特捜部Q ―キジ殺し― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-2)

  • 早川書房
3.81
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本棚登録 : 602
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151794520

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5。

    第一作目『特捜部Q ―檻の中の女―(http://booklog.jp/item/1/4151794514)』よりも、事件としては“だいぶ普通”の事件。それでも、その奥深くに隠れている事の真相は、第一作目と負けず劣らず複雑怪奇ではありますが。

    いやぁ、寄宿学校というのはヨーロッパの上流階級ではごく普通の子弟の教育機関なのですが、それが良いこともあり、そしてこの物語の様に悪いことにもなると。ちょっと思ったんですが、日本が欧米との交渉において中々勝てないのは、この寄宿学校ネットワークの埒外に日本がいるからでしょうね。

    この第二作目から登場人物が増えますが、中々とらえどころのないキャラクター。それがこの先どのように化学反応を起こすのかが楽しみです。

  • 前作と同じく事件が起こってる側とカールの視点が交互になっていたけど、被害者の視点ではないから種明かし的な意味ではちょっとインパクト小さめ。
    でもどうやって追い詰めるの!?と頁をめくる手が止まらない。
    残忍な犯行が美化せずがっつり描かれるからグロ耐性が無いと読み進められないかな。
    導入部の軽妙さはほんと文句なし。するする入り込める。
    プロローグがそこに繋がるかー、と驚いた。

    メインもサブもキャラクターのパンチ強くて覚えやすい。

  •  自分の現在とは異なる時間が流れているなぁと思うとともに、読んでいて胸が痛む。しかしそれをおもしろいと思う気持ちもある。

  • シリーズものの2作目。新たな同僚の追加があったり、元同僚とのサブストーリーの伏線を張ったりと楽しみな要素も多いが、肝心の話の筋は良くあるパターンというか、結末の意外性が薄く及第点。それでもハラハラさせる読み応えは筆者の卓越した筆力か。

  • このシリーズ、目を覆いたくなるような残酷な描写が多くて、そういうのは苦手なはずなのに、どんどん時引き込まれる。次、早く読みたい。

  • 前作ほどのインパクトはなく、どっかで読んだことのあるようなバイオレンススリラーものになってしまっているが、それでも面白く読めたのだからこのシリーズ掘り出し物だと思う。

    今回、特捜部側に魅力はあまり感じられなかったのは残念。特に前作で絶好調だったアサドは中途半端な狂言回しを演じるだけだし、新しい部下のローセにいたっては物語の中で妙に空転してて残念。もっともそういう不思議ちゃんを狙っているのかも知れないし、北欧ジョークなのかも知れないが。

    その分、敵役の連中が良い味を出してて良い、今回主人公はこっち側の小説だな。特にダークヒロインのキミーはいいぞ。実際におったら絶対そばに寄りたくないタイプだけど、傍から見てるぶんにはこういう究極に自立してる女性ってほんま魅力的。

    3作目は評判良いみたいだし、もう少し追いかけます。

  • 前作よりボリューム増だが、質が高くなったとは言えない。冗長でミステリ的な面白味は皆無。今後もこの水準ならもう読まないかも。5.0

  • シリーズ第2作をようやく読了。冒険サスペンス小説としても読める一級品!

  • ユッシ・エーズラ・オールスンによる特捜部Qシリーズ第2弾。
    本作では社会的に上位に位置する階級の人々の裏側に潜む狂気を描ききっている。前作同様、ミステリとしての要素は薄く、本作もサスペンスの色彩が強い。
    今回の特捜部Qの追う事件は、すでに解決したとして真犯人を名乗る被疑者は刑務所に服役しており、警察上部もなぜカールら特捜部Qがその事件を掘り返しているのかと捜査に協力的ではない。協力的ではなかった理由は他にもあり、それは後に明かされることになるが、すでに解決した事件を掘り返すほどデンマーク警察に余裕がないことは前作でも語られており、そこはすんなりと納得がいく。しかし、この事件を追っていけば追っていくほど、きな臭さが広がっていく。一方で、真犯人と言えるグループの面々の動向もほぼ同じ時間軸で語られ、やがて来るカタルシスに向けて物語が進んでいく。
    結末からすれば、カールたちが捜査を進めなくても、キミーやディトリウらの運命はかわらなかったのではないかという気がするが、カールたちの捜査にあわせて読者は彼らの運命の歯車を回していく。結果的には行き着くところは避けられなかったのだろうが、何ともやるせない気持ちにさせられる。
    本作では単なる暴力や殺人といった事柄だけでなく、虐待や麻薬、人種差別的な側面も盛り込まれ、社会の複合的な問題を提示している。フィクションであるが故に強調されているところもあるだろうが、一面の真実ではあるだろう。
    こうした重い主題をいくつも抱えながらも、決して読み進めるのが苦にならないのは、前作で有能な右腕の地位を得たアサドと、本作から秘書としての役割を与えられたローセの強烈な個性にカールがある意味振り回され、それが作品に穏やかな笑いを添えているからだろう。

  • 犯罪の描写はきつくて、私にはちょっとしんどい。犯罪の意図も全く共感できない。北欧はこんなに病んでるのかしらといぶかってしまう。
    でもカール、アサドのキャラクターが描かれていくほどに魅力的になる。

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