「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044220

感想・レビュー・書評

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  • 結婚、出産、育児について、特に育児では父親の育児と保育園の効果、果ては離婚の効用についてまでをデータをもとにご教示くださる。離婚はさておき、我が身にとって人生の過ぎ去ったイベントばかりなのだが、得てして若き当事者はこういう本を読む余裕もなく、我われが体験を踏まえて次世代に語り継がねばならないのだろう。なまじべったりと親が幼児を育てるよりも、育児のプロである保育士に委ねた方が子どもに有益ってのは納得した。育休3年制ってのは・・・本音を晒すとやばいわ。

  • 2年ほど前のNHKの番組「AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン」で、図書館利用率と健康寿命に相関があるのでは?というAIが導き出した仮説を取り上げていました。たぶん、これからますますビッグデータが蓄積されることよって、思ってもいなかった現象とデータが結び付けられたり、あるいは過去、語られて続けてきた俗説をデータがひっくり返したり、ということが進んでいくことと思います。この新書は、その手前で経済学者が経済学的統計で「家族の幸せ」という情緒的なテーマを分析していく、という本です。さらには、こういう手法でこれからの「家族の幸せ」の分析をもっともっと進めていくのでデータ提供にご協力してね、という著者の研究テーマのプロモーション本でもあります。先ずは「帝王切開否定」「母乳神話」「三歳までの母親密着」などの思い込み神話を打ち破るところからはじまります。それはAIのように、勝手に相関が見えてくるということではなく学者が問題意識を持って、今までの通説を検証するために色んなデータを見ていく、ということによってなされます。よって、今までのなんとなくの社会通念とかに対する疑念から分析されるので、結果的に人口増加社会とか高度経済成長時代の当たり前を問い直すことになっています。「結婚の経済学」「赤ちゃんの経済学」「育休の経済学」「イクメンの経済学」「保育園の経済学」「離婚の経済学」という章立てで、今の日本が模索しているテーマばっかりで菅政権の目玉政策の不妊治療の補助みたいに、政策のベースになる研究になるような予感もします。そういう意味では、こんな荒い結論付けでいいんだっけ?と思うような話題もあったりします。新書というパッケージや、そもそもこの領域が発達分野ということを考慮しないといけないのでしょうが…まだAIならネタで済む、ってことが社会政策への税金の投入の論拠になるのだとしたら、もっともっと研究を深めまるといいな、と思いました。ってことで、著者の目論見通り、どんどんこういう研究にデータを提供しなくちゃ、ってことになる?

  • そそられるテーマではあったが、やや消化不良。

    データに基づいているともいきや、意外と主観的な部分も多いと感じた。帝王切開の章とか、正しいか検証されてはいないが、相関関係について説明がつきうる。とか、どっちやねん!って書きっぷりだし。根拠に乏しい主張もちらほら。
    同じようなテーマなら、
    それと、データと結果の相関関係が正しいかは評価が難しいなあと感じた。

  • 期待してたものとはちょーっとだけ違ったけど、見出しとグラフをさくさくと見てざっくり全体感を把握するのには向いていた。思い込みや、○○神話という、非科学的な言説にはつねにアラートを鳴らして、自分の意思と、客観的な根拠で幸せを掴んでいかねば。しかし、保育園の話は、中でも学ぶところが多かった。無償化よりも、とにかくやるべきこといっぱいあるよね…。

  • データなどが豊富でかつ、さくっと読めて良かった。北欧の男性も最初は育休とりづらかったんだな。

  • 論文まとめ

  • 面白かった。離婚、結婚、保育を経済学から分析するありそうでなかった本だと思う。相手に家事ができることを求めるのは男性よりも女性というのは素直に意外だった、そう言ったちょっとした驚きが多かった。

  • 幸せってなんだろう

  • 育児休暇をとった父親が、リアルに4%ほど給与が下がっていたのが面白かった。
    一年間のパパ育休は、日本と韓国が最長であることを初めて知った。、

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著者プロフィール

東京大学大学院経済学研究科教授

「2021年 『子育て支援の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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