旅が好きだ! : 21人が見つけた新たな世界への扉 (14歳の世渡り術)
- 河出書房新社 (2020年6月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309617237
感想・レビュー・書評
-
旅好き20人のエッセイと、
「旅の本屋のまど」店長による旅のブックガイド。
エッセイ執筆者は1947年生~1994年生。
登場する旅人は歴史の人もいるので、
平安時代の藤原行成、人類初のグローバリゼーションが実現しペストによって終焉したパクス・モンゴリカの時代のイブン・バットゥータから、プロトラベラー羽石杏奈さんまで。
ほんと、旅って楽しいですよね。
自分、一人で家にいるのが結構好きなもので、
最近のステイホームですっかり出不精です。
動き出せば身も軽くなるんだけど
まだもう少し旅は控えた方がいいかな。
皆さんの旅の提案はとっても楽しくて
ワクワクするものでした。
ただ、杏奈さんだけは、ちょっと違うかなと。
うん。若いのです。
プロということもあるし、「テラスハウス ALOHA STATE」に出演したかたとのこと。
世界中に友だちができて、その後も再会している。
確かに旅先でたくさんの人に出会うけど、自分は一期一会と思っているし、他のかたのエッセイを読んでも、友だちができた人もいるにはいるだろうけど、あえて書いていないのはそれが旅の目的ではないからだと思う。
若い杏奈さんのエッセイには、SNSで「いいね」をもらうことに慣れている世代の、つまり「他人に何と言われようと自分が楽しむ」旅人ではなくて、「他人に見てもらう旅の提案」が感じられました。
勿論それが悪いとは言いません。
そういう時代になっていくのかなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章の私が旅に出る理由
これだけが私は共感できた。
旅行大好きだけど飛行機嫌いな私。
でも旅行は好きで添乗の仕事やったなぁとかいろいろ思い出した。
初心に帰れた。
日本には47も都道府県があるし、生きてるうちに全部行きたいって夢はまだある。
第二章 想定外こそ旅の楽しみ
私の旅はいつも想定外。笑
第三章 こんな旅あった〜
昔のお話で、まったくもって頭に入ってこなかった。笑
第四章 インターネットを使いこなそう
インターネット使いこなせてないので分からず… -
『世界カフェ紀行』を読んだ影響か、どうも私は旅モノが読みたくなっているようだ。ティーンズコーナーにあったこれ、いいじゃん、と借りてみた。気に入った箇所だけメモ。
・角田光代→今ここ、以外の、今ここ。
・益田ミリ→「実は旅というものは旅をしていない時に旅するためのもの」
・清水浩史→旅の効用のもうひとつは、本に親しむようになること。へえ。
・高野秀行→“高野秀行”爆誕の瞬間。
・香日ゆら→漱石十八歳江の島の旅。漫画面白かった。江の島に桟橋が架かったのは明治二十四年。
・川田正和(旅の本屋のまど店長)による旅のブックガイドも良かった。 -
「14歳の世渡り術」というシリーズの中の旅に関する本。つまり、中学生に向けて書かれたもの。
角田光代さん、益田ミリさん、たかのてるこさん、出口治明さんなど、旅に関する本を多数出していたり、旅好きを公言する21人の著名人が旅の魅力を語っている。中学生向けなので、やや物足りないところもあるが(まだ家と学校と習い事が世界の全てのような時期の子供たちに向けて書いているのだから、当然かも...)、旅の良さについて再確認できる。
特に共感したのは「自分のいる場所が当たり前の環境ではないと、身をもって知ること。自分はちっぽけな存在で、自分の外には多様で広い世界がある。そのことを頭ではなく、肌で感じられること」「本を読めば旅になる」(清水浩史さんの章から引用)というところ。コロナの状況が落ち着くのをのんびり本を読みながら待ちつつ、また近々旅行に出かけられたら良いなと思う。 -
わたしも旅が好きだ!
角田光代さん
何人で旅しても、つねに自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の言葉で感想を持つことが大事。そうすることで、自分にとってなにが美しくて醜いか、何が大きくて小さいか、何が面白くて退屈か、何を信じられて信じられないか、ひとつひとつ、きちんと知ることができる…というより、、正しく組み立てていくことができる。「今ここ」以外の、いくつもの現実を生きることで、私たちは新たな私たち自身を手に入れていくのだと思う。
清水浩史さん
旅の効用①旅に出て自分を見つめ直すこと。
自分の外には多様で広い世界があると肌で感じられる。自分が今いる環境は当たり前ではないし、自分で決断さえすれば、人はいつだってどこへでも行ける。
旅の効用②本を通じて想像の旅にでかけること。
本に親しむようになる。物理的に行けなくても、本を読めば遠くのことが近くに見えてくる。歳を重ねて「行動半径」が広がるから大人になるのではなく、「想像半径」が広がるからこそ、人は大人になるのではないか。
-
俺も好きだ!
旅と旅行は明確に違うと思うのだが、言葉で説明しようとすると難しい。
ひねり出した違いというのは「責任の有無」にあると思う。
旅は途上でトラブルがあろうが、自分の責任において対処する。
旅行は何かトラブルがあれば添乗員さんなり、旅行会社の人が何とかしてくれる。
旅はジャーニー、旅行はツアーだと思っている。
どう思います?
俺がやっているのは旅であるという自負がある。
先週やった廃道歩きは、本当にその道を通れるのか分からない。
分からないがゆえにどこでも寝られるようにテント装備で行った。
自転車旅も天気によっては同じ場所に停滞するし、気分も体調も良ければいけるところまで行く。
最初の考えてたルートと違うことなんてよくある。
そう考えると、俺の旅の芯になるものは”移動”なのだ。
旅の途上の移動手段こそが旅の骨格となる。
この旅の芯となるものは人それぞれで、”人との出会い”だったり、”経験”だったり。
俺の旅の芯はこれだ!というのが見つけた人こそが真に旅人なのだろう。
旅するように生きたい。 -
自分が見ている現実以外に、いくつもの現実が確実に存在していると知ることができる。
子どもの頃から本を読んでいると、言葉として実感していなくても、その今ここ以外に自在に行き来できることを感覚として学ぶ。
だから、今暮らしているここで、何か意に染まないことがあつても、辛いことがあつても、好きな人がいなくても、踏ん張ることができる。逃げ場所がいくつもあることを知っているから。
そして逃げながら、一つずつ年齢を重ね、私達は子どもの頃よりずっと自分向きの今ここにたどり着くことができる。
自分のいる環境が当たり前ではないと、身をもって知ることができる。
運命を変えるには、ただ環境や出会う人を変えるのではなく、時に苦痛を伴う泥臭い努力をするしかない。
生き延びるために生きるとは、理想の場所を求めて旅立つ前向きな生き方。
-
はぁ。。。旅がしたい。
海外にいきたい。
早くコロナ収束しないかな。 -
「14歳の世渡り術」シリーズは、大人が読んでも楽しい。
今回は、21人21色の旅模様。
「老後は雨乞い業でもしようか」と思うほどの雨女・酒井順子さんの土砂降りにより旅程を狂わせられる旅もあれば、牧村朝子さんのようにとりあえず来た船に乗って島に到着した後に「えっ、帰りの船も宿もなくない?」と気づく旅もあり、また、パスポートとお金と帰りの飛行機のチケットが入った貴重品袋を丸ごと盗られてしまい現地の人々にお世話になりまくる高野秀行さんのような旅もある。
旅に「想定外」はつきもので、それをいかに楽しめるかにかかっているのだ、と思った。
“「世界一周」の定義は「太平洋と大西洋を同一方向に超えて、スタート地点へ戻ること」であり、訪問する国の数は関係ありません” と、はあちゅうが言っていたので、新婚旅行がまだのわたしは世界一周にしようか真剣に悩み出した(もともとはヨーロッパと北欧を考えていた)。
「新婚旅行どこに行ったの?」って聞かれた時に「世界一周」って答えられるの、いいよね。
そう言うと、夫は無言で笑った。
ん?GOサインか?
「世界一周航空券」予約寸前だ。
『旅が好きだ!』著者Twitter(一部抜粋)
角田光代(@Kakutamitsuyo)
清水浩史(@shimizhiroshi)
はあちゅう(@ha_chu)
森百合子(@allgodschillun)
たかのてるこ(@takanoteruko)
高野秀行(@daruma1021)
出口治明(@p_hal)
羽石杏奈(@hawaiianna913)
〜マンガ編〜
山本あり(@yamamoto_ari)
中島悠里(@jimapahinasu)
香日ゆら(@kouhiyura)
p32
ちなみに「世界一周」の定義は「太平洋と大西洋を同一方向に超えて、スタート地点へ戻ること」であり、訪問する国の数は関係ありません。ただ、複数枚の航空券がセットになった「世界一周航空券」を使用すると、別々に各国を訪問するよりもかなりお得に訪問できることから、この「世界一周航空券」を利用した旅人が多いのです。
p34
結局、人生は、今、自分の生きる場所で展開されていき、運命を変えるためには、ただ環境や出会う人を変えるのではなく、時に苦痛を伴う泥臭い努力をするしかないのだと思います。
p165
実用的な面でいうと、「Currency」などの通貨変換アプリを入れておくのもおススメです。 -
いろんな人の旅の話。エッセイや旅行記やマンガなど形態がそれぞれで個性的。旅の経験も視点もそれぞれでおもしろかった。旅は「今ここ以外」。体感すること。想いを馳せること。読書も同じようなことができるとな。たしかに。今は無理だけどきっときっとひとりで旅に出よう。