すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034665

感想・レビュー・書評

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  • 数字的な裏付けがなく、ほとんどが作者の想像による記述。

  • サブプライム問題の仕組みを解説し、つまりそれは特別なことじゃない、いつでも起こりうる、あるいは起こされるというお話

  • 勉強会の課題図書だったので読んでみた。■まえがきが刺激的資本主義とはねずみ講のこと。なんていいきっているのが素敵。■サブプライムローン問題の詳解サブプライムローン問題が一体どういう形で起こり、なぜ破綻したのかがよくわかる。具体的で実感のわく説明。今まで目にしたサブプライムローン問題の解説の中で一番分かりやすく、納得度が高かった。■バブルの本質について筆者はバブルには20世紀型と21世紀型があるという。どちらかというと、冒頭の「ねずみ講」というのは20世紀型で、21世紀型はチキンレースであるように思われる。

  • 本書はもうけのカラクリを分析整理している。
    証券化(標準化)により、商品化され、流動性が向上し、証券価値が
    高まる。
    商品化とは、①権利としてまとめ②細分化し③よく売れるようにすること。
    ここでいう価値の高まりは金融工学によるもので、本質的に内在する
    価値ではなく、それが「バブルに通じる」と理解した。

  • 投資家は値下がりを嫌うのではない、売りたい時に売れなくなる流動性の低下を一番嫌う

  • サブプライム問題の背景が詳しく分析されていて勉強になった。普通この問題と並列される「リーマンショック」の「リ」の字も出てこなかったのが面白い。そこに作者の考えが窺える。
    リスクの高いサブプライムローンを証券化してさらにそれを分割することでリスクが少なくなり需要が多くなることで、流動性が増してリスクはリスクでなくなる。テレビなどでの解説はかなり浅いものだったのだと気づかされた。ただこの本の説明が正しいとも判断できないけれど。 全体を通して専門的で難しく理解できなかった部分も多いけど読んでよかった。

  • ずっと読みたかった本をBOOKOFFで発見。

    内容は結構難しかったですが勉強になりました。

    最近、中国でのバブルについての報道を目にします。
    今の中国のバブルは日本のバブルと重ね合わされることが多いですが、同じ基準で見ることに危険性があることがこの本からは読み取れます。

  •  問題①お金はなぜ殖えるのか②経済はどうやって成長し続けるのか
    ③資本主義とは何か

    著者によれば、①から③まで端的に同一かつシンプルで、「ねずみ講」であるという。

    ②について、資本が労働とともに生産プロセスに投下され、付加価値を生み出し、それが利益となり、資本の蓄積が進み、されに資本が生産力を高め、労働機会を生み、付加価値が増加していくという正のフィードバックが形成されることになる。するとどうなるか?、資本が実体経済から乖離して金融資本主義に変質していくことになるのである。というのも、世界経済における未開の地は減少していくのに対して、資本の膨張スピードが相対的に加速しているからである。資本は利益獲得機会を別の方法に求めることになる。すなわち、これが金融資本への変化である

    金融資本の自己増殖は、経済成長が永遠に続かない限り、バブル以外には維持不可能である、そしてバブルは永遠に維持することは不可能である従って、結局は最終的に崩壊することになる。金融資本の自己増殖願望が実体経済と金融資本の主従逆転現象を生むことになるのである。これをキャンサーキャピタリズム(癌化した資本主義)と著者は揶揄しているが、このシステムに変わるものは今のところ出現する気配がない。これからも何度もバブルの発生と崩壊を繰り返していくことになるだろう。

  • 一字一句理解することはあきらめてさらさら流し読み。まえがきのお金、経済、資本主義の本質の説明は特に面白かった。主題についてなんとなく理解できたのは、金融市場の動きは必ずしも実体のある社会と関連があるとは限らず、人々の心理によって形のないまま勝手に動きだしてしまうものらしい。それはどうやら健全な姿ではないとのことだ。さて、この本は私にとっては勉強会7月課題本。残念ながらスケジュール都合により参加できないのだが、この本をネタに議論を展開できる自信がない…。本自体は正直1割も理解できていないだろうが、それなりに興味深く読めた。このレベルの経済の本を数読むことが私には必要かも。

  • [ 内容 ]
    なぜ、サブプライムローンは世界的な金融危機を招いたのか?
    なぜ、ジャンク(くず)と呼んでもよいようなサブプライム関連の金融商品に、欧米の投資銀行やヘッジファンドなど世界一流の投資家たちが殺到したのか?
    なぜ、サブプライムショックの際に、日本の株価が最も暴落したのか?
    なぜ、バブルは繰り返されるのか?-多くの投資家がリスクに殺到するがゆえに生じる、新時代のバブルの正体を、気鋭の学者であり、個人投資家でもある著者が、アカデミックな成果を中心に、著者自らの投資体験も含めて分析する。

    [ 目次 ]
    第1章 証券化の本質
    第2章 リスクテイクバブルとは何か
    第3章 リスクテイクバブルのメカニズム
    第4章 バブルの実態-上海発世界同時株安
    第5章 バブル崩壊1-サブプライムショック
    第6章 バブル崩壊2-世界同時暴落スパイラル
    第7章 バブルの本質
    第8章 キャンサーキャピタリズムの発現-二一世紀型バブルの恐怖

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    [ 参考となる書評 ]

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著者プロフィール

小幡 績(オバタ セキ)
慶應義塾大学准教授
1967年生まれ。1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMFサマーインターン。2001年~03年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應義塾大学ビジネス・スクール)准教授。専門は行動ファイナンス。2010年~14年まで年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員。主な著書に『ネット株の心理学』(毎日コミュニケーションズ)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『成長戦略のまやかし』(PHP新書)、『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)がある。


「2020年 『アフターバブル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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