I love you―恋愛アンソロジー (祥伝社文庫 ん 1-42)

  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333751

作品紹介・あらすじ

恋愛には未知の物語がある。初めて恋心を意識したとき、幼なじみに異性を見出したとき、彼女とのあいだに微妙な心の距離を感じたとき、初恋の同級生と再会を果たしたとき、彼女と恋愛のルールを決めたとき、そして連れ添った相手との別れを予感したとき…さまざまな断片から生まれるストーリーを、注目の男性作家陣が紡ぐ、奇蹟の恋愛アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 注目の男性作家達による恋愛アンソロジー
    今から約20年以上も前の作品だが、やっぱりこと恋愛については普遍的なものってあるんだなぁと感じた。

    同じテーマを手にした作家の方々が繰り広げる話でも、料理人によってこうも違うものかと、ワクワクしながら其々に楽しませてもらった。まだ未読の作家さんもいらしたが、最初の伊坂幸太郎さんの「透明ポーラーベア」で、個性が十分に発揮されている作風を感じた。恋愛をそういう切口で描かれるのかぁと脱帽した。

    男性目線で繰り広げられる恋愛アンソロジーも新鮮で面白い。
    贔屓目にみてしまうので伊坂幸太郎さんは除くとして、伊坂さん以外では、石田衣良さんの「魔法のボタン」が印象に残った。読後にニンマリと爽やかな余韻を楽しめたからかもしれない。

    きっと時期をおいて再読したら、また違う景色が見えるんだろうなぁと思った。短編にも関わらず限られた頁数の中でも、各々が情趣に富んでいる作品だった。

  • 男性作家さん6人が書く恋愛の短編小説。自分が想像していた愛や恋のお話ではなかったけれど、作家さんたちのそれぞれ違った愛のお話を読めて楽しかった。伊坂さんの作品が人と人との繋がりを感じるお話で特に印象に残った。

  • こちらは全員が男声作家の作品集です。
    あたりまえですが、海や空と一緒で、恋には数え切れないほどの、形、色、匂い、感触、音なんかがあって、だからこんな作品集を読めば読むほどに、恋の醍醐味やら気配やらを楽しめるわけです。伊阪幸太郎さん、石田衣良さん、市川拓司さん・・中でも私が一番やられたのは本田孝好さんの「Sidewalk Tolk」です。この発想はまず考えないですからね。どれも面白かった。オススメの一冊。読むアンチエイジング(笑)

  • 男性作家6人が贈る恋愛短編集。


    透明ポーラーベア / 伊坂幸太郎
    評価:★★★★☆(4.5)
    「繋がり」
    恋人や疎遠になった人との距離を、
    そのままの尺度で考えるんじゃなく、
    違う見方をすると気持ちが楽になる。
    その様を描いてると感じました。
    最後の展開が面白かったし、
    ()を使った描写が印象的でした。

    魔法のボタン / 石田衣良
    評価:★★★☆(3.5)
    「すぐ側に」
    幼馴染みが互いに異性として意識していく、お話。
    王道のストーリーですが、丁寧に描いていて引き込まれました。

    卒業写真 / 市川拓司
    評価:★★★★☆(4.5)
    「勘違い」
    この短編集の中で唯一、女性目線で描かれている作品。
    卒業以来、会ってなかった同級生に声を掛けられる。
    気兼ねなく話せた人なのか、初恋の人なのか。
    同じ名字の人だから、どっちか分からない。
    そんな展開にハラハラして一気に読めました。

    百瀬、こっちを向いて / 中田永一
    評価:★★★★★
    「偽りの関係」
    大学卒業を控え帰省した男性が先輩と再会し、
    昔の出来事を語り合う。
    いろんな要素が詰まっていて、終わり方もよかった。
    この短編集の中で一番好きです。

    突き抜けろ / 中村航
    評価:★★★
    「育むもの」
    恋愛を軸には置いてはいるが、
    主に描いているのは男の友情じゃないかと感じました。
    親友の紹介で出会った人によって、
    変わっていく男性の物語でしょう。

    Sidewalk Talk / 本多孝好
    評価:★★★★
    「記憶」
    離婚を決意した、一組の最後の晩餐。
    ~だったかもと当時のことを自分の中だけで振り返る男性と、
    もし~と仮定の話を相手にする女性の描写が、
    ふたりの関係性を表している気がしました。
    とてもいいラストシーンでした。

  • 6人の男性作家が書く恋愛小説。
    市川拓司さんの「卒業写真」がよかった。

    • yulu0202さん
      男性作家というのがちょっと魅力的☆
      次回読んでみるね!
      男性作家というのがちょっと魅力的☆
      次回読んでみるね!
      2013/03/03
  • 伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」が読みたくて再読。
    たとえ誰かと別れたり、関係が変わってしまっても、その人との歴史は消えないし、ふとした瞬間に思い出が蘇ったりする切なさに、しみじみとした。主人公の姉の歴代の彼氏らしき人が登場するが、一人目の「水平リーベ僕の船」が好きな彼氏は動物園にいたのだろうか。動物園に行って白熊が見たくなる。
    他の作品も、ちょっと懐かしい、錚々たるメンバーが書いている。他の作品も読んでみたい。
    初めて本作を読んだ際、「百瀬、こっちを向いて」が気に入って、「この中田永一って初めて読むけど好きな感じだなぁ〜」と思って『百瀬、こっちを向いて』も読んだりしていて、数年後、その正体にひっくり返るくらい驚いたのが、忘れられないよい思い出だ。

  • 伊坂幸太郎さんの作品が読みたくて手に取りました。

    男性が書く恋愛小説のほうが爽やか且つ共感できる部分が多くて好き。
    伊坂さん以外の方の作品もさらりと読める上に、後味が良いので満足できました。

    特に好きだったのは「透明ポーラーベア」と「百瀬、こっちを向いて」です。
    オススメ度の高い短編集でした。

  • 男性作家6人の恋愛短編集。
    有名な作家さんともあってどれも秀悦なのにびっくり。切り口もそれぞれで様々な恋愛模様が垣間見られたのがいい。

    伊坂幸太郎さんはやはり安定の面白さがあるし中田永一さんは再読でもぐっとくるものがあって。胸にじわじわと切なさが迫りくる本多孝好さんは初読みだったけどかなりお好み。アンソロジーという形式、悪くなかった。

  • それぞれに人気のある男性作家6人が恋愛を綴ったオムニバス。短編集を読んで気に入った「百瀬、こっちを向いて」が収録されていたということで興味を持って詠んでみた。姉の元カレと動物園で再会するところから二組のカップルと姉の関係をコンパクトに描く「透明ポーラーベア」、幼なじみに失恋の痛みを打ち明ける「魔法のボタン」、スタバで9年ぶりに同級生に再会する「卒業写真」、可愛い同級生と恋人のふりをするハメになった冴えない高校「百瀬、こっちを向いて」、電話は週3、デートは週1、ルールを決めて恋愛する「突き抜けろ」、5年の結婚生活の後、離婚を決めて最後のディナーを共にする「Sidewalk Talk」。
     短編なので、それぞれシンプルなシンプルな顛末の小品だが、人気作家達だけあっていずれも上手い作り。初見であればやはり、「百瀬、~」が最も気に入っただろうが、他の作品もなかなかの出来。石田衣良・伊坂幸太郎はやはり上手いし、最後「Sidewalk~」も切ない上に読後感のいい作品で、気持ち良く本を閉じることが出来る。

  • 一番好きな恋愛短編小説。一番最後のsidewalk talkは、購入してから10年弱経った今でもよく読み返しています。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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