僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611188

感想・レビュー・書評

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  • 世間では成功者と呼ばれる、四名の著名人らの対談集。

    著者によると、活躍の裏に隠された、今までの苦労に焦点をあてたとのこと。しかし対談内容の多くは、彼らの仕事・生き方に関する考え方が占める。先人の失敗や体験を知り、ロールモデルに生かしたいと考えた自分にとっては、その目的をあまり果たすことはできなかった。

    とはいえ、貴重な対談であることは間違いなく、多様な知識や考え方を学べるだろう。

  • IPS細胞の山中教授が手術が下手でジャマナカと呼ばれていたのが驚きで勇気づけられました。

  • [2017.04.21読了]
    大学で、各界の著名人を集めて講演や対談をしたものがもととなった書籍。見ればわかるとおり、一流の方ばかりで、一冊にこの4名の人生が凝縮されている。

    (山中先生)iPS細胞の山中先生。私は別の本でも読んでいたが、外科医としてうまくいかなかった挫折のさなか、チャンスをつかみ研究の世界へと足を踏み入れたこと、また、うつになりそれを克服した話など、とても勉強になることばかり。
    研究者は自分の分野に関して「すごい!」と驚きを
    感じられる人が向いており、また9割は失敗であるので「失敗の連続に耐える力」が大切だと述べる。

    (羽生氏)
    プロ棋士の羽生氏。非常に論理的な考え方をしており、直感も大変優れておられる。以外だったのは、結構「奇策」を試合でも使っていること。
    「何か変わったことをやらなければ事態は好転しませんから」と、物事に幅や深みを持たせるためには奇策も必要だと言うことだ。失敗したときは「そんなこともあるさ」と気持ちを切り替えよとアドバイスされる。また、「子供の頃将棋のコマを動かすのが楽しかったが、プロになったらそのような楽しみを捨てなければなりません」と、プロとしての厳しさも垣間見えた。

    (是枝監督)
    「そして父になる」の是枝監督。映画において重視していることは、「ステレオタイプにならない、色々なものに接すること」だと。様々な映画を通して、表現することとは何か(説明することとどう違うか)とか、人の一生や2時間の映画という「時間」の話など、様々な切り口でお話をされる。「そして父になる」で福山さんが演じたように「人間には嫌な部分もあり、それが本質でもある」と。

    (山極先生)
    現在京都大学総長をされている山極先生は、猿やゴリラの研究者で、過去何冊か読んだこともあった。
    「ゴリラのストーカー」と自称するほどである。全てゴリラの話なのだが、それを通して、師匠との出会いや確執、アフリカの難しい情勢など様々な話が交錯する。初めて知ったが、ゴリラが顔をのぞき込むのは親愛の情の表現らしい(猿と逆だ)。
     ゴリラを見て、人間は同じだと言うことに気付いて、対立をやめてもらえたら嬉しいとも述べられた。

     ゴリラは言葉を話さない代わりに、裏がない。人間は言葉やシンボル(そして最近はインターネット)を持つことにより逆に遠距離化しているのではないか、とも述べられる。なるほど、ゴリラからこれほど多くのことが学べるのか。

  • この本は、所謂「偉人」に近い人を、若い人が憧れを持って、目指したくなる存在として、感じてもらうことを意図して作られたものだという。
    当方、語っている人と年が近いため、その意図からすると、もとより対象外ではあるが、それでもなかなか面白く、発見することがあった。
    良き本。娘達にも見せてみよう。

  • この対談、生で聴きたかったー!
    それぐらい豪華メンバーです。
    皆さん面白かったのですが、
    一番は山極先生かなー。
    ゴリラバカ、最高!!

  • お手軽な本といえばお手軽な本だけど、メンバーに惹かれたことと編者への興味で読む。意外性はないが、穏やかに良い。

  • 2017年3月18日に紹介されました!

  • 一廉の人達と市井との距離を縮めようという意図で綴られた書.学ぶべき点が明文化されている点も素晴らしいし,汲み取るべき姿勢も多々ある.なによりも,表紙の帯に示された5名の生き生きとした表情と目が全てを物語っている.

  • タイトルがかっこいい笑

    そして、今は「何者」になった方たちの若い頃の話ってのは勇気をもらえる。

    山中先生は30歳でアメリカに行ったのが転機だったらしい。私もまだまだこれからだな。

    羽生善治は、父親に顔が似ててなぜかいつも親近感がわく。
    ミスをしたらその時点から見る。

    はっきりと自分が確信を持てるものは、逆に相手も読みやすい。自身も確信を持てないものの方が、結果的に良かったりする

    是枝監督
    人間は思ったよりも見ていない。
    だから撮る。

    山極さん、京大学長
    ゴリラ研究

  • 【僕らが悩み、失敗し、「何者」でもなかった頃の話をしよう】自信を失い鬱状態に陥ったこともあるという山中伸弥教授を始め羽生善治三冠、是枝裕和監督、山極壽一京大総長が挫折の時を語る。

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著者プロフィール

山中伸弥 1962年、大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院医学研究科修了(博士)。米国グラッドストーン研究所博士研究員、京都大学再生医科学研究所教授などを経て、2010年4月から京都大学iPS細胞研究所所長。2012年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。2020年4月から公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団の理事長を兼務。

「2021年 『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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