嗤う闇―女刑事音道貴子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425436

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりさすがアサさんだ。
    どの話も安定していて、本当に貴子の日常を覗いている気になる。
    貴子シリーズの短編はとても読みやすいものが多く、まるで警察24時みたいな特番を観ているような気軽さで向き合えるのがいい。(薄っぺらいわけでは決してない)

    本作では4編収録されていて、表題作では貴子の恋人「昂一」が犯人に間違われるなどのユーモア(?)も含んでいて面白い。
    また、前作までの機捜から異動になり、隅田川東警察署刑事課配属になっている点も注目すべき点。
    新しい相方の玉城はこれまでの相方に比べ、随分大人で落ち着いている、アサさんの黒い部分の窺える人選(笑)
    彼との関係がこれからどうなるのか、大いに期待できる次の長編を匂わせたつくりになっていたように思う。

    当然のことかもしれないが、アサさんは本当に短編の構造を分かりきっているなと常々思う。
    長編でやったらくどく、間延びしそうな話をスピード感、緊迫感を織り交ぜながら、しかも貴子の日常として淡々と描いており、どこから読んでも面白くなっていたと思う。

    近作でも滝沢とのサービス話はきちんとあって(笑)、とても楽しめた。ああ、滝沢、お前、歳取ったんだなあー。

    次回の長編エピタフがより一層楽しみになってきた。

  • /?day=20070102

  • 2009.12
    音道刑事の短編集。キャラがわかってきて楽しく読みました。
    女刑事を意識している彼女がわかってきました。

  • 音道シリーズ第3弾

  • 女刑事 音道貴子シリーズ。
    この作品は短編集で、4作品が収録されています。

    以前のレビューにも書いたことがありますが、このシリーズは長編作品と短編作品で趣が異なります。
    長編が緊迫感を持ったサスペンス作品であるのに対して、短編は事件を絡めながらも、主人公の日常を描いた作品が多いようです。
    本作の中でも、音道の恋人昴一や、かつてコンビを組んだことがある滝沢刑事、クセのある同僚たちとの関係の中で、時には刑事としての強さを、ある時は女性としての繊細さを、描いています。

    緊迫感やスピード感が弱い分、サスペンス作品としての面白さには欠けるかもしれませんが、人間味のあるドラマとして楽しめる作品が並んでいます。
    「木綿の部屋」では、滝沢刑事の違う一面が垣間見えたりするので、このシリーズのファンの人には、別の楽しみ方もできるかもしれません。

  • £1.50

  • 実は3月くらいに読んだ、のですが、
    登録が遅くなってしまいました。

    音道貴子シリーズ。これを読んで、未読があることに気づき、
    順番違うけれど、「風の墓碑銘」「鎖」を読みました。後は「未練」!

    短編集はやはり好きです。

  • 『凍える牙』・『花散る頃の殺人』に引き続き音道貴子シリーズ。こちらも短編集。

  • これは直木賞を受賞した
    『凍える牙』から始まり、5冊のシリーズ本になっています。
    短編は気軽に読めて、長編は長さを全く感じさせない物ばかり。
    この小説は短編集なのですが、主役の女刑事・音道貴子がかっこいい。
    バリバリ出きる女性というのではなくて、どこにでもいそうな普通のお姉さんで、共感できる部分がいっぱいです。
    でも、決め手くれるところはばっちりあるので、読み応え十分です。
    それに、彼女の恋人、そして一緒に働いているメンバーもみんなキャラが立っていて、会話を楽しみながら読む事が出来ます。
    推理物なので、内容に関する事は書けませんが、このシリーズ全てに共通して思うのは、今の世の中をあらわしている事件が沢山あって、犯罪の背景なども考えさせられました。

  • やはり滝沢刑事が出てくる話は、ぐっとおもしろくなる。それを分かっているだろうのに、抑えめにしているのは賢いなと思う。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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