すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034665

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、小幡氏である。東大卒ー大蔵省ーハーバード卒 〜 で現在は慶應准教授。
    基本的には、経済学者だと思うがその分野は「行動経済学」だ。今流行の分野であり、
    今後最も注目を集める分野であると思う。

    本書の内容は、資本主義は「ねずみ構」である。これから始まる。そして、サブプライムの
    本質は、流動性リスクの構築であり、バブルは作られた。ただし、そのメカニズムの理論は
    ない。そして、経済が回復するには、今以上の激痛を受けて、初めて正常化する。その
    覚悟をしておくのは間違いではない。って感じ。

    鋭い。そしてやっと本質が分かったって感じが最も強く残った印象である。
    そして、本書のポイントは上記にも書いたが、

    1.流動性リスクの軽減
    2.ヘッジファンドのシステムの問題
    3.ネズミ講

    これは、3に関しては気づいてはいたが、うまい言い方があったな。って感じで、
    なかなか良いと思う。その他の1と2は、新しい知識を得られたと思う。

    流動性リスク、これは確かにそうであると思う。株に関しても同様で、上場株と
    非上場の株では、どちらが基本的に価値が高くなるか。市場が整い、いつでも大体
    売れる環境と、市場がなく手探りで売買相手を探さなくてはならない環境。
    どちらが望ましいか。それが流動性リスクである。

    一方ヘッジファンドのシステムとは、評価基準が絶対値ではなく、相対的であるという
    評価システムの事。稼いでも稼いでも、周りがもっと稼いでいればそれは評価が低くなって
    しまうという点。これは・・・・って思う。

    しかし、何事も本質を知るのは極めて大切。今までのサブプライム問題の解説が陳腐に
    思えるほど、明快に論理的に解説されているので、とてもお薦めできる。

  • 周囲で評判が良かったので読んでみた。
    「バブル崩壊は、一度下がって持ち直してから一気に下がって始まる」みたいな部分は「?」だったけど、全体的にはバブルの本質をうまく言っていて興味深かった。


    ◎バブル崩壊における3つの要素

    ?バブルであるから
    …誰もがバブルと知っているから、一旦売りとなったら全員が売りに回り、価格は一気に暴落する。
    ?バブル崩壊の合図が鳴ること
    ?市場全体のムード
    …バブルが崩壊するには、これが悲観的であり、将来に対してネガティブであることが必要。


    また、一般的なバブルの定義(P.106)を見事に否定していて面白い。
    特に、
    ?バブルの最中には、誰もバブルとは気づかない。
    ?バブルは危険なもので、賢明なプロの投資家は近づかず、素人が下手に手を出して失敗するケースばかりである。

    うん、そんなわけないよね。

  • 【090315】

  • ?お金はなぜ増えるのだろう←高校生用

    ?経済はどうやって成長し続けるのだろう←大学用

    ?資本主義とはなんだろう←大学院用

    解答:【ねずみ講】

    ひゃ〜資本主義ってそうなんだ!!!!

  • 本来の価値を変えずに証券化することで流動性をあげた。
    これがサブプライムローンの一因である。

    いやぁ、ホント目からうろこの本です。
    ぜひ呼んでおいたほうがいいでしょう♪

    ヘッジファンドにとって、バブルは認識された上で投資されるものである。
    数字上の利益をほかのヘッジファンドと勝負するため、彼らはゲームから抜けられない。

  • バブルの本質を書いた本。
    著者によると、経済、バブルともに本質はねずみ講であると言っている。
    リスクがリスクでなくなるリスクテイクバブルは結局人間の欲望から生まれたものじゃないかと。

  • サブプライムローンやら証券化の問題やら,最近はいろいろとこれに関する本が出ておりますが、この本は費用対効果的にナイスバランスかと思われます。新書の割にはガッツリしたバブル論。オランダのチューリップバブルの頃とは違い、現在のバブルは偶発的に起きる物ではなく、既に市場構造の中に含まれているから完全に取り除く事は無理。リスクがある限り金融資本は巡る。仮にそのバブル内包構造崩壊を実現できるとすれば、金融資本の崩壊と実体経済への回帰が行なわれなければ行けない。でも現在の世界でそれは本当に可能なのか???。。。という限りなくネガティブな見方で終わっているのでガクガクブルブルしていた次第です。人間は自ら作り出した技術を、たとえそれが倫理に反する物だとわかっていても、使わずにはいられない、とどこかで聞いた言葉お思い出しますた。経済も所詮人間の欲望の集約ですからね。。。果てしないなーこの問題。

  • 宮台真司大先生オススメの1冊

    すべての経済はバブルに通じる。

    ぼんやりとしていたサブプライムショックの本質を理解させてくれた本。
    こんなところで行動経済学が関係していたとは・・・

    • nobugiさん
      ちょうどおれも読んでたから驚いたわ笑
      ちょうどおれも読んでたから驚いたわ笑
      2009/02/20
  • “すべバブ ”という愛称まで付いているらしい。読みやすい。

  • タイトルの通りバブルはなぜ繰り返すかについて書かれている。
    バブルは資本主義の癌のようなものであり、今後も繰り返すと著者は主張している。
    今後は資本主義の末期症状として、バブルが崩壊するという著者の意見は非常に納得のいくものであった。

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著者プロフィール

小幡 績(オバタ セキ)
慶應義塾大学准教授
1967年生まれ。1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMFサマーインターン。2001年~03年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應義塾大学ビジネス・スクール)准教授。専門は行動ファイナンス。2010年~14年まで年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員。主な著書に『ネット株の心理学』(毎日コミュニケーションズ)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『成長戦略のまやかし』(PHP新書)、『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)がある。


「2020年 『アフターバブル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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