ゴルフ場殺人事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 2)

著者 : アガサ・クリスティー 田村隆一

• 早川書房 (2004年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ふきやひろみさんの感想 · 2012年11月10日]

　 ヘイスティングズの春が訪れる話でもあり、「恋の盲目者」が陥りがちな失敗を数回犯してしまう話でもある。ポアロおじさんも、これには参ったろう。

　俗に言う、どんでん返しがある。双方が(ベラとジャック・ルノー)庇い合っている、という状況を一早く推理できる人は、指数の計算とも合わせて大体展開の予想はできるが、予想できているとしてもやはり「どんでん返し」というのは、性に合っているのか小気味いい。
　トリックというトリックはないものの、「紐」がこんがらがってしまっているため、どこがどうなっているのか、わからなくなってしまっている事件となっている。それをほぐしていく手腕の鮮やかさと言ったら！
　
　何故、穴が掘ってあるのか。何故、鉄管がそばに落ちているのか。何故、浮浪者が死んだ後にナイフを刺したのか。夫人の「今となっては、もうどうでもいいことだけれども」とはどういう意味なのか。
　ポアロおじさんの推理を聞いてみよう。
　

[万年筆好きムギムギさんの感想 · 2024年3月31日]

ポアロシリーズ2作目です。
冒頭で、ポアロがホームズの捜査方法を皮肉る場面があります。
とはいえ、ポアロとヘイスティングスのやり取りは、ホームズとワトソンのそれに似ていてコミカルです。
事件はかなり難解で、二重三重に罠が仕掛けられていますので、犯人は全く分かりませんでした。

[yoshi1004さんの感想 · 2022年8月29日]

王道

[あぴさんの感想 · 2022年2月2日]

どう見ても怪しい人物の想像を上回る過去に確実に心拍数が上がった。こういう展開好きだなあ。

いや～、面白い。

[mayさんの感想 · 2021年9月18日]

暇つぶしにぴったりのライトな読み物。現場に着く前に殺人は終わっていてあまり緊張感のない捜査が続く。ホームズのワトソンと対照的なヘイスティングスの、全く紳士らしくなく、わりと下品というか人間くさいのキャラクターに引っ張られてドタバタ色が強くコメディ寄り。終盤のクライマックスもハラハラドキドキよりは笑わせる感じだった。

[marimoiさんの感想 · 2021年2月21日]

思っていたよりなかなか二転三転する所もありこれはこれで面白かったです。

[煩悩さんの感想 · 2020年10月14日]

アガサ・クリスティーの小説は初めて読んだけれど、色恋沙汰が多く描かれているのはこの作者の特徴なのだろうか？
面白かったので、ポアロシリーズは読み続けたい。

[argrathさんの感想 · 2019年3月7日]

原題も"The Murder on the Links"なんだけど、
ゴルフはストーリーには全然関係ない。
読み始めた時は気がつかなかったけど、真犯人は微妙に
見たことあるようなないような…って他の作品かも。
正直驚いたのは最後の(殺人とは直接関係ない)オチ。
やっぱり順番に読むべきだなあ、と。

[natsuki813さんの感想 · 2018年8月10日]

フランスに滞在する富豪ルノーが、ゴルフ場で
何者かに刺殺された。ポアロが事件を
担当することになるが、パリ警察の名刑事ジローも
捜査を開始する。ふたりは、知恵比べをしながら
調査をしてゆくことになるが、まもなく
富豪殺しと同じ凶器で浮浪者が殺害される事件が
発生した。はたして、両事件に関連はあるのか？

[【静】さんの感想 · 2017年2月2日]

私はアガサ・クリスティ研究者ではないので断言はできないけれど、ポアロシリーズの中ではあまり聞いた事のないそれほど有名じゃない作品だろうと思うのですが、複雑な人間関係と入り組んだ謎、思いもよらないどんでん返しと、かなり面白かったです。しかし、しかし！ヘイスティング、君って…（苦笑）