猫のお告げは樹の下で (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
4.22
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本棚登録 : 9116
感想 : 617
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299005304

作品紹介・あらすじ

『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を受賞した青山美智子の2作目が待望の文庫化。
失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社で、お尻に星のマークがついた猫――ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり、「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れるが……。中学生の娘と仲良くなりたい父親。なりたいものが分からない大学生……。なんでもない言葉をきっかけに、思い悩む人たちの世界がガラッと変わっていく――。 お告げの意味に気づいたとき、ふわっと心があたたかくなる。7つのやさしい物語です。インスタフォロワー数250万人超のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています。

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく、や、余白が大事。
    自分にある程度自信を持って深呼吸したらうまくいくこともあるかも。と思わせてくれるお話達だった。
    続けて青山さんの話を読んだおかげで、あの人!この間も出会いましたね!という気持ちになれて楽しい。

  • なんてあったかいんだろ。
    どの章も好きだなぁ。
    やっぱり「マンナカ」かなぁ。
    「チケット」も「ポイント」もよかったな。
    どの物語も優しくあたたかく、心に染みる言葉たちに涙。
    とっても素敵な本だった。

    普段あまり読書をしない人に、なんかいい本ない?って聞かれた時に勧めたい本が私にはいくつかあるのだが、この本もそのひとつになった。
    読む人を選ばない、読んだ人それぞれの心にすっと入ってくる言葉が見つかると思う。

    • あまねってぃさん
      実は、私も『猫のお告げは樹の下で』を読み始めたばかりです。
      実は、私も『猫のお告げは樹の下で』を読み始めたばかりです。
      2024/01/24
    • ムク助さん
      あまねってぃさん、コメントありがとうございます。
      青山さんの本はとてもあたたかくて癒されますよね。
      まだ読んでいない作品もあるので楽しみです...
      あまねってぃさん、コメントありがとうございます。
      青山さんの本はとてもあたたかくて癒されますよね。
      まだ読んでいない作品もあるので楽しみです(o^^o)
      2024/01/24
    • あまねってぃさん
      ムク助さん
      私もです。
      ムク助さん
      私もです。
      2024/01/24
  • 会社の先輩からお借りした一冊。

    うわぁ、嬉しいなぁ(*^^*)この作家さん素敵なお話を紡ぐ方だ(*^^*)

    私の苦手な短編集だが、この作家さんの短編集は繋がりかあって、心がほっこりするような、そんなイメージがある。

    この作品は、全ての短編が、とある神社に繋がっている。
    その神社にはミクジと呼ばれるハチワレ頭のお尻に星マークのついた猫が現れる。
    その猫は、タラヨウという樹から、一枚言葉が書かれた葉っぱを残してくれる。
    ミクジのお告げだ。

    どの短編も自分とは全く関係ない世界なのに、自分の胸に突き刺さる。

    自分は価値がない、なーんて卑屈な気持ちの私には、ブスブスブスと抉られた感じ。

    ほんと素敵な物語。
    一日で読み切ってしまった。
    ほっこり(*^^*)

  • やはり良いですね
    青山さん!

    個人的に【タネマキ】が感動しました
    全部良かったですが…
    この小説の前に読んでた本 「発見力」もそうですが

    この作品も、皆生きてて
    見落としている物に気づくかどうか?の話

    あくまでも猫のミクジは、気づくきっかけを作ってあげてて…ミクジと会うことが出来た登場人物たちは
    【気づく才能がある人間】なのかな?と思う。
    気づく才能がある、優しい人を見極めてミクジは現れてる感じがします

    生き方や仕事の「気づき」は
    他人に気づかされるより
    自分で気づけた時の方が確実に収穫はデカイはず!

    気づいて
    起動修正するのは何歳からでも遅くはない!
    読んでて、このお話を通じて
    ミクジは読者にまで【気づき】を与えてる。

    この本を選び手にとる読者は
    ミクジが選んだ
    気づく才能がある、優しい読者なんだと思う。


    ※だから結局話が変わるけど…俺が何を言いたいかって言うと…
    【買ったばかりの瓶に入った薬って、最初に中の緩衝材のビニールとろうとしたら全部中に入っちゃうと とれなくてイライラするよね!】って事!!

  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    1.ニシムキ
    美容師のミハルと叔母の時子さんのお話

    2.チケット
    家族3人のお話

    3.ポイント
    田島とギタリスト竜三のお話

    4.タネマキ
    プラモデル屋を経営していた木下とその家族のお話

    5.マンナカ
    和也を取り巻く学校生活のお話

    6.スペース
    専業主婦の千咲のお話

    7.タマタマ
    占い師笑子のお話

    8.⭐︎
    宮司のヨシ坊の話

    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.感想
    ━━━━━━━━━━━━◆
    いい本でした。
    あなたはこんなにも素晴らしいのだと、メッセージが込められている作品でした。「あなたは運がいい!」がキーワードです。
    とても温かいな、、、というのが感想です。

    誰もが自分はダメだと感じるときはあると思いますが、
    (自己肯定感が強い私でも感じることはありますw)
    そんなものに引っ張られ続けてはだめですね。

    相手に対しても同じで、悪いところばかりに目を向けていては、その人の本質に気がつかない。そんなことを感じさせてくれるお話でした。

    ミクジというネコが全話に登場してきます。
    動きが見えるようで、イメージすると面白いです。
    去年、品川の戸越神社に行った時のことを思い出しました。ネコが堂々とソファーに座っていました。
    この場所で読むと、その世界観に浸れそうだなと、思いました。
    https://togoshihachiman.jp/

    短編につながりがあって、「お探し物は図書館まで」の小町さんまで登場してきて、その物語の世界に入り込めて面白かったです。

    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3. 心に残ったこと
    ━━━━━━━━━━━━◆
    タラヨウを知りませんでしたが、これも見てみたい。
    川越八幡宮にあるみたいなので、
    川越にいってこようと思います。
    https://kawagoe-hachimangu.net/trivia.shtml

    アラタマとニギタマの神道の話も面白かった。
    神道は昔は少し勉強してことがありましたが、面白いですね。

    それから、ミクジと同じように、宮司のヨシ坊も全話に登場してきますが、このヨシ坊がいい!!
    50歳ぐらいのヨシ坊の言葉は、心にやさしく響いてきます。
    「何かの答えを見出すのは素晴らしいことです。でも、そこにたどりつくまで迷いながら歩く日々のほうこそを人生と呼ぶんじゃないかと、、、」

    「手始めに、こうに決まっているっていうのを外すんです。決まってるって思ってしまったときには、上書きしてみてください。何も決まっていないと、、、」



    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    4.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    ミクジ
    ヨシ坊

    1.ニシムキ
    ミハル 21歳
    佐久間
    時子

    2.チケット
    耕介
    美恵子
    さつき
    たっちん
    田島

    3.ポイント
    田島慎
    竜三

    4.タネマキ
    木下
    繁子
    弘人
    君枝
    未央

    5.マンナカ
    深海和也
    姫野さゆり(小町)
    山根匡
    岡崎
    遠藤

    6.スペース
    千咲 35歳


    里帆

    7.タマタマ
    笑子(ジュリア) 45歳
    友谷茂(ともやん)
    ミハル

  • タラヨウの葉に書かれているミクジからのお告げの言葉は自分だけにしか見えない。お告げは自分だけが知る。
    「あなたは運がいい。」

    神社の宮司さんの言葉が優しくてあったかい気持ちになりました。
    もし自分がミクジに会いタラヨウの葉を受け取ったならば、お告げの言葉を大切にしたいと思いました。

    何かに悩んだりすることがあるけど、その解決の糸口は「案外自分の近くにあるのかも!」とこの本を読んで感じました。

    人生に迷ったり、悩んだりした時に読み返してみたくなる本の1つになりました。

  • 青山さんの著作は3作目。どの作品も読んだ後に心が暖かくなる。
    この作品は、悩みを抱えた人達が神社で猫に出会い、その猫からお告げの葉っぱを受けること。このお告げは本人しか見えず、また簡潔な言葉過ぎて直ぐには分からないこと。(解決しても腑に落ちない言葉も、、?)
    7枚のお告げのため7編だが、ある地域の神社なので、各編が緩やかに繋がる。就職先が決まらない学生、漫画家の夢を持つ主婦など周辺に理解ある人の存在で救われてホッとする。娘と距離感が掴めない父親、バツイチ同士の同級生の微妙な距離が近づけて良かったと思う。

  • またまた青山道子さんの作品を借りたので。青山作品は気づけばこれで5冊目くらいになるかな。

    正直、また似た感じだな、もういいかな、ちょっと飽きたかな、なんて思うものの、そうでもない。どなたかがレビューに書いておられ、「ホント、それ」と思ったのが、飽きる飽きないの微妙で絶妙なところなんです。結局読んで損はないどころか、やはり温かい気持ちになれること間違いなしと安心して読めるし、実際読後には爽やかなものさえ感じるから、飽きたかも、と思っても読んでしまう。

    今回の主人公たちの「気づき」のきっかけ、彼らが前向きになっていくきっかけとなるのは神社の猫。宮司さんから「ミクジ」と呼ばれるその猫は、悩める登場人物たちの前にタラヨウの葉をはらりと落としていく。そこには文字が書かれていて、その文字はどうやらミクジから葉をもらった本人しか見えないらしい。タラヨウの葉については、恥ずかしながら初めて知った。(思い返してみれば、小さいころ葉っぱに文字を書いて遊んだ記憶がかすかに蘇ってきて、それがタラヨウだったのかも、なんて思いましたが)
    さて、タラヨウの葉に書かれた文字を不信に思う主人公たちですが、すぐにその言葉が自分の周りに顔を出すようになり、「こ、これは!」となるわけです。
    そこから悩める子羊たちが前向きになっていく姿は読んでいて気持ちがいい。きっかけが何であっても、自分の中で何かを変えよう、現状を打破しようとする姿勢が、気負いなく書かれているのはこれまで読んできた青山作品に共通するところで、人気のゆえんなのだと思う。そして、それぞれの短編、もしくは他の作品で出てきた登場人物のゆるいつながりがこれまた絶妙。実は私たちが知らないところで、現実にもこんなゆるいつながりがあるのかもと思うと、日常も小説になりそう、なんてわくわく思ってしまいます。

    一枚目 ニシムキ 失恋した美容師
    二枚目 チケット 年頃の娘との関係に悩む中年
    三枚目 ポイント 就活に苦戦中の大学生
    四枚目 タネマキ 嫁と孫と暮らすお年寄り
    五枚目 マンナカ 苔が好きな小学生
    六枚目 スペース 漫画家になるという夢をあきらめきれない主婦
    七枚目 タマタマ 占い師として活躍している女性
    ここだけの話 宮司さんの語り

    「マンナカ」が良かった。これはすごく好きになった。まずさゆりちゃんが出てくる!あの「お探し物は図書室まで」のさゆりちゃんが。さゆりちゃんがまだ養護教員をしていた頃のよう。そして、和也のこの言葉。「心が病んでるって、一生懸命な人のことを笑ったり、誰かが大切にしているものを平気で踏みにじったりすることだと思うんだ。」あぁぁぁぁぁ、なんて素直で直球ド真ん中の言葉。こういう純粋さ、好きです。ポ。

    その次の「スペース」も良かったな。これには「木曜日にはココアを」(だったかな、たぶん)の輝也パパが出てきます。
    これまでもそうだったけど、何か「好き」がある人が出てくることが多い。これといった趣味もなく、特別「好き」と思うものもない私にとっては羨ましく、まぶしい。

    最後の宮司さんの話はなくても良かった気がするかな。それぞれのその後なんかは、ふんわりとした感じで終わらせてもらった方が想像力が広がる。ただ、宮司さんにも登場してもらいたかったという気持ちはわかる気がする。

  • ずっと読みたかったけど、こころがスッキリした時に読もうと温めていた本

    やっぱり青山美智子さんの本、とても好きです!

    特に嫁と舅の タネマキ が好きでした

    あと タマタマ の中のフレーズで、誰にも言えないことを、こっそり言える場所

    今私が作りたいのもこれなのかも!!と激しく共感  
    場所を作るだけじゃなくて、場所になれたらいいなと思いました

  • 青山美智子さんの作品の2冊目になりますが、今回もすっと物語の中に入っていけました。
    温かい感じと心地よいテンポが好きで相性の良さを感じます。

    最初に読んだ「お探し物は図書室まで」と同様に、ハッ!とする言葉に遭遇しました。

    ・ニシムキ
    「好きな人の事は忘れられない。自分の中に混ざるから。」

    ・ポイント
    「まず知るべきは、目的地じゃない。現在地だったんだ。」

    ・タネマキ
    「種って本来は、勝手に飛んでいって親の知らないところで勝手に咲くもんでしょう。」

    ・タマタマ
    「みんな自分の事を知りたいのだ。」

    ・ここだけの話
    「「なんとなく」という感覚には、何かが宿っているのかもしれない。」

    青山美智子さんの3冊目の候補は、「鎌倉うずまき案内所」です♪

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著者プロフィール

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

青山美智子の作品

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