すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034665

感想・レビュー・書評

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  • まえがきで「お金が殖える理由はねずみ講であり資本主義の本質」だと言い切っていて、ある意味身も蓋もないが、証券化の本質やサブプライム問題にみられた「リスクテイクバブル」のメカニズムについての説明は面白かった。後半の2007~2008年3月にかけてのバブルとその暴落についての説明は正直くどい。この本の初版が出たわずか一ヶ月後にそれまでの暴落がかわいく思えるほどの大暴落が起こったことは、この本の価値を低めるものではないと思うが、それでもある種の皮肉を感じてしまう。

  • (勉強会本棚のコピペ)
    「経済はねずみ講である」

    この一言に端を発する当書は、
    現代の資本主義経済の仕組みを明解に説明し、
    その仕組みは、常にバブルを生み出すものだと唱えている。

    一見日々成長しているように見える世界経済も
    地球全体で見れば結局ゼロサムゲームに過ぎないということ、
    人間の欲望=常にフロンティアを求めること
    を止めることの必要性、
    を認識させてくれる、非常に興味深い1冊である。

  • サブプライムショックがいかにして起きたかを解説し、現代の金融資本主義に対して警鐘をならす。やや冗長な章もあるけど解説は分かりやすい。リーマンショックの前に書かれた本だけど、その後の展開も記述された通りの展開となっている。

  • バブルとは何かについて考えさせられる本。バブルは決して誰も気付かずできるものではなく、バブルと気付いていても、あえてそれに乗っかって投資する投資家によって引き起こされる。今後もいつバブルが起きてもおかしくない。経済に目を向け、現在、将来、何が起きるか考えるべき。

  • 2010/05/26
    題名のとおり!
    バブルってそうやって生まれるんや。
    ファンドマネージャーも大変や!!

  • わかりやすかったの一言に尽きる。
    サブプライム問題を例に、所謂「バブル」の発生の構造を丁寧に説明してくれている。
    ある事象が発生した原因をトコトン解説してくれているので、知識がぼや~っとしてる人や、はじめて経済を学ぼうとする(自分のような)人が読むと効果覿面なんじゃないかなーと思います。

    おすすめです。

  • 証券化の持つ意味

    それがサブプライムとどう関係しているのか?

    この2つを徹底的に分かりやすく解説してくれる。

    決して難しい本ではなく、むしろ初学者用にかなり分かりやすく書かれている。

    サクッと読めるのでオススメ♪

  • 面白かった。資本主義はねずみ講だそうな。
    つまり自分の持ってる資産が、次の人に高く売れる間はOK。だけどねずみ講に参入してくる人がいなくなったら終了という仕組み。

    よくどんな資産でも証券化すればOKと聞く。たしかソフトバンクが、ユーザの月賦を証券化して売ったはず。その仕組がよく分からなかったのだけど、この本を読んでよく理解できた。

    例えば、他のいろいろな資産とまとめて、客の要望に応じて任意のリスク/リターンの部分を切り出して証券にすることもできるし、細かく切り分ければ、小口投資の対象になり、少々リスクが高くったって平気になる。
    一番重要なのは、証券化すれば、実物資産が抱える様々な情報が捨象され、単にリスクとリターンの二つの属性しか無くなり、流動性(すぐに他人に売れるかどうか)が格段に上がるというわけ。

    あと、バブルは、みんなバブルと知ってるからバブルになるんだってのが斬新だった。みんなバブルと分かってるから、つまりいろんな資産価値がしばらくうなぎ登りになるのが分かってるから、全員が参加する。参加すれば絶対儲かるから。だけどいつか終りになるのが分かってるから、ピリピリしてる。バブルが終わった瞬間に売り抜けようとみんなピリピリしてる。
    そしてバブル終了と皆が認識するようなキッカケがあれば、みんな一斉に売る。で大暴落という仕組み。

    とても面白かった

    12/28開始、1/2読了。

  • 金融バブルに関する解説書。バブルであったがゆえにバブルが投資家を引き付けること、バブルに乗った投資家はそれがバブルであることを十分に知っていたこと、バブルの発生が必然で何がバブルであるかは偶然であること、など金融バブルおよび著者が名づけたリスクテイクバブルについて非常に腑に落ちる解説(仮説)になっています。サブプライムローンの仕組みとその崩壊過程についても分かりやすい説明になっています。

    第4章から第6章の2007年2月末から2008年3月の約1年間に渡るサブプライムバブル崩壊を時系列で追った記述は、場合によってはかなり退屈な内容になりがちな中、投資家の想定される心理を描いてスリリングなものに仕上がっています。

    経済学分野の話としては、あくまで仮説という部分も多いのかと思いますが、自分も含めて個人投資も全くしていないどちらかというと疎い人にとっても、よい本かと思います。

  • サブプライムが起こった理由を著者なりに分析している。

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著者プロフィール

小幡 績(オバタ セキ)
慶應義塾大学准教授
1967年生まれ。1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMFサマーインターン。2001年~03年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應義塾大学ビジネス・スクール)准教授。専門は行動ファイナンス。2010年~14年まで年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員。主な著書に『ネット株の心理学』(毎日コミュニケーションズ)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『成長戦略のまやかし』(PHP新書)、『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)がある。


「2020年 『アフターバブル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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