キッズタクシー (文春文庫 よ 31-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903251

感想・レビュー・書評

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    タクシードライバーの千春には、正当防衛で人を死なせた過去があった。ある日、千春のタクシーを予約していた小学生が失踪する。その後少年の行方は判明したが、千春の過去に関連づけた噂が流れたため後味の悪さを残していた。さらに彼女の周りでは、不穏な出来事が相次ぐ。一体誰の、どんな思惑があるのか。
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    キッズタクシー。塾や病院、学校などへ、会員の依頼を受けて子どもを送り届けるタクシーである。実際こんなタクシーがあるのかどうかは知らないが、このタクシーのドライバー千春が主人公である。担当する子どもは基本的には決まっているので、子どもの性格もある程度把握しているし、乗車時の様子でいつもと何かが違うとか、言いたいことがありそうだとか、気がつくこともある。ある日、トラックの荷崩れ事故に巻き込まれ、約束の時間に二分遅れて到着すると、そこに待っているはずの壮太はいなかった。それが事の起こりである。千春の過去と現在、そしてこれから。ひとり息子の修との関係。いなくなった壮太と母・公子の関係。職場の人間関係。さまざまなつながりが、それぞれの事情と絡み合い、がんじがらめにされていく。やりきれなさと切なさに胸を締めつけられ、人の想いのあたたかさに熱いものがこみ上げる一冊である。

  • 吉永南央さんの文庫本を本屋で見つけると
    必ず購入しています
    ミステリーの中で、事件そのものは
    とても地味で、ハラハラドキドキというよりは
    静かに淡々と進んで行くことが共通していて
    地味だけど、力強く健気に生きている人たちの姿に
    いつもホッとして読み終わるのです
    この本も、そうで、安心して読める作家さん

  • 素敵な作家さん見〜つけたっ♪
    テーマは重いのに、後味が全然重くない。
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    タクシードライバーの千春には、正当防衛で人を死なせた過去があった。ある日、千春のタクシーを予約していた小学生が失踪する。その後少年の行方は判明したが、千春の過去に関連づけた噂が流れたため後味の悪さを残していた。さらに彼女の周りでは、不穏な出来事が相次ぐ。一体誰の、どんな思惑があるのか。

  • キッズタクシーって何?と思いながら読み始める。ドライバーの千春が抱える過去の出来事と、「キッズ」に関わる事件や今の出来事が絡んでいく。親として人として、迷いながらも真摯に向き合う千春さんは眩しいです。

  • 【「紅雲町珈琲屋こよみ」の著者が放つ書き下ろしサスペンス!】タクシードライバーの千春には、正当防衛で人を殺した過去があった。ある日、客の小学生の行方が分からなくなり、千春にも疑いが…。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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