母ではなくて、親になる

  • 河出書房新社
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025803

感想・レビュー・書評

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  • 赤ん坊のシンプルな気持ちに自分を省みる。

  • 出産を控えた身として、世間の母親像がプレッシャーだったけど、考え方、捉え方はそれぞれでいい。
    肩の力が抜けた。

  • 凄く、真面目な方なんだろうなぁという印象を受けた。理想のために、真面目で、憧れのために、真面目で。少し神経質で。

    『美しい距離』もそおいえば、真面目すぎるほど細やかな気持ちの動き、気遣いを描いていたなと思った。また実のお父さんが癌で亡くなられたということで、小説にリアリティがあることになっとくした。

    1歳8ヶ月の息子の目の前でよんでいたら、息子も自分でゴロゴロしながら本を読んでいた。こんな時間もあってもいいのかもしれないな、と思った。

    真面目で、気にしいで、でも思考するのが好きでっていうなおコーラさんの飾らないところが少し共感できて好きだなって思った。

    「もし、ただ経験と照らし合わせるためだけに文章というものが存在するのたらば、文章を書くのはなんとつまらない行為だろう。」
    「相手の経験の有無で話題を変える必要なんてない、と、やっぱり思うのだ。」

    フェミニスト論
    優性思想、同じ人間が、生き続けるのではなく、新たに人が生まれ違う生き方をしていく意味。

    「新生児にとって私は親ではなくて、世界だ」

    1歳8ヶ月の息子。それぞれの本を読んだ。

    「かわいそうな人を助けたいのではない、困っている人を助けたい。」


  • “「似ているね」と言うのは枷になる。「それぞれだよ」と言う方が自由に生きていける。
    私のところにいる赤ん坊も、親と自分が似ているかどうかなど微塵も考えずに、私が想像もできないような新しい生き方をしてくれたら嬉しい。”(p.74)

  • 最近はずっと本は図書館で借りていたのだけど
    久々に購入したい(手元に置きたい)と思った本。

    男女平等、男らしさ女らしさなんてナンセンス!
    と思って生きてきたつもりだったけど
    ナオコーラさんの言葉を読んでいると
    やっぱりわたしの中に
    「育児は女性主体でやるもの(男性はサブ)」
    「家事は女性がしなければならない」
    とか、無意識のうちに偏った考え方が刷り込まれているなあと、頬をぺちぺちさせられた。

    結婚する予定は無いけど、することになったら
    度々読んで思い出しては
    自分の中に刷り込まれている当たり前の図式を
    本当にそうなのか?
    わたしたち2人には合っているのか?
    見直すきっかけにして、軌道修正していきたい。

    わたしもアイロンがけしてくれる旦那さんがいいな、そういうことを望んでもいいんだな、って思わせてくれた素敵な1冊。

  • タイトルに惹かれて手にとった。
    子どもと一緒に過ごす親として、母や父という概念をなくし、母親も父親もそれぞれが「その子の親」として、できることをする、という考え方に共感した。
    とはいっても、女性差別とかそんな大層な議論を展開することが主旨ではなく、あくまで「個人の考えです」というスタンスが、肩肘張って読まずに済むので、読む側も楽な気持ちで受け取れる。

    特に「思い出作らず」の章に書かれている時間(過去、現在、未来)の考え方が好き。
    私も、カメラばかり構えていないで、「いま」の子どもと、「いま」の自分の目で見つめ合いたい。

  • ナニコレ!最初の1・2ページ目でギュッと掴まれた。「女性の社会進出が進んで少子化が進んだ」からのくだり。ウンウン頷く箇所の多い事(笑)カラッとした文体で、物事を中立で捉えているのが面白い。自分はこう思うが、こう思う人もいるだろう的な、決めつけがないのが面白い。
    子育てエッセイも色々あるけれど、子供を可愛がってる感は溢れつつも世の中に迎合していない立場で綴られているのは中々ないので、読んで良かった。


    同じ経験をしたからといって何かを分かり合える訳ではない。私の悲しみは私の悲しみで、相手の悲しみは相手の悲しみ。似た経験でも同じではない。

    相手に認識されずに世話をする、それはすごく面白いこと。新生児にとって私は親ではなく、世界だ。世界を信用してもらえるようにできるだけ優しくしようと思った。

  • 母ではなくて、親になる、
    素晴らしいと思う。

  • かなり赤裸々に率直に語ってらっしゃる部分もあって(不妊治療や流産、旦那様のこと)戸惑ったりもするのだけど、ナオコーラさんの文章は基本スゴく心地いい。自分に合っているのだろう。
    一番印象に残ったのは、「人に何かしてあげる役回りが自分に巡ってきたことが、とにかく嬉しい」という考え。生きていると確かに巡ってくるいろんな役割の中で育児もその一つ、というのはハッとさせられると同時に自然と腑に落ち、それを素直に喜べるのはいいなと思った。この気持ちは忘れないようにしたい。
    これからの子育てに気負わない力をもらえた気がする。

  • こどもの親になる。それは男でも女でも同じこと。男だからとか女だからとかそんな考え方ではなく、どちらも子供の親であるという思想がとても印象的だった。

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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