- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101201245
作品紹介・あらすじ
これで、最後。そう切に願っても、恋の行く末は選べない。大人になるほど、いちばん悲しいことがどんどん誰にも話せなくなる。だけど…。今なら前より知っている、ままならない心を甘受する方法を。泣きたい記憶を、自分だけのものとして慈しむやり方を。7人の作家が「最高の恋」の終わりとその先を描き出し、またいつか新たな出会いを受け入れたくなる、極上の恋愛アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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以前読んだアンソロジー『最後の恋』のプレミアムバージョンということで。
あらすじの、ままならない心を甘受する方法を、っていうフレーズ、とてもよいです。
「ブーツ」井上荒野
バーで演奏するバンドの臨場感があって雰囲気ごと楽しめました。
レイモンドのこと好きだったのかなぁ。
好きというより、執着に近いような。
なんだかその感情ってすこし分かるような気がします。
「ヨハネスブルグのマフィア」森絵都
描写や比喩がすごく好みだった。
まさに最後の恋、というテーマに相応しい話だったと思います。
何年経っても、他の人と結ばれても、思い出すだけで身体が発熱するような恋。
まさにままならないって感じだ。
「それは秘密の」乃南アサ
むしろ恋の始まりのを描いたかのようなストーリー。
ミステリ作家というだけあってか、サスペンス調のようにも感じて少しゾクッとするところすらありました。
でもおもしろかった!
最後の恋、って人によって本当にいろんな捉え方があるんだなと実感した一冊です。 -
最後の恋(女性作家編)が良かったと思ったので、期待を込めて、読み進めていった。最後の恋だが、年齢層もバラバラなので、色々な世代間の考えなどが垣間見え、良かった。
特に良かったのは、森絵都さん、阿川佐和子さん、乃南アサさんの話である。
阿川佐和子さんのは、イゾにやきもきしてしまったが、妻とカワウソが話し合ううちに、カワウソが人生を棒に振られたと感じ、気の毒で居た堪れない気持ちになってしまう。イゾが旅に出てしまい、夫婦生活が終わってしまうのか思った矢先に、イゾが妻のもとへ帰ってきて、壮大な景色を見せたのは、ほんとうに愛し合っているからこそなんだなと感じた。
森絵都さんのは、一瞬の恋という、タイトルにあっているなと感じる話だった。出会った彼を追いかけるかのようにアフリカに旅行した女性。そこには一瞬の恋ではあるが未練も感じさせるなと。「人間は恋の始点を選べない。同時に終点も選べない」というのが印象に残った。自分の最後の恋はどうなるのかわからない、最後の恋は結婚ではなく、また違ったものなのかもしれないなと感じる。
乃南アサさんのは、他の作者が女性視点なのに対し、男性視点で書かれていたのが良かった。「辛くたって、未来に向かえる分、希望の方が大きいでしょう」というのに心が打たれた。歌が出てきたときは、頭の中でメロディーが流れながら読みすすめてしまった次第である。 -
恋愛小説は、あまり読まないのですが、気分転換にセレクトしてみました。
アンソロジーだから読み易かったです。
「甘い記憶」と「ヨハネスブルグのマフィア」が良かったかな。
「TSUNAMI」は切ない。
「それは秘密の」は、ヒロインが浮世離れした感じに描かれていたので、「実は人ではないのでは!?」と勝手に妄想していましたが、そんな事はなく・・・ちゃんと「人」でした(^-^;
これ以外の作品にも、多かれ少なかれ不思議なフワフワとした雰囲気を感じつつ、読了となりました☆
これは、第2弾なんですね。
第1弾も読んでみよう。 -
『最後の恋』をテーマにした女性作家によるアンソロジー、第2弾だ。
名だたる作家が名を連ね、それぞれの「最後の恋」を描いている。
人間ではないものを主役に据えた物語もあれば、失われたものにしがみつく物語も、ほんの一瞬の逢瀬に胸をあたためる物語もある。
いろいろな作風が楽しめ、どの短編もさらりと読める手軽さでいい。 -
7人の作家さんたちのアンソロジー。
「自分史上最高の恋」という副題に
期待して読んでみたけど…
それほど 熱烈、身を焦がすっていう
話もなく 淡々とした話が多かったです。
乃南アサさんの「そらは秘密の」は
よかったです。 -
最後の恋=結婚、じゃないものがほとんどで驚いた。
色んなベクトルの恋があるなぁ。
典型的な恋愛、典型的な結婚、幸せ、みたいなところから抜け出した感覚を持ちたい。
多分この本、本棚にずっとあって前も読んだんだけど、思ったより覚えていなかった。
森絵都の「ヨハネスブルグのマフィア」だけはなんとなく内容を覚えていた。
眠れない時の、全く関連性のないものを思い浮かべていくゲームが印象的で覚えていた。 -
新幹線の中で読む本が欲しくて手に取ったら、思いの外心に残った一冊。
恋愛小説というより、いろんな形の愛を描いたお話。
すべてがハッピーエンドではないけれど、どこかに前向きになれる要素があって、あたたかく、読んでいて素敵な一時を過ごせました。 -
あんまりキュンキュンしたりしない。
最後の恋というくらいなので
年齢が年配な印象。