新装版 ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫) (文春文庫 ひ 7-5)
- 文藝春秋 (2007年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167531058
感想・レビュー・書評
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懐かしくもこそばゆい感じが、20世紀後半の世界に引きずり込んでくれました。だけど最後の解説にもありましたが、とにかく古さを感じさせない。ケータイもパソコンも出てこないけど人と人とつなぐ感情みたいなものは時代を超えて同じだなと改めて感じました。ミステリとしては特に新鮮ではない(当り前か20年以上前の小説だし)けどそちらよりも人物描写を楽しんでほしい作品ですね。
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シニカルな高校生の主人公。
刑事の父親は離婚している。
主人公の担任の美人女教師に岡惚れするが・・・。
向日葵はこれの焼き直し?? -
同級生の女の子が自殺した。
自殺の状況が腑に落ちない刑事の息子・春一と
自殺した子の性格をよく知るヤクザの娘・麻子とが
二人で独自に同級生の死のウラに潜む暗い陰に迫る。
ツンデレな二人の恋の行方は…?
ホロ苦くもあり、甘酸っぱくもある
爽快青春ミステリ。
個人的には、春一の語り口調がちょっと…。
こんなハードボイルドな高校生はちょっとヤダ。
所帯じみた生活とのギャップは面白いけど。
オヤジと麻子はけっこう好き。
ミステリ的にはかなりライト。 -
主人公が17歳の少年なのに、両親が別れているせいか、親父が警察官でいろいろどうしようもないことの断片を常日頃から聞かされたりしているせいか、妙に枯れているというか冷めていて世慣れている風で中年男のようなのに、やはりときどき高校生らしい純粋さものぞかせたりするのが絶妙で魅力的。こんな17歳居るのだろうか。メインストーリーの同級生の自殺の真相推理より、サイドストーリーの高校生の恋ごころの方がおもしろかった。事件の真相は犯人も動機も手口も陰湿な感じで暴く方も暴かれる方もやりきれない。設定が警察官の息子とヤクザの娘だったり、担任の教師がすごく美人で主人公の親父がその美人先生にひとめぼれしてしまったりと、ちょっと漫画っぽいけれど、良くできています。
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10/08/01読了
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第6回サントリーミステリー大賞。
高校生カップルが、同級生の自殺の原因を探るミステリー。理事長や教師による売春が絡んで、ネタ自体は卑屈な展開だが、文体やキャラクターがユーモアで会話のテンポもいいので読み進めやすい。
ちなみに男子高校生の父は刑事、女子高校生はヤクザの娘。これが本筋と並行することでいい隠し味になっている。 -
ラノベじゃないですが。
青春ミステリ。
軽く20年前の作品ながら(作中批評にあるとおり)きわめて良質なツンデレさんがふくまれております。
ほか、小説としてのレベルの高さは文句のつけようがありません。 -
いろいろなところで評価が高かったので、読んでみたいな、と思っていながら
今まで本屋さんめぐりで出会えていなかった。
今年の夏の一冊的(?)帯が巻かれて平積みされていてうれしかった。
アマゾンに負けるな!本屋。
こうやって昔の本を、たまに掘り返して並べてほしい。
なんて言って、この前の乃南アサにはだまされた気分だったんだった。
20年前は、こんなに煙草吸い率高しな小説も許されていたんだなぁ。
ちょっとね、ってところもあるけれど、読めただけでうれしいのでよし。 -
2回目。1回目に読んだのは2006年の1月6日。もう4年前になるのですね。大学生協でピックアップされてたのを見つけ、懐かしいなーまた読んでみようかなーと思い手に取ってみた。しかし、1回目読んだときの感動がもはやゼロで、俺…変わってしまったんだな…と絶望感に苛まれている。あの頃は純心だったのかなぁ…?なんかすごく切ないぞ。
会話のテンポはいいし、ウィットに富んだ部分や重めな話題に関する真剣な会話(主人公というか作者の意見?)なんかがあって確かに面白い。だが、当時打ち震えた程の恋愛要素がどこにあるかわからなかった。小説で読んでるからこそまぁ可愛いけど、こんな子現実にいたら疲れるなーとか思った自分に絶望。あの頃の俺はいずこ・・・? -
へぇーって感じ(本屋であまり目立ってなかったので)