すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034665

感想・レビュー・書評

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  • サブプライム問題、バブル、について分かりやすく解説してあるので、大枠がつかみやすい。
    さらに。同じ問題を違う章で何度か言い換えて説明してくれているので、初心者にも読みやすい。

  • ◎「会社に人生を預けるな」(勝間和代/光文社新書)p.86で紹介
    《『経済はネズミ講である』というフレーズの通り消費が増えなければ経済も伸びない。逆にいえば、それが行われなくなった時点、すなわち現在の様な状況では、リスクをとらない、あるいはボーっとしていると自分の取り分が少なくなる社会になるということを意味している。ちなみに小幡氏は本の刊行後、そういう「本当のこと」を言ってはいけないと、仲間の経済学者から言われたそうである。~(勝間和代)》

  • 「資本主義」≒「ねずみ講」。やっぱりねぇ、だよねぇ~!?ヽ(´ー`)ノ、です。
    金融工学などと小難しいことをどれだけ並べ立てても、そこは人間の作り出したもの、所詮「感情」に振り回されるってことかー、です。
    もっともらしい理論を並べられるよりも、もんのすご~~~く納得できる説明でした。
    それにしても、いわゆる「ねずみ講」と言われてるものは犯罪になり、「金融」にはならない。一体そこの差はどういうところにあるのか?
    「ねずみ講」は数人の、顔がはっきり見えるところにおカネが集中するのがわかるからか?所詮、ショボイ規模だからか?いや、トンズラするからか?
    それが今回のサブプライムローンなんかのように、著名と呼ばれる「投資家」が仕掛けて、その周辺の人たちに巨万の富が集中して破綻して、実経済が被害を被っても「犯罪」にはならない。(ま、一応、グリーンスパン氏や金融工学でノーベル賞を取った人たちなんかは責められてはいるみたいけどねー?)
    なるほど、そこまでデカくやる「ねずみ講」は犯罪にはならないんだなー?ですかね。
    あたしもお金を持て余していたら、やってみたいゲームだわ。心理戦以外の何ものでもない。
    (あ、そうだ、余談、この著作の中にも「岩井克人氏」出てきましたよ。)

  • 本書の前半部分がおもしろいです
    バブルと知りつつ、
    そのバブルがいつか弾けるとわかりながら、
    そこに金が集まってバブルが膨張していく。
    バブルの本質を示してくれます

  • 金融に疎い自分にとっては初めて知ることが多くてとてもためになった。
    まず経済と金融が逆転し、膨張を続ける金融資本。実体経済には限界があるために資本の希少価値も下がるが金融工学や証券化を通して金融の世界の中での価値を上げる。実体経済を離れた金融資本の自己増殖はねずみ講と同じシステムで維持され、ねずみ講と同じように破綻する。それがバブル崩壊。
    そして証券化の意義について。証券化でリスクをオーダーメイドにすることで価値を作り出す。また証券化によって今まで投資対象にならなかったものが「商品化」され、これにより流動性リスクが大きく改善される。そして資産がもたらす利益などから視点がリスク・リターンを軸にするものへと変化する。
    このリスクの変質が著者の造語「リスクテイクバブル」を生み出す。リスクを取ることに人が殺到してバブルとなっている状況である。バブルは貨幣の自己循環理論と同じでなぜバブルがバブルなのか説明できない。また資本と頭脳が分離された現代では投資家はどうしてもバブルを最大に活かして稼ぐ必要にかられて参入せざるを得ず、適当なところで引くこともできない現状がある。
    それからこのサブプライム問題などを時間を追って解説。
    そして「バブルの常識」を考えていく。まず「バブルがバブルと気づかない」。実はみんなバブルを認識して市場に参入している。ここから「バブルに投資するのは失敗で、崩壊後に後悔する」や「バブルはプロが近寄らない素人の産物」といった常識がウソであることを述べる。
    最後にキャンサーキャピタリズムについて。自己増殖する資本に投資機会は食い尽くされ実体経済が金融資本に支配されるとゆう主客逆転を起こし、どちらも崩壊する。著者は癌化した資本が死滅するまでわれわれは幾度かの苦しみを味わうだろうと予測。
    と今まで知らなかったことが盛りだくさんで非常に勉強になった。

  • バブルは恐ろしい。バブルは弾けて初めてバブルだと気づく。

  • サブプライム問題を中心としたバブルとその原因について詳しく触れている。

    市場の心理をじっくり考えていくことで、世の中の流れがすこし掴みやすくなった気がする。

    それで投資で勝てるわけじゃないけれど(笑)

    この本を読んで、行動経済学に興味を持ちました。


    ゆるぎ

  • 経済成長
     人口増加+1人当り国民所得の増加

    アダム・スミス
     分業→労働力の生産性向上→経済が効率的→富の拡大
     無から有が生まれる。

    分業以外
     技術進歩、教育投資

    経済成長には需要が必要
    資本主義経済圏でない地域を開拓。
    未開の地が減っている。
    生産プロセスに投下された資本が膨張。
    資本は、別の利益獲得方法を探る→金融資本

    金融資本
     投資先は生産プロセスでなくてもよい。利益さえでれば。

    金融の発達
     実物的に付加価値を生み出さなくても、金融の世界の中で富を生み出すことが可能。
     →金融工学、証券化

    ===

    バブル
     合理的理由があるわけではない。
      経済実体と関係して起こる場合・・・ITバブル
      経済実体と関係なく起こる場合・・・分割バブル
     バブルに理由は要らない。バブルはバブルであることが重要。
     バブルの生成に多少の理由は存在するが、必然的な論理はない。

     ?バブルであることに気付かない。
     ?バブルに投資することは失敗で、バブル崩壊後、バブルであることに気付いていれば投資していなかったのに、と後悔する。
       →バブルと分かって、利益を得るため崩壊直前まで投資しようとしている。
     ?プロは近づかず、素人が失敗する。
       →プロは、パフォーマンスを求められるため、積極的にバブルに参加する。
     ?バブルは危険。時代の進歩でバブルの発生頻度は小さくなっていく。
       →


    リスクテイクバブル


    ===

    後知恵バイアス?

      

  • 群集心理について学ぶ。前半はためになったが、後半の特に市場の変化を細かく伝えるのはいらなかった。

  • リスクテイクバブルという存在を始めてしった本。

    リスクは、それに対応するリターンがある。

    しかしながら、危険もある。

    だが、もし、皆がそのリスクを全力で取りに行く様な状況になると、
    リスクに乗らないことによる機会損失を考えると、
    リスクに乗らないことがリスクになってしまう。

    それ故、皆が本来恐れるべきリスクに全力で乗った結果、
    リスクがリスクではなくなってしまい、
    リスクに乗っかることで、莫大なリターンを稼ぎ続けることができ、
    その状況に更に人が殺到するという、

    これをリスクテイクバブルという。

    是非一読を進めたい本の一つ。

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著者プロフィール

小幡 績(オバタ セキ)
慶應義塾大学准教授
1967年生まれ。1992年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMFサマーインターン。2001年~03年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應義塾大学ビジネス・スクール)准教授。専門は行動ファイナンス。2010年~14年まで年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員。主な著書に『ネット株の心理学』(毎日コミュニケーションズ)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『成長戦略のまやかし』(PHP新書)、『ハイブリッド・バブル』(ダイヤモンド社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)がある。


「2020年 『アフターバブル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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