- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167523015
作品紹介・あらすじ
一匹の柴犬を“もうひとりの家族”として、惜しみなく愛を注ぐ夫婦がいた。愛することの尊さと生きる歓びを、小さな生きものに教えられる、新田次郎文学賞に輝く感動の愛犬物語。
感想・レビュー・書評
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また犬を飼いたいと思わせてくれる、犬への静かだけれど愛情深い本。
文章がキレイで心洗われるよう。
手もとに置き、また読みたい。
そして、また犬と一緒に暮らしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30年ぶりに再読。自分が作者に近い年齢になったからか、より共感する部分が多く感じる。
文中、ハラスを探す折り込みチラシに作者の住所や電話番号が書いてあるのは当然だが、それをそのまま出版物に載せてしまうところが時代だなぁと感じる。中野孝次さんが、まだご健在であったならば手紙を送りたかった。 -
自分にも、いつか愛犬との別れがくる事を思い、涙しながら読みました。
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子供のいない夫婦の下にやってきた、1匹の柴犬。それがハラス。
小さな仔犬が成犬になり、やがてその命を終えるまで、家族として過ごした13年間を綴ります。
近所の老犬との触れ合い、友達のじゃれ合い、失踪事件、じっと帰りを待つ姿、そして…別れの時。ハラスは家族であり、いかに夫婦にとってかけがえのない存在であるかをひしひしと感じます。
犬を飼ったことがある人なら、その子を思い出す。そして今飼っている人なら、思わずその子の側に行って触れたくなる、温かくも切ない本でした。
実際に読んだのは単行本ですが、文庫版はその後の話も入っているようです。 -
一月末に愛犬レモン(ミニチュアシュナウザー雌10歳10ヶ月)を亡くし、たまたま新聞の本紹介(犬がテーマ)で目に留まり、早速図書館で借りて読みました。 いやー 泣きましたね。 結構古い本なのに昔な感じがしなくて、愛犬を亡くされた方々は、皆こんな気持ちになってるのかと思いました。 正直こんなに悲しくなるとは自分でも想像できませんでした。 おそらく自分の親が亡くなるより悲しいと思います。 犬って言葉をしゃべらないでしょ。 でも飼い主にはその子がなにを訴えてるかがほぼ理解できるんですね。
それでいて、留守番させられたりしてもご主人が帰ってくると不満など訴えずに全身で喜びを表現するんですね。 そして最後のそのときまで苦しいはずなのに私達家族の傍にずっと寄り添って亡くなっていくのです。 そんな気持ちがこの本を読み進めていくうちに、みんなこんなふうに感じていたんだなと、心がすーとしました。 私の犬仲間にもおすすめしたい一冊です。 -
愛犬ハラスとの笑えたり、泣けたりする心温まるお話。
「清貧の思想」の著者である中野孝次氏と奥様の3人が織りなす人生模様。ハラスを中心に目に映った景色、行きかう心。すごくリアルでかつて自分の相棒(愛犬)シュンを重ねて読んでしまい。まるでそばに彼が蘇ってくるような思いを感じます。
ほろっとするところ。愛らしいところ。時に憎たらしいところ。
人間と一緒ですね。 -
ドイツ文学者の著者が、50代になってから初めて飼った柴犬
ハラスとの日々を綴ったもの。
子のいない夫婦の間で、ハラスは話題を提供し、コミュニケーションの橋渡しさえしており、かけがえのない家族となっていった。
些細な事であっても、犬の飼い主なら誰もが頷け、自身の犬に置き換えて共感できる一冊。
そして、晩年の部分は、涙なしでは読めません。
私は3度読み、3回泣いてしまいました。
増補版は、始めにでていたものより、写真やあとがきが加えられているようです。
1988年新田次郎文学賞受賞 -
とにかく著者の、ハラスという犬への優しく暖かく偽りのない愛おしむ気持ちが、文章のここそこに表現されていて、その思いを共有するだけでも一読の価値がある
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我が家に暮らす犬は…