すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

著者 :
  • 光文社
3.58
  • (46)
  • (83)
  • (95)
  • (22)
  • (4)
本棚登録 : 624
感想 : 80
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034665

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <HS>
    「経済はねずみ講である」

    この一言に端を発する当書は、
    現代の資本主義経済の仕組みを明解に説明し、
    その仕組みは、常にバブルを生み出すものだと唱えている。

    一見日々成長しているように見える世界経済も
    地球全体で見れば結局ゼロサムゲームに過ぎないということ、
    人間の欲望=常にフロンティアを求めること
    を止めることの必要性、
    を認識させてくれる、非常に興味深い1冊である。

  • タイムリー。
    バブルの本質がわかる。
    金融資本主義の構造について。

  • 教科書。面白い。読み返す価値あり。

  • そもそも一番最初にリスクを取って証券化するという行為は、
    その後の参入者が商品を次々と購入していくことを考えるとリスクではなくなる。
    という部分は驚き。
    流動性リスクってのは危機が起きるとその重要さが認識されますね。

    住宅バブルも儲かるとわかって起こるべくして起こったといえる。そうだ。

    確かに世の中は最初に仕掛けたものは儲かる仕組みになっておりますね。

    ただ、今回は証券化という商品によって仕掛けた者も、稼ぎを得る過程で仕掛けられた商品を購入していたのですね。当然わかっていたと思いますが。

    LTCMが大きくなりすぎたがゆえ、
    投資対象の拡大を図り、結局はまともな投資機会が減っていった。というように見えていたはずのものが見えなくなっていく。。。。怖いですね。

  • サブプライム問題の核心をついているのではないかと思う。
    バブルがどのように起こるか、そしてそのバブルがいかにして崩壊していくかということを指摘してます。
    日本の証券市場が稚拙という点には納得できます。
    円高になると、市場が売りに走るというのは、外部からの視点ですが、呆れています。
    確かに、キャノンやトヨタ自動車は超が付くほどの有料起業家もしれません、内需関連の企業でも優秀な企業(セブンアンドアイHDなど)は十分に存在すると思います。

    私個人の意見ですが、日本の経済の特に、個人消費は、将来の不安から現時点での消費ができないことでの低迷というのが大きいと思います。
    景気対策も重要ですが、社会保障(特に年金・医療)の改革(というより改善)が必要だと思います。

    景気は「気」からです。

  • (2008/8/22読了)リスクテイクバブルの構造についてはなるほど!と思って興味深く読めましたが。2008年の2月や8月以降の相場における投資家心理の記述は読んでいてうんざりしてきました(^^;そりゃプロのファンドマネージャーの方々の間では戦々恐々売り急ぎ状態だったでしょうが、「全ての投資家が凍りついた」とか言われると・・・全て?インデックス長期投資家の皆様はこの相場をむしろ「今月は安く買えたなあ!」と喜んでますか?

  • キャッチーなタイトルだが、意外と学術的。
    現代資本主義が内包するバブル発生のメカニズムを、事例をもちいて解説している。
    著者は資本主義の本質とは「ねずみ講」であり、癌のように無限に増殖する「キャンサーキャピタリズム」であると名付けている。
    1〜3章のバブル発生のメカニズムは非常にわかりやすく解説されていて、かなり納得できた。4〜6章の具体的な事例の部分は本書の論旨を裏付けるために必要なのは間違いないが、描写がクドくて、個人投資家としても活躍する著者の「俺ってこんなに事情通なんだぜ」というひけらかしなんじゃないかと思ってしまうのは、俺がひねくれているだけか。

    なお、著者は自分自身個人投資家であるだけでなく、行動ファイナンスを専門とした学者なので、投資家心理に基づく説明がかなり多い。

    丁寧に自己の主張を展開しており、バブル及び現在の金融市場についての理解がすすむ良本だと思う。

  • 確率的に必ず0にはならないリスクを、証券化する事でリスクを減らしてしまうという手法は不思議…理解できるけれども不思議だ。

  • 2007年のサブプライム・ショックに始まるバブルの崩壊の様子を時間の経過とともに説明する。結局、このようなバブルとその崩壊は金融市場に参加する人々の欲望や群集心理によって起こるので、なくなることはないのであろう。金融資本市場は実体経済から乖離し、逆に実体経済へ影響力を持つようになってきていることに警戒感が必要だ。
    本書は市場動向の説明が中心となり、経済論的観点が少なかったのが物足りなかった。

全80件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

小幡 績(オバタ セキ)
慶應義塾大学准教授
1967年生まれ。1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMFサマーインターン。2001年~03年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應義塾大学ビジネス・スクール)准教授。専門は行動ファイナンス。2010年~14年まで年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員。主な著書に『ネット株の心理学』(毎日コミュニケーションズ)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『成長戦略のまやかし』(PHP新書)、『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)がある。


「2020年 『アフターバブル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小幡績の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デールカーネギ...
イアン・エアーズ
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×