- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309026718
感想・レビュー・書評
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毎週末朝、落合恵子の声はNHKのラジオから
暗い、と言うか重い -
なんとも気分が下がった。
今の体調の悪いときに読む本ではなかった。
元気なときに読んだほうがいいです、これから読む人は。 -
親の介護、認知症。
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初出 2018年「文藝」
私にとって落合恵子はセイヤングのレモンちゃん。
彼女の感性に学ぶことが多かったなあ。
72歳の冬子は、実年齢と同じで私小説っぽい。
前半は母親の介護の話で、母一人娘一人で生きてきた彼女の思いがよく伝わる。
「私の許可なしに、「わかる。」というな。そんな安易なものじゃない。」と書かれているのだが。
後半は、オーナーである子供専門書店とそのスタッフへの思い。店をチーフの路子に譲るという手紙を書くところで終わる。実際のクレヨンハウスもそうなるのかなあと気になるところ。
母や、恋人、親友たちを見送り、「もういつ死んでもいいのだ」と大きな安堵、解放の涙を流す。
落合恵子に涙は似合わない、という我々の思いからも解放されたいのかも知れない。
追記
5月30日の朝日新聞にこの作品についてのインタビュー記事が載った。介護中に書いた文章より小説の方がより真実に近いというコメントが執筆の動機を窺わせる。
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S13517025.html?iref=sp_ss_date