文体練習

  • 朝日出版社
3.95
  • (177)
  • (127)
  • (165)
  • (10)
  • (5)
本棚登録 : 1969
感想 : 208
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255960296

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一つの出来事を99通りの書き方によって表現してみました、という内容。よくやるよ、まったく……。翻訳した方もお疲れ様です。日本文の可能性を感じたい方はぜひどうぞ。楽しみ方は人それぞれ、解釈の仕方も人それぞれ。本棚に置いてあると、ふとした時に手に取りたくなる一冊です。そんな引力がこの本には働いていると、勝手ながら私はそう思いました。(この本自体もオシャレな作りなんですよ、本当に)

  • 偉大な訳業。巻末の解説も詳しい。
    訳者のいうとおり、日本語でやれば違う広がりがあるだろう。

    他ジャンルへの展開としては、マット・マドン『コミック 文体練習』というのもある。これも快作。

  • 途中で飽きが来たので、少し間があいたが、再読してみると、止まらなくて、一気に読んでしまった。翻訳された朝比奈弘治さんが、「翻訳作業はほとんどゲームの様相をおびてくる。」で、とあとがきに書かれているか、読むのもゲームだった。本文の終了後に解説があるので、クイズの答を見る様な感覚で照らし合わせながら読むと楽しいかもしれない。

  • 以前、某有名編集トレーニングを受けた際に勧められたが、まったく記憶から抜け落ちていた。たまたま好きなサイトで勧められたのを見て購入。

    正直ちゃんとは読んでいない。

    読むと言うよりも眺める感じ。さらに言うとぱらぱらするだけで、色や構成を楽しむだけのこともある。でも、とにかく面白くて刺激はされる。

    よくマーケティングのアイディア出しで、ひとつのアイディアを逆に見たり展開したり、縮小したり対象を変えたり、というトレーニングに基づいた方法論を試す事があるが、これはまさにそのお手本。要するにマーケであろうが文学であろうが、なにか与えられた条件をさまざまに分析して展開すると、全く別のものが生まれるという、材料の調理のしかたなのだなぁなんて思ってみていた。

    例えば料理もそうだろうし、美術や音楽にもこの展開、使えるんだろうなぁ。

    レイモンドクノーに捧げる芸術、なんてタイトルで、それぞれをピックして素材は一緒で解釈だけの違う展示会なんてあったら楽しいだろうな〜。あたしもそれなら、見てみたいなぁ。

  • 他愛無い出来事のメモをいろんな文で書くだけ。視点や記述の仕方で練習、楽しむ言葉遊び。

    じわじわきた。

  • ただの言葉遊びの本ではない。

    同じ出来事を複数の人が見たときの、羅生門的な食い違いを練習の形で再現している。この本を読んで、人生を多角的に見ることができるようになったと共に、発言の際に単なる言葉遣いだけでなく何に言及し何に言及しないかに気を配るようになった。

  • 楽しい読み物。
    著者も楽しんでいそう。
    装丁がしゃれている。
    一つ一つの文章のレイアウトの工夫も遊びがある。
    軽やかでリズミカル。
    ユニークで凝っている。

    …だったと記憶している。
    持ってはいないが、出来るなら、本棚に飾りたい本。ピアノの上とかでも良さそう・・・。
    気が向いたときに開いて、にやりとするのが楽しみになりそう。

    仏語の原文で、読んでみたいものである。

    日本語で「文体練習」を作ったらどんなだろう。

  • ごくありふれたつまらないエピソードを、99+3種類の文体(?)で綴った言葉遊びの本。数式まで出るとは恐れ入る(笑) 言葉は空虚、と訳者が述べていたけれど、その空虚さが好きなんだ。

  • 短いストーリーを変幻自在に書き分けるアイデア集。
    読み物というよりは、図鑑のような本。
    クリエイティブな人は読んでおきたい一冊。
    今になっては斬新さはないが、日頃から目に、耳に、しているセンスの良い作品はレーモン クノーのアイデアを自然に取り入れていることに気付かされた。

  • 一見くだらない、けど、とびきり知的で面白い言語体験。
    翻訳も、色刷りの製版にも手間がかかっただろうなと思う。その丁寧なつくりを手にしているだけで嬉しくなる本。

全208件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

一九〇三年ル・アーヴル生まれ。パリ大学で哲学を学び、シュルレアリスム運動に参加。離脱後、三三年に「ヌーヴォ・ロマン」の先駆的作品となる処女作『はまむぎ』を刊行。五九年に『地下鉄のザジ』がベストセラーとなり、翌年、映画化され世界的に注目を集める。その後も六〇年に発足した潜在的文学工房「ウリポ」に参加するなど新たな文学表現の探究を続けた。その他の小説に『きびしい冬』『わが友ピエロ』『文体練習』『聖グラングラン祭』など、詩集に『百兆の詩篇』などがある。一九七六年没。

「2021年 『地下鉄のザジ 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

レーモン・クノーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×