給食のおにいさん (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1802
感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420892

感想・レビュー・書評

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  • ドタバタな給食室や子どもとの関わりが面白い。
    しかし、給食調理員さんが子どもと関わる事は無い無い

  • 劣等感がじくじく痛いのはきっとスパイスで、なんとか、なんとか、味わった先にはふんだんに、重奏が現れるのだろう。
    擦り合わせて、今を生きて、いつかは今が未来になるね。

  • 子供向けのライトな小説と思って読み始めた。
    ハプニングと解決を繰り返す王道な小説構成。
    でも、ちょっと泣ける感じがいい。
    おっさんになった自分に、まだこんなピュアさがあるのかと確認できた一冊。

  • レストラン経営で失敗した主人公が小学校の臨時給食職員という立場で四苦八苦しながら成長していくという物語。読み始めたら最後まで読みたくなる甘酸っぱい喜劇。

  • 2020年9月11日
    マカロンの500円玉入り御守りって悲しい。
    怒ることでしか感情を表せない親子って確かにいる。
    調理場は凶器の宝庫というのもひどく納得。
    人それぞれ、いろいろな悩みを持っている。
    自分に自信持って、居場所を確保できると頑張れる。
    1食250円の給食でも、子どもを思って栄養面、安全、美味しさ、好み、原価などそれはそれは大変な思いをして作っていることがよくわかる。

  • 給食という言葉で読むことを決めた本。

    食べ物が出てくる話が好きな私には給食というワードは魅力的でした。

    登場人物のキャラクターがイメージしやすく、脳内で人物が動いている様子が再生されました。

    給食を通して小学校の世界に戻ることができ、現代の問題に思いを馳せ、心も少しあたたかくなってと個人的には大満足です。

  • 主人公は東京都S区若竹小学校の臨時給食調理員 佐々目宗ーささめそうー28歳。佐々目は、料理コンクールに優勝する程の調理師だが、開店早々火事になってしまい給食の調理員として働くことに。佐々目が仕事を通じて職員や児童と関わっていくうちに、成長していく物語。4月から12月まで、次の5つの章で描かれる。
    春スパイス、保健室登校の1年1組手塚佑磨くん、くじびきハンバーグ
    初夏スプーン、ネグレクトの親を持つ 吉田陽くん、ふれあい給食、給食委員会保健委員会合同公演「手を洗わなかったお姫さま」
    夏 スー・シェフ、元天才美少女子役で太って仕事がない5年野木美玲、先生メニュー、スフレ
    秋グリル、卵と乳製品の食物アレルギーの2年1組大河内理央、シェフメニュー、栄養教室
    冬キャセロール、モンスターチルドレン、榎本仁奈、平野瑠美とモンスターペアレンツ 給食調理コンテスト

    管理栄養士の毛利は半端ない熱量で仕事に取り組む熱血キャラだ
    をはじめ登場人物が面白い。
    個人的には学校司書が出てこないのが残念。

    文庫版だが書き下ろしで、どんどん続いているのでライトノベルと言っても差し支えがないかもしれない。しかし、萌え系の口絵もなければ、ファンタジーもSFの要素も擬音がたっぷりの会話もない。読んでいて共感も笑いも感動もあり、生きる勇気をもらえる。中1の男子につづきをリクエストされて、仕方なく読んだが面白かった。これより面白くない単行本はいくらでもある。

  • (1,2,3,4,5あわせての感想)
    なかなか面白かったので一気に全巻読みました。

    いろいろこだわりがあって周りにとけこめないが、
    仕事の腕は確かなコックさんであるところのささめ君。
    彼がいろいろ試行錯誤しながら、新たな視点を得て、
    少しづつ成長していく物語です。人間的にまるく豊かになっていく過程。

    いろいろあってとりあえず1年限りの小学校の給食調理員
    として働きだす彼ですが、そこで次から次へと事件が発生します。
    先生、親、こどもたち、同僚、元カノとどんどん出てくるわ。
    20171031
    実写化したら面白いと思うよ。

  • いろいろな制約があって自由に調理できるわけではない給食。
    大量に、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。
    子どもたちの栄養にも配慮して、それでいてコストは低く。
    味が二の次三の次になってしまっている現状に、初めて給食と向き合った佐々目は驚く。
    コミカルな部分もシリアスな部分も、子どもたちの自由な独特の目線を通すとちょっと変わった風景になる…そんな物語だった。
    毛利のブラックぶりがいい。
    「給食命!!」みたいな毛利にも、いろいろな裏事情がありそうだ。
    給食で明日への命をつないでいる、そんな事情の子どもたちもいる。
    少しでも子どもたちの栄養になるように、少しでも子どもたちの健康に役立つように。
    味よりもまずそちらが優先してしまう毛利の頑ななな真面目さと、まったく相反するブラック毛利の腹黒さの対比が面白かった。
    給食って思えばいろんな工夫されてたなと思う。
    たまにあるいろんな学年が一緒に食べる企画とか、地元の食材を使ったメニューとか、親が給食を見学にくる…なんて企画も低学年のころにあったような気がする。

    給食を考える人。
    給食を作る人。
    給食を食べる人。
    みんなが少しずつ、「給食」にまつわることで成長していく物語。
    好きなシリーズになりそうな予感がする。

  • 元一流シェフがやむにやまれず選んだ転職先は、小学校の給食の調理員。レストランとはまるで勝手が違い、さまざまなルールに苦しめられるだけでなく、小学生との付き合いにも頭を悩ませるが、…

    自意識をへし折られつつ子どもや同僚たちとのふれあいで自らを変えていく、というと王道なストーリーですが、キャラクタもいきいきしてますし、小気味いい会話や展開でさくさく読めますし、心地よい読後感を残してくれる清涼感ある物語のように感じました。

    保健室登校、モンスター小学生、元アイドル子役の小学生…扱っているのは小学校のトラブル「あるある」ですが、相手を見誤らないやさしい視線で描かれていて、説教くさくも頭でっかちでもないので読みやすいなあとも思いました。

    シリーズがまだまだつづいているみたいなので、楽しみに読んでいきたいなと思います。

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著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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