害の人に対し考えさせられる場面もたくさんありました。
    自分は・・・たぶんそのような人たちを知らずに知らずに傷つけてしまったりするんだろうな。

  • 出会いが「阪急電車」で、

    その出会いがすごくよかったから、

    迂闊に次の作品へ飛び込めなかったところを、

    kamoshigiさんにきっかけをもらって手にしたこの作品。

    2時間あっという間に読みきりましたが、

    有川浩、やっぱり好きです。

    恋愛もので出会った彼女ですが、
    この恋愛ものも、やっぱりうまくて、というか好みで、
    冒頭の口当たりの良さとは裏腹に、
    ストーリーは思っているのとは全く違った、予期せぬ方向へ転がりましたが、その展開も、実に見事で、いつもながら思うんだけど、そこで交わされる人間のやりとりがしっかり描かれていて、なんというかまったなし!というか。そんで最後はやっぱり「きゅん」としてしまう。
    いい歳なのに「きゅん」
    恋愛小説を読んで「きゅん」だなんて・・・

    有川浩と湊かなえをついつい比較してしまうんだけど、
    全く違うんだけど、この2人にはどこかしこ、同じようなことを感じてしまう。
    この作品を読んでまたさらに感じた。

    まだまだうまくいえないけど、どちらもすごいのは間違いないと思う。
    すごいというか、やっぱすき。

  • 何年も前に好きだった小説(ライトノベル)の感想を書いたブログにメールを送ったところから始まる交流。
    そんな始まりなのですけど、男女の考えの違い、文字と言葉の交流の違い、理解と実体験の違い、答えがでない問題事に少しでも立ち向かうか諦めるか・・・
    相手のためによかれと思ってしたことが、相手にとっては信用されてないと感じる結果になってしまったこととか・・・
    日常生活で見かける考えのすれ違いが多々あって、いろいろ「交流」について考える事が多いお話でした。

    あ、でも女性を例えるのにリックドムが出てきたのにはびっくりだ(笑)

    チャプター3の目次、
    「傷つけた埋め合わせに自信持たせてやろうなんて本当に親切でありがとう」
    なかなか文字面もショッキングですが、こう思うしかなかった女性に対する気持ち・・・・複雑です。


    そして、この作品は、同作者の「図書館戦争」シリーズのスピンオフというか、作中に出てくるタイトルの物語化のようです。

     図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2)エピソード「恋の障害」
      http://amzn.to/R01pDy

    ただ、解説によるとこのエピソードはアニメ化の際にTV放送できません・・・と言われたそうです。
    DVDになったときに収録されたそうですが(DVD第三巻)。
    そのあたりのことを思って「レインツリーの国」本文のヒロインの台詞を見ると、より一層ものがなしいものがあります。


    解説で紹介されていた、「図書館内乱」の引用文より
     " ーー差別をわざわざ探してるみたい。そんなに差別が好きなの?ーーー”

  • 社会人3年目の「伸」と「ひとみ」の恋愛小説である。
    が、健聴者と難聴者(中途失聴)の恋愛を描いたものであることが、普通の恋愛小説と異なる点である。

    なんの予備知識も持たずこの小説を読み進めていったので、僕も「伸」と同じで第一章の時点では「ひとみ」が難聴であるということに全く気が付かなかった。エレベータの重量オーバーブザーに気が付かなかった「ひとみ」に、僕も「伸」と同じように、恥ずかしくも苛立ってしまった。僕の心も極めて狭いなあ(笑)。という感じで、主人公の気持ちと重なってしまうくらい、有川さんの心情描写は上手いなと感心してしまう。

    “伸さんって声は高いほうですか、低いほうですか?”(P56より引用)
    「ひとみ」がデートをする前に、「伸」にメールで訊いた台詞であるが、この台詞にすべてが含まれていたのだなと僕は思う。
    実際に会ったときに、相手の声が聞き取りやすいか、聞き取りにくいか、難聴者の「ひとみ」には重要なことだったのである。

    「伸」の提案で髪を切った「ひとみ」が、徐々に吹っ切れて、性格が前向きになっていって本当に良かったと思う。
    「伸」と「ひとみ」が聴覚障害というハンデを乗り越えて結婚してくれたらいいな。

    この小説は、健聴者と難聴者の恋愛という極めて難しいテーマを主題にしているが、本質は普通の健常な男女と変わらない普通の恋愛と全く変わらない。相手が難聴者でなくとも、相手を思いやることは大事だし、それが無くなったら恋愛としては続かない。
    読後は非常に後味が良く、きっと彼氏(彼女)、夫(奥様)を今まで以上に大事に思わねばという気持ちになると思います。

  • 学校の実習で聴覚障害の子と触れ合ったり、聴覚障害の友人がいる自分としては、純粋な『恋愛小説』というよりも、『聴覚障害』について改めて考えさせられる本でした。
    必ずしも全員が ひとみ や 伸 と同じ気持ち・考え方をするわけではないでしょう。けれど、そう言う気持ち・考えもあるんだ、という意味で、視野が広がったような気がします。

    好き嫌いは分かれると思いますが、私にとっては大事にしたい一冊です。

  • 今まで図書館戦争シリーズを始め様々な有川浩作品を読んできて、
    「この作品好きだ」とか「めっさ面白い!」と感じてきた。
    特に図書館戦争シリーズにはかなりはまり、それが初めて読んだ有川浩作品であったわけだが、その後どの有川浩作品を読んでも面白いと感じ楽しく読めるのだがそれを超えたと思うものはなく、「やっぱりこの本が一番好きだ」と改めて思うことが多かった。

    この「レインツリーの国」はそんな中初めてそのシリーズを超えると思った。
    他の有川浩作品の恋愛ものは、多少なりフィクション設定というか、自分の今の立場からは離れたものが多く、フィクションとして楽しんでいたと思う。
    今回のストーリーは自分にだってあり得ないことはない、自分にも十分置き換えられる話だった。
    どんな人でも抱える「コミュニケーション」の問題について考えさせられることが多く、それがただの恋愛小説を読んでときめくだけではない、自分にとって新しい、はっとさせられるような衝撃を受けることが多かったからかもしれない。

    私が本の中でやり取りされるメールを読んで、主人公の気遣いや優しさに素敵な人だと思っても、それに対するヒロインのメールを読んで、自分がそのメールを受け取ったときとは全然違う捉え方、感じ方をするのだということが身に染みて、言葉の難しさや人は違うということをとても強く感じた。
    2人のやり取りを見ているとあまりにも優しさが噛み合わないことを感じることが多くて、読者である私すら「もう駄目なんじゃないか」と不安に思うのに、お互いがお互いにそれでも尚真摯に向き合ってさらけ出して、2人の未来を続けるためにそうしているのが私にはとても新鮮で、感動した。
    我慢して良好にするのではない人間関係というものがとても素敵に思えた。

    また、自分自身以前に耳を悪くして低い音が聞こえにくくなってしまったことがあり、他にも色々と聴覚障害者(この本を読んだ後だとこの言葉を使うのに抵抗がある)とコミュニケーションする機会を得たこともあって、周りの人達よりは少しそういった立場の人のことを分かった気がしていたが、全然分かっていなかったと気付くことができた。
    また、もっと勉強したいという気持ちが強く湧いてきた。

    ボキャブラリーが少ないため、上手くこの本の素晴らしさや感動を言葉に出来ていないが、
    自信を持って人に勧められる、たくさんの人に読んで欲しい作品だということは、はっきり言うことができる。

  • わたしにとってはじめての有川作品。
    何回読んでも泣いてる。
    友達にプレゼントとして一番あげている本。
    読みやすいのにいろいろ突き刺さるセリフがあって、大好きな本。

  • 自分の置かれている状況にリンクし過ぎていました。本が好きで繋がった2人。そして、そこに難聴の問題が関わってくる…。僕のために書かれた作品なのではないかと思ったぐらいです。(笑)なので、客観的にこの本が面白いか否かはもう判断できませんが、個人的には惹きつけられ過ぎて一気に読んでしまいました。
    また、上から目線で大変申し訳ないですが、難聴や聾者について有川浩さんがしっかり勉強されてこの本を書かれていることも伝わりました。自分が関わった子どもたちが今、こんな形で恋愛しているのかなぁなんて思い出に浸ったりもしました。
    そして、図書館戦争シリーズはまだ読んだことがないのですが、あとがきに図書館内乱と内容がリンクしていると書かれているのを見て、興味がとてもわきました。早く読んでみたいです。

    • とみゆさん
      とても好きな作品の中の1つなので、気に入っていただけてよかったです!
      私は聴こえについての知識がまったくないのでただ理解しようと読むことしか...
      とても好きな作品の中の1つなので、気に入っていただけてよかったです!
      私は聴こえについての知識がまったくないのでただ理解しようと読むことしかできませんでしたが、知識がある方が読むとそう見えるんですね。有川浩さんすごいです!

      長文の感想、嬉しかったです!
      2019/07/07
    • Hiroaki Okadaさん
      素敵な本を教えてくれてありがとう!
      有川浩さん、凄いと思います!!自衛隊のことは全然分からないけど、きっと入念に取材しているんだと思います。...
      素敵な本を教えてくれてありがとう!
      有川浩さん、凄いと思います!!自衛隊のことは全然分からないけど、きっと入念に取材しているんだと思います。
      そして昨日はいなくて残念でした…
      2019/07/07
    • Hiroaki Okadaさん
      そうだったんた…それは仕方ないね?またリベンジしますね?
      そうだったんた…それは仕方ないね?またリベンジしますね?
      2019/07/08
  • きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかったー。

    またまた有川sanにやられました。「・・・重量オーバーだったんですね」から、ずーっと涙が止まりませんでした。(ホントに電車の中で危険な状態でした 泣)。相手を気遣う気持ちや言葉。強くて、優しくて、素敵過ぎます。会話型の章見出しにも脱帽です。

    最後の「帰りの電車の中で、髪をかき上げてやりました。」。これがすべて。伸とひとみの距離、これからの道が歓喜(☆レインツリー☆)の国に繋がりました!
    【おくダマ賞2018】

  • 『レインツリーの国』

    あるブログをきっかけに交流を始める男女の恋の物語。
    ネットとリアルで感じる人間性の違い、
    聴覚障碍者の視点で感じる日常。
    「傷つけられたから、人を傷つけていい」理由にはならない。
    知っているようで知らなかった現実を突きつけられた一作でした。

    読みごこちのいい関西弁と、
    2人の恋の行方が気になって
    数時間で読み切られました。
    特に印象に残ったのは、あとがきで紹介されていた、
    「レインツリーの国」がそのまま図書館戦争に登場していたということ。
    あの時のあの本はこれだったのかー…と感慨深い気持ちになりました。

    メディア規制や発言の炎上など、
    表現の自由が失われつつある昨今。
    恥ずかしながら私は、本作を通して
    聴覚障害の現実を改めて知ることが出来ました。

    様々な世界や考えを知るからこそ、
    新たな理解や見識が深まるのだと思います。
    他者を許容できる社会になってほしいと感じました。

  • 人に優しくするのって難しいな。でも、人に優しくされるのは嬉しいな。だから、やっぱがんばろう

  • ネット上で知り合う、って今の時代だからこそなりたつ小説だね。
    伸のキャラがすごくいい。だんだん変わっていくひとみもステキ。
    障害者が題材って本当に難しいことだと思うけれど、これを恋愛小説と位置付けている有川さん、好きだな~。

  • 「愛は力」「愛は人を強くする」どこかで聞いたようなセリフですが、ひとみと伸の2人の恋の行方をみているとこんな境地になります。本気だからこそ、可能な限り歩み寄り、相手のテリトリーに入りこむ。妥協はなし、上辺だけのつながりでなく、本音で晒しあうことを最初から実行してきた2人だからこその展開だったような気がします。
    この始まりがネット友達っていうのも、あながち現実的で、2人の往復書簡(メールのやりとり)が本書の半分以上を占めていたように思われるのですが、人様の立ち入った事情や成り行きを第三者(ここでは勿論、読者ですが)が覗き見ているような感覚を覚え、どきまきしたものです(笑)
    恋愛ものなのですが、健常者とそうでない人との線引きや物事の感じ方考え方も非常に興味深く、共感しえる箇所も多く、私にとっては面白い作品となりました。(4.5)

  • 図書館戦争を読んで興味を持ち、読みました。すごく素敵な話です。解説にもある通り「障害や病気を持つ人を物語の中で正しく描くことは、人々の理解を深め、差別をなくすのに大きな力となる」、本当にそうだなと。分かったつもりになってるだけかもしれないけど、心に棘のように残る話。「痛みにも悩みにも貴賎はない。」のくだりは好きだな。

  • 有川浩って人気作家の小説をひとつは読んでみたいなと思って、なんにも考えず新潮の100冊から選んだ。たぶん3ヶ月前までの自分だったら100ページぐらいまで読んで投げてたと思うけど、その題材だけに今の自分はそうできなかった、なぜなら僕がいま一番理解したいと思っている相手と同じ場所に彼女が立っていたからだ。
    主人公のふたりが、すれ違いはあったにしても「ちゃんと」けんかしてるのがよかった。ふたりとも優しすぎだし、強すぎだし、なんだかんだお互い好きなんじゃんよっていう結局は胸キュン小説。やる気があれば1時間で読める。登場人物が少ないのがありがたい。流暢な関西弁。一番カッコいいのは二塁打の彼女。つまんないからもう口説いてあげない。


    「痛みにも悩みにも貴賎はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ」(p.175)

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

有川浩の作品

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