苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

著者 :
  • ダイヤモンド社
4.30
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本棚登録 : 12040
感想 : 849
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478107829

作品紹介・あらすじ

2019年7月2日、「丸亀製麺を復活させた、刀の意外な戦略」記事で話題になった一冊。

「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩むあなたに贈る必勝ノウハウ。
悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる!
USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。
後半の怒涛の展開で激しい感動に巻き込む10年に1冊の傑作ビジネス書!

感想・レビュー・書評

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  • いや~これは面白かった。志のある全てのビジネスパーソンにオススメできる作品です。タラレバの叶わぬ願いですが、この本に20代の頃に出会っていれば私の人生も変わっていたかもしれません。少し大げさか(笑

    著者の森岡さんは、ジリ貧のユニバーサルスタジオジャパンを総合戦略やマーケティングで短期間の内にV字回復させた立役者です。まさにスーパービジネスマン!

    私は、USJの復活の過程を大阪で過ごしていました。大阪に赴任したときにはUSJなんて気にも止めず、さしたる興味をもっていませんでした。が、数年後には元旦を家族でUSJで過ごすまでにハマってしまいました。休日は人気があり過ぎて人だらけ。元旦は意外にすいているとリサーチまでしたんですよ。今思えば私も完全に森岡さんの策略にはめられた一人ということですね(笑

    以前からUSJを人気テーマパークに復活させた中途入社のプロがいたということはメディアなどで聞きかじって知っていましたが、実際どのような方なのかは、本書で初めて知りました。そんなスーパービジネスマンが、就職活動を控え自分の人生の進路に思い悩んでいるであろう娘に書き連ねたメッセージが本書のベースとなっています。

    自らの人生経験を赤裸々に伝えてくれつつ、将来や仕事のことを考える際の「考え方(フレームワーク)」を教えてくれています。

    以下印象に残った内容を記しておきます。
    ・現実を見極め正しい選択をすることで人は目的に近づく、重要なのは現実を生み出している構造を明らかにすること。
    ・自分のなかに軸をもつ。軸とは基準となるもの。複数もありうる。
    ・人生において自らコントロール可能な変数は、1己の特徴の理解、2それを磨く努力、3環境の選択 の3つのみ。
    ・強い人間は、環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変えるか、そのどちらかができる。

    その他にも大変興味深い考え方を教えてもらいましたが、やはり感動したのは、本書のタイトルにもなっている第5章ですね。まさに森岡さんの苦しかったときのはなし。ネタバレになりますので控えますが読み進めつつ大きな共感を禁じえませんでしたね。

    日本は今や弱い国になってしまいました。経済大国、今は昔。ビックマック指数というのがありますが日本は33位の約400円、27位韓国が440円で、1位スイスは倍804円。日本はグアテマラとほぼ同額です。この事実をどれだけの日本人が認識しているでしょうか。

    本書はそんな経済ジリ貧の日本復活の処方箋が描かれています。日本人よもっとしたたかに強くなれ、そんなメッセージをこの作品から受け取りました。

    • 傍らに珈琲を。さん
      TAKAHIROさん、こんにちは!

      この本は読んでいないのですが、森岡さんはテレビのインタビュー番組、密着番組で釘付けになりました。
      その...
      TAKAHIROさん、こんにちは!

      この本は読んでいないのですが、森岡さんはテレビのインタビュー番組、密着番組で釘付けになりました。
      その時にまず、どんな年代の方にもまっすぐ真摯に向き合う姿勢が素晴らしいと思いました。
      相手がまだとても若くて、投げ掛ける質問でさえ未熟であったとしても、その姿勢は変わりませんでした。
      それにユーモアもある。
      ターゲットの掲げ方も具体的で、そのターゲットに対してどのようにアプローチしていけば良いかも明確。
      そしてその熱量。
      テレビ番組を通してでしたが、こちらも何かに掻き立てられるような思いでした。

      仕事をしていると、森岡さんレベルではないにしろ、似たような方と稀にお会いできる時があります。
      その方とお話しているだけで、私ももっと出来るんじゃないか、そうだ、こうしてみよう、ああしてみよう、とモチベーションを上げてくれる人。
      曖昧だった目標が明確になってきて、頭の中がクリアになるような人。
      そんな方に出会えた時は、チャンスを狙って度々お話をさせて頂きました。

      森岡さんのお話って、へ~すごいな~で終わらずに、森岡さんの話を読んだり聞いたりした人間まで動かす力があると思うので、本当に凄いですね。
      自分ももっとこうしてみよう!って、延いては自分自身の事も今より好きになれそうな気さえします。
      2022/11/27
    • TAKAHIROさん
      傍らに珈琲を。さん

      コメントありがとうございます!
      森岡さんて、けっこうテレビに出てるんですね。知りませんでした。興味あるので私もユーチュ...
      傍らに珈琲を。さん

      コメントありがとうございます!
      森岡さんて、けっこうテレビに出てるんですね。知りませんでした。興味あるので私もユーチューブか何かでチェックしてみます。

      本の印象ではとにかく熱いヒトですね。働いて思うのですが、今の時代の若者(Z世代などと言われてます)はこういう熱さや一生懸命さなんかが前面に出て
      しまうと敬遠されると感じてます。
      私なんかは単純なのですぐ感化されるのですが(笑)

      傍らに珈琲を。さんさが見た森岡さんの印象から推測するのですが、心に熱さを秘めつつも、暑苦しさが表に出ていない真摯さを演出し自らをブランディングされているのかなと、非常にクレバーな方ですね。

      ところで、傍らに珈琲を。さんのコメントの最後の言葉がら印象的でした。
      私も自分自身の事をもっと好きになれるようになりたいです。自己肯定感てめちゃくちゃ大事ですよね。やりすぎるとナルシストですが(笑 では

      2022/12/03
  • ◆◇━━━━━━━━━━━━
    1.この本を選んだ目的 
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    何かでこの本が紹介されていたことがきっかけです。
      
    ◆◇━━━━━━━━━━━━
    2.概要
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    筆者の森岡さんが娘さんへ本という形で間接的に伝えたいことをまとめたもの。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━
    3.感想
    ━━━━━━━━━━━━━◆
    面白い本でした。
    自分自身と向き合うことをおろそかにしている人に向けたメッセージとして、響くものがあると思います。
    序盤の「自分自身を知るための努力」なんて、キーワードは、なかなかに考えさせられると思います。

    パークペクティブとか、バイアスという言葉が、10代の段階で常に頭の端っこに置いてある状態が理想的だと思います。なので、こういう本は、10代で読むべきで、そこから、自分の考えを導き出していくように、考える時間と行動をとっていくことが大切だと思います。
    ぜひ、若いうちに、読んでほしいです。

    身近な人から、考えることを、しっかり教えてもらえることは、早い段階で他者よりも優位な立ち位置になるだろうな〜と感じるとともに、いかにして、考えることに興味を持たせていくかは、親として難しいミッションだろうか〜と感じました。

    娘さんがどう捉えて、どう感じて、どう行動したかを別冊で出してほしいた思いました。

    自分の世界観というものは、いくつになっても大きく変わっていない気がします。会社をいくつ変えても、学びをより深めても、海外旅行に行ってみても、劇的に変化したとは感じられていないのは、思考のベクトルが少ないことに起因しているとわかっています。

    そして、人生の半分を過ぎたところで、あらたに自分が目指すものがなんであるのかをしっかり頭に置いて、また、一歩を歩んでいかなければならないと、考えさせてくれる本でした。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━
    4.具体的にどのような点を学習したか?
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
    残りの人生を選択する時の軸となるものを考えた。

    ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━
    5.具体的にどのような行動をするか?
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
    仕事以外で、多くの目標設定をして、自己評価をしていますが、それは1、2年先までです。
    人生残り40年と定義して、あらたな目標を定義する。

    ■残りの人生の目指すべきものを明確にする。
    ■必要な行動を定義する。
    ■期日を定める。

    本を読むことだって、1年間に70冊だと、あと、2800冊しか読めないです。

    • Sintolaさん
      MANIDEさん、2800という数字は、非常に少なく感じられますね。精一杯本を読んで勉強しても、私たちが知ることのできる世界はほんのひとかけ...
      MANIDEさん、2800という数字は、非常に少なく感じられますね。精一杯本を読んで勉強しても、私たちが知ることのできる世界はほんのひとかけらであり、人生の終わりに「後悔」する可能性は高いです。ただし、計画を立て直して決意を新たにするのは、どのタイミングだって良いはずです。(日日是好日という言葉が示すように)
      年間何万冊も新しい本が出版されているなかで、MANIDEさんに選ばれし2800冊がどれも素敵な本であることを願います。
      2023/06/15
    • Manideさん
      sintolaさん、コメントありがとうございます。

      そうなんですよね〜
      もう、それだけしか読めないんだな〜と感じています。

      そうですね、...
      sintolaさん、コメントありがとうございます。

      そうなんですよね〜
      もう、それだけしか読めないんだな〜と感じています。

      そうですね、大切に一冊を選ばないといけないですね。
      ありがとうございます。
      楽しみながら、本を読んでいきたいとおもいます(^-^)
      2023/06/15
  • だいぶ前から読みたいと思っていて、やっと読めた。

    もうこんな歳だけど、今から強みを生かせるでしょうか、となんだかすがるように読んでしまった。

    本書は、森岡さんが就職活動に悩む娘さんへ書いたものが書籍になったということで、その年代の人たちにはかなり刺さる内容だと思う。私もその頃、こういったことを知っておきたかったと思う。とはいえ、今の私が読んでも充分に学びのある内容で、新卒の就職だけでなく、転職や起業で悩む人にもオススメできるものだと思った。

    ・・・さっき、この本を若い頃に知りたかったと書いたけれど、本音を言うと、あの頃の私が読んでも、本書の内容は30%くらいしか伝わらなかったのではないかとも思う。なんなら、「けっっ」と反発さえしていたかもしれない。
    というのも、森岡さんが指摘するとおり、私は、本当にのほほんと何も考えず、労働者という歯車を生み出すための日本の教育システムにまんまとハマり、目の前に敷かれたレールしか見ておらず、そのレールに沿ってここまで、どんぶらことここまでやってきたタイプだから。あの頃の私には刺さらなかっただろうな、と思うと、今がそのタイミングだったと思って、学び直し!です!

    今まさに、毎日、毎週、毎月、毎年のスピードが速くなる中年と言われる年代に突入し、これまで一体何をしてきたのかと我ながら恐ろしくなるほど何の職能も身に着けていないという状況になっているのだが(私が所属する組織も、日本の多くの組織と違わず、数年での異動を繰り返し、スペシャリストよりゼネラリストを黙々と生み出す組織なのだ。)、本書に従って、頭と心をフル回転させてみた。

    ふむふむ。

    ・自分の中に基準となる「軸」を持つ
    ・成功は必ず人の強みによって生み出されるのであって、決して弱みからは生まれない
    ・資本主義の本質とは何か
    ・会社と結婚するな、職能と結婚せよ
    ・コントロールできる変数は3つだけ
     「己の特徴の理解」「それを磨く努力」「環境の選択」
    ・日本の教育システム

    ふむふむ。なんとなく最近やっと見えてきたような社会構造など、簡潔に説明されていて、かなり理解できた。この歳になってやっと戦う場所がどんなところが見えてきたってもんです(笑)

    そして、私は、えっと、Tタイプの人間だな。ふむふむ。方向は大きくは間違ってなさそうだな。え?自分をブランディングする?考えたことなかったけど、確かに筋道立てて自分をブランド化して売り出すって、基本的なことなのかもな・・・

    などなど、得るものは多かった。そして、話し言葉なのでわかりやすい。

    読み応えがあったのは、やはり第5章「苦しかったときの話をしようか」だった。P&Gに就職してからのオーバーワークや自分への自信喪失から電話が取れなくなって、おそらく限界地点ギリギリでの上司への直談判。それから、P&G米国本社での苦労はもう、ぜひ本書を読んでいただきたい。私みたいな弱い人間は読むだけでもう心がポキッと音を立てて割れた。実体験をした森岡さんの強さに驚愕。ここも限界地点ギリギリだったと思うけれど、最後の最後に森岡さんを奮い立たせた考えが、ここで自分が逃げたら、今後P&Gジャパンから米国本社へ日本人が来れなくなる、日本人がバカにされるという思いだったとのことで、人って自分のためより人のための方が強くなれる気がする。なんてちょっとズレた感想を持った。この章だけでも、この本を読む価値はある(え?ここ?森岡さんが伝えたいことのメインではないんでない?というツッコミはなしでお願いします)。

    「迷ったときは厳しい方をとれ。コンフォートゾーンを抜けなければ、力は発揮されない。」

    戦国時代の武将が今、ちらっと見えた気がする。やはり世に出る人は違う。コンフォートゾーンどころか、ずっとぬるま湯に浸かっている私なんぞ、そりゃ・・・(以下省略)。

    やはり森岡さんは変人だ。色んな意味で普通ではない。かなりの戦略家だし、凝り性だし、野心家だし、いわゆる頭のいい人だ。みんながみんな森岡さんのようにはなれるわけではないので、できることは真似しよう。森岡さんの知識を盗めるなら盗もう。そういったスタンスでいい、とは思う。それでも、やはり、就活時期の若者には是非とも本書を読んで、まずは自分を良く知ること、そして軸を持つこと・・・と進んで実践していくことをオススメしたいと思う。素直に読むことができたら、きっと大きな財産になる。

    「おわりに」にあった、「やりたいことを考えないことや我慢することがデフォルトになっている社会を、それぞれの”欲”に対して素直に旗を立てて進むことが当たり前になる社会に変える」という言葉に森岡さんの使命感の強さを感じた。

    • Manideさん
      URIKOさん、はじめまして。

      よくわかります(^^)
      あの頃の自分が読んでも…きっと、響かないというのは、わかります。いろんな経験を積ん...
      URIKOさん、はじめまして。

      よくわかります(^^)
      あの頃の自分が読んでも…きっと、響かないというのは、わかります。いろんな経験を積んだからこそ、その言葉が伝わってくるんでしょうね。

      きっと、あの頃にも何かしら考えていることはあったんでしょうね。若い時は若い時で、別のことに悩み、そして楽しんで生きてきたんだろうな〜と、思います。

      私は、今更、何をもがいているんだと、自分を否定する自分がおりますが、新たな目標に向かって進んでいきたいともがいています(笑)
      2023/06/08
    • URIKOさん
      >Manideさん
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      共感していただけてすご~く嬉しいです。
      そう、あの頃もあの頃なりに何...
      >Manideさん
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      共感していただけてすご~く嬉しいです。
      そう、あの頃もあの頃なりに何かを考えていたんでしょうね・・・(笑)

      わかります、わかります、「今更」と思ってしまう気持ち。でも、時間は戻らないんだし、もがきたいなら、今からでももがいていいんですよ!
      今日が一番若い日なんです(←受け売り)。新たな目標に向かっていきましょう!
      2023/06/09
    • Manideさん
      いいですね、今日が一番若い日!
      楽しみながら頑張っていきましょう(^-^)
      いいですね、今日が一番若い日!
      楽しみながら頑張っていきましょう(^-^)
      2023/06/09
  • 静かで熱い、本だった。読んでいて何度も「もう少し若いうちにこの本に出会えていたら」と思ったが、その度に「人生で一番若いのは“今”だ」と打ち消した。変化には時間がかかる。コツコツやっていこう。ただし、戦略を持って。

  • 森岡さんの本は、『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』以来2冊目。

    もっとも読み応えがあり、本のタイトルにもなっている第5章では、P&G時代の苦労話が語られる。P&Gジャパンからグローバル本社に抜擢されることは大変レアケースだったらしく、米人の同僚、配下から執拗な嫌がらせに会い、自信喪失しかけたところからの再起のストーリーがかっこいい。剛腕で鳴らす筆者でもそういう時期があった、というのは逆に励みになる。

    フィジークという、社長肝入りの大失敗ブランドの責任者に据えられ、自分が信じられないものをひとに信じさせなければならない立場に追い込まれた時のしんどさは察して余りある。程度の差はあっても、組織の中では似たような話は多いだろう。

    元々は我が子のために書き溜めた文章ということで、若者への応援歌的な内容だけど、戦う気概のない人からすると少々暑苦しいかもしれない。(そういう人は、そもそもこの本に手を伸ばさないだろうけど)

  • USJをマーケティング面で再建させた元P&Gマーケ 森岡さんの本。
    森岡さんの本は、何冊か読んでみます。

    ※USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4041041414#comment

    ※誰もが人を動かせる!
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/429610800X#comment

    この本も中々の濃密な本なのですが、
    この本自体が著者の娘に向けて書かれたメッセージが
    本になったこともあり、
    特に将来設計を考え始めた大学生とかに特に読んでもらいたい本です。
    森岡さんの壮絶な?人生経験が書かれたパートが一つの読みどころで、
    ここを読むだけでも(追体験するだけでも)、
    この本を読む価値はあるんじゃないかと思います。

  • 恐らく誰もが感じる社会人デビューして体験する地獄の日々。
    精神的に追い詰められながも必死に答えを探し進み続ける筆者は強いと感じた。

    さらに親になり子どもに生きる意味を見出す。
    誰かのために生きる大切さ、生きる目的、頑張る理由で人は強くなれる。

    この著書は親バカが娘に少しでも良い人生を送って欲しい思いが詰まっている。

    ただ、筆者の経歴は一般的でなくキャリア形成の成功者である。
    本の随所にピンチが訪れるが上手く切り抜ける実力がある場合のストーリーである事を忘れてはならない。

    あとマーケティングに興味がない人には蛇足がある。

  • 自分だけのキャリアの形成方法を、著者の体験に基づいてアドバイスをくれる本。

    著者自身が仕事人間で熱いけれど、特にそれを人に押し付けるような印象がなく、自分の軸(どうありたいか)に合ったようにと、寄り添ってくれるのが好印象でした。

    将来どうありたいかを今一度点検しなおしたいと思う。

  • 森岡さんが娘さんのために将来や仕事のことを考える際に役に立つように書いた「虎の巻」。正直言ってマーケティングの考え方は少し難しかったが、なるほどと納得することが多かった。ビジネス書とは思えないくらい森岡さんの熱い想いが伝わって来る。特に第5章と第6章。

    心に残った言葉。
    ・自分のことを知っている度合いをSelf Awarenessという。日本の最大の課題の一つは、このSelf Awarenessの強い子供をもっと増やしていくことだと思う。小学校へ入学してから大学を出るまで16年間もあるのに、自分が何者で、どんな特徴があって、どんな時に幸せを感じるから、どんな職に就いて、どのような人生を送りたいか、そういうことをほとんど考えさせない。高校時代に文系か理系かを選ぶ際にも、己の内面を問うことをスキップして、その時点で数学がどの程度できるかで半自動的に決まってしまう。進むべき大学や学部も、受験の合否と偏差値による世間評価との相場観で、それほど悩まなくてほぼ受動的に決まっている。結果、Self Awa renessが未成熟なまま、己の軸がない状況のまま就活が始まる人が多い。

    ・キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている特徴を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。






  • 周囲の空気や圧力に流されず、本当に必要なことに集中して仕事の成果を出し続けたストーリーの数々。受話器が取れなくなった体験、ブラジル訛りの英語による渾身のプレゼン、社内で相当上の立場の人にも噛みつく話など、多くの伝説を生み出している。そして筆者は、崖っぷちまで追い詰められた時に、絶対に逃げず、底力を発揮して突破している。

    持ち前の無骨な精神を生かし、あらゆる困難に立ち向かい泥臭く突破するのだが、「ここまでやるか?愛する家族のためここまでできるのか!?」という驚きの連続であった。

    資本主義における労働者搾取の構造、学歴社会、社内出世事情なども、ズバズバと直球で分かりやすく語りかけてくれる。何となく就活をしている学生、何となく大企業に就職したがくすぶっている人、人生100年時代のキャリアプランを考えな直したい人にはおススメの一冊である。


  • 職業選び、人生の設計など、自分の本質を理解するために役立つ内容でした。

  • 「悪人正機」と同時期に交互で読んでいた一冊。
    駅前の本屋さんで手に取った一冊なんですが、
    手に取ったきっかけは…思い出せない。苦笑
    でも、私にドンピシャに刺さる一冊でした。

    読書って本当に不思議で、
    自分が欲しているものや、考えたいことが、手元に来る。
    読書ってすごいです、ほんとに。

    本書は、
    著者の森岡さんが
    就活を控えた娘さん宛に書いたものらしいのです。
    今読めただけでも十分幸せですが、
    欲を言えば私も大学生のときに読みたかったです。苦笑
    今読んでも十分刺激をもらえましたが、欲を言えば。苦笑

    とても厳しい現実を書いてる部分もありますが、
    叱咤激励のように熱く背中を押してくれる一冊です。

    自己研鑽を怠ってはいけないが、
    正しい努力(自分の強みや特徴を伸ばす努力)をしなければいけない。
    職業を決めた時点で年収は決まる、
    突き抜けるためには資本家にならなければいけない。

    もう心も耳も頭も痛くなることばかりで、
    有給消化中にのんびりアニメを見ている私は、
    罪悪感と不安でいっぱいになりました。苦笑

    レビューを書くのは得意じゃないし、
    だいぶ時間が経っているので、読み返すと、
    (頭の中に残ってない証拠ですね。泣)
    ぞわぞわと来る一冊です。苦笑

    定期的に読み返して(再読もパワーがいるの。苦笑)、
    怠けそうになる自分のお尻を叩こうと思います。
    この本も、付箋がいっぱいです。

  • おもしろかった。
    これを就活時に読んでいたら、私はどうしただろうか。
    今思えば、私はこの本の著者が絶対NGとしている態度で就活して、ただのラッキーと偶然が重なって、とても素敵で自分にぴったりの会社に就職したけれど、この本を読んでいたら、違う会社を選んだだろうか。分からない。読まなくて逆に良かったのかもしれない。
    でも、私の場合はただラッキーだっただけなので、就活生はきっと読んだ方がいいと思う。

    あと、最初の1年は本当にキツかった記憶があるけれど(今思えば何がキツかったのか全然わからないくらい甘い環境だったのにもかかわらず、です)、以下の文章は大きく頷いた。私も働く前に聞きたかったな。
    「社会人デビューとは何か? それまでの集団ではそれなりにできていた自分が、新しい集団の中では一番できない人間になること、とも言えるのではないだろうか。心の準備と覚悟がいるのは、そのギャップが巻き起こす衝撃と不安と苦しさに対してではなかろうか。むしろ雑草育ちの私よりも、高偏差値の学校を勝ち抜いて来た学業秀才の人であればあるほどギャップは大きいだろう。」

    著者の「苦しかったときの話」は、想像をはるかに超えて、本当に苦しい話だった。あれを自力で乗り越えられる人はなかなかいないんじゃないかなぁ。ものすごく尊敬した。私だったら会社やめてすごすご日本に帰ってる。またはバカにされたまま、同僚たちにこびへつらっているかも。本当にすごい。なんて素敵なんだ。

    しかし、就活を前にした娘がお父さんからこんなメッセージ頂いちゃう、っていう状況が、うちの家族とあまりに違い過ぎて、まったく想像できない。私が娘だったら、どうリアクションしたんだろうか。いやもうまったく想像できない。
    「大草原の小さな家」を現代に持ってきたらこういう形になるんだろうか。お父さんがとっても頼りになるという意味で。

  • 20代の頃に読みたかった…

    途中、横文字も多いしちょっと難しくて挫折しそうになったけど森岡さんのしんどかった時の話がとても心に響きました。

    目的や将来のビジョンもなく、ただ何となく働いている自分に「今からでも遅くないんじゃない?」とお尻を叩かれた気分です。

  • 大学生か新卒の時に読みた買った本。
    資本主義社会の仕組み。
    そもそも稼ぐとはなんなのか。
    仕事とは。
    仕事とお金、そして社会について本質的に学べました。

  • 全6章で構成。第5章がこの本のタイトルと同じ題名で、自分としてはなかなか良い。人の不幸は蜜の味なのかもしれない?でも森岡さんでもそのような苦しんだ時代があったんだと、自分への励ましになる。あとは、第6章。この本のまとめとして一番。そこは触れないことにする。ただ、やはり最初から読むのが良いかな。
    大学の卒業を控え、社会人になるうとする娘へのメッセージとして書かれたものだが、すでに社会で闘っている大人でも読むことを是非お勧めしたい本

  • 私にも娘がおり、もう娘が生まれれきてくれた時のことを思い出して泣けてきます。
    自分の強みで勝負しよう、自分ブランドを作っていこう、親の私にもささります。
    私もこんなビジネスの会話や娘を信頼してくれる家庭に生まれていたら違っただろうとも思う。けれども人間は平等じゃない。痛いくらいわざわざはひどい家庭環境だったからわかる。だからこそ子どもたちには会社と結婚するな、職能と結婚せよと言っていきたい。

  • p.136
    思考力に優れた人間は、頭が良いので、どの職能においても成功する確率が高い。仕事を覚えるのも早いし、仕事を要領よくソツなくこなし、今までのやり方に改善点を見いだすのも得意だし、習得可能なスキルレベルの天井がずっと高いところにあるし、はっきり言うと全て有利に影響する。ビジネスの世界に進んでも頭脳に秀でた人材は広く重宝されるが、その場合はいかに早くビジネスに役立つ戦略的思考力を身に付けるかが重要になるだろう。

    p.150
    ナスビには、ナスビに適した土壌があるということだ。ナスビを合っていない土壌の事情に無理矢理合わせたり、ましてきゅうりにしようとしてもダメなのだ。それをやってしまうと、ナスビはただ残念なナスビになってしまうだけだ。自分がナスビなら立派なナスビへ、きゅうりなら立派なきゅうりになるように、ひたすら努力を積み重ねれば良いのだ。
    自分の特徴をよく知って、強みを磨いて、その強みがより生きる文脈へ泳いでいけば、君が持って生まれてきた可能性はきっと大きく花開くだろう。

  • ・好きなこと、自分の強みを認識する
    ・それを磨く事に努力する
    ・環境を選択する
    ・資本主義→資本家が儲ける構造
    ・本質→構造→現象 を意識する。何事も現象に捉われず、本質・構造をみる
    ・株式売買の分析→企業のマーケット需要、シェアの持続性 →売らなくて良い株、買うタイミング→暴落した時に買う
    ★すること
    ・my brand設計
    戦う場を決める→who ターゲット(戦略+コア)→what (便益+reason to believe)→how(どうやって? +ブランドキャラクター)

  • ライフシフトに影響され、人生100年時代に合った働き方を模索する中、尊敬する森岡さんがキャリアの本を出されたので、つい。
    専門性のある職能を身に付けろという趣旨で、ローテの多い日系大企業での総合職&器用貧乏な自分には耳の痛い話も多いですが、ピシリと言われて良かったかなとも感じます。

    そして、森岡さんがこれまで大変な苦労や努力をされてきたことがよく分かりました。
    正直私には森岡さんのような猛烈な生き方・働き方は出来ませんが、my brandは参考にしたいなと思いますし、早い段階で自分のことをよく理解しておくべき、だというのが肝と感じます。

    他人と比較して優劣を決めるのではなく(何事も上には上がありますので)自分の中で得意なものを大切に磨きまくろうと思います。

    読み物としては最後のお仕事での実体験のパートが生々しく最も面白かったです。

  • こんなに良い本だったとは…早め読めば良かった。

    昨日と差がない日を100日過ごしても問題は解決しない、資本主義は無知に罰金を課す仕組み…刺さることだらけ。搾取される側にいた事を意識もしていなかったと改めて気づいた。環境は選べる!自分を知った上でどんな環境に身を置くか?

    また森岡さんの、子供が指を握ってくれた時の全能感のエピソードには感激した。男性もこんな風に思うのか。自分の父もそう思ってくれたのかもしれない。だからこそ、自分も自分の魂を燃やして生きるし、子供にも親孝行のことは忘れて精一杯生きてほしい…そう思わされた。大切な人に勧めたい1冊。

  • 物事にはタイミングが重要と言われますが、、、。
    この本ほどそれを強く感じたことはありません。
    就職活動の時に、いや、高校生くらいの時に、この本と出合っていたら、今とは違う人生を送っていたと思います。
    20歳でこの本の内容を知って行動した人と、40歳で知って行動した人。その差20年!(キャリアの20年って大きい('Д'))

    ”君がコントロールできる変数は、①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択、最初からこの3つしかないのである”

    まさに、コレ!
    キャリアを築いていく上で、最も重要な考え方はこの言葉に集約されているのではないでしょうか。

    本の中では、自分の強みを探すためにワークがあります。(本に書かれている通りにやるだけです)
    大まかにT(Thnking)、C(Communication)、L(Leadership)の3タイプに属するというものです。(全部持ってるとか、2つ持ってるとかもある)

    私の場合、明らかなTタイプなのですが、時代的にCがもてはやされていたこともあり、「Cが得する!」と間違った思い込みをしてしまったんですよね。自分の性格にCの要素を持つことが成功への近道だと勘違いし、長年生きてきました。
    営業とか、全く性格に合わないのにやって、心が折れたり、、、。
    人生の暗黒時代を数年過ごしてきましたが、そりゃ苦しいわけです。
    あるものを積んでいくのではなく、マイナスをゼロにする作業なんですから。(本を読みながら戦略が間違っていたと痛感)

    Tを伸ばすことに注力していたら、今とは違った世界が見えていただろうに、、、。
    覆水盆に返らず、とはこのことですね。

    こちらの書籍は、マーケター・戦略家としてキャリアを積んできた著者が就活で悩んでいたお嬢様に向けて書いた本です。
    どのようにキャリアの戦略を立て、積んでいったのか。
    どのように苦難を乗り越えていったのか。
    著者の思想・哲学だけでなく、具体的な行動指針、経験談を交えて説いてます。
    (読者の方が知りたいのは後者なんじゃないかなーって思います)

    自分の就活には間に合いませんでしたが、子どもの就活には間に合う!
    と、いう事で、子どもが就活に悩んでいたら、この本の内容を伝えてあげるといいのかなって思いました。
    もしくは、本をプレゼントしてもいいかもしれません。
    それだけでも就活に悩んでいるお子さんは救われるのではないでしょうか。

  • 自分の才能を最大限に発揮できる職種を選ぶべきである。現代社会は資本家にとって都合の良いようにできているので、大金を稼ごうと思うと資本家になるのが最も近道である。自分自身のスキルを磨くことが永遠の財産となる。

  • ■独自要約(見返したいポイント)
    ~強みを活かして生きる~
    充実感のある人生にするためには、自身の宝物(強み)を武器に生きていく必要がある。
    なぜなら、人間は皆、能力や性質に凹凸があり、強みの部分を生かすことで他者に対する貢献を最大化できるから。(ここでは「貢献感=幸せ」と定義)
    そのために自分がコントロールできる変数は3つ。
    ①自己理解(自分の宝物は何なのか)、②自己成長(その宝物をいかに磨くか)、③環境選択(どこで宝物を生かすか)
    自分の宝物(強み)が何であるのかを分析するためのカテゴリ要素も3つ。
    ①T要素(Thinking)②C要素(communication) ③L要(Leadership)
    強みをある程度理解したら、その強みが活きる職種・環境を選択し、仮でも良いので「人生の目的」を立ててみる。
    ※人生の目的:強みを生かして、社会とのつながりの中でどんなことを成し遂げたいか、やっていきたいか。
    さらに、「人生の目的」を達成するためには自分はどんな人間として認識されるべきか、自分のブランドイメージ(ブランドピラミッド)を作る。
    ※ブランドピラミッド:「何ができ、どんな結果を出し、どんな人間であるか」ということが、狙った特定の人間に伝わるためのイメージ
    ここまでが、自分が「強みドリブンで生きる」ための戦略設計として重要なポイント。
    これらのプロセスを踏むうえで、前提として重要になるのが「社会構造や資本主義を理解し、自身のパースペクティブを広げておくこと。」
    ※パースペクティブ:自身の認識知
    人間は、自身が認識しているものからしか選択をすることができないので、宝物を活かす機会を損失しないよう、社会構造の理解に努めよう。

    ■感想
    5回ほど繰り返し読んでおり、初めての転職の際にも参考にした本。
    この本のおかげで、”会社で選ぶ”のではなく、自分が身に着けていきたい”職能で選ぶ”判断ができた。
    (決めるときは迷ったが、軸が明確になったので決断した後の納得感を強く持てた。)

    森岡さんが周囲に対して劣等感を感じ、苦しかった時の話が書かれており
    「輝かしいキャリアを歩んでいる森岡さんでも、こんな時があったのか」と驚いた。
    どんなに活躍している人でも、同じ人間なので必ず苦手なものはあり、
    違いを生んでいるのは単なる努力量だけでなく「自己理解×強みを磨く努力×環境選択」の3つの変数の掛け算を最大化することができるかどうか、だと認識した。
    後半のエピソード(森岡さん自身が弱みをカバーすることではなく強みを武器にすることで、キャリアが好転した話)があるからこそ、前半部分のキャリア論に信憑性が増している。

    キャリアに悩んだときや、仕事が行き詰まった時に繰り返し読みたい一冊。
    それにしても、P&G時代に単身アメリカに渡った時のエピソードはスゴイ…。森岡さんの生物としての強さを感じる。
    3つの変数のうちの一つである「環境選択」において、飛び込むのにビビってしまうことが今後あったら、
    このエピソードを読み返せば背中を押してくれると思った。

  • 私と同世代の著書が、就活を向かえる20代の娘のために書き溜めてきたメモを本にしたもの。

    前書きにもありましたが、そのメモを見た編集者が、これは全ての世代のビジネスパーソンに響く内容と感じてすごい本になる!と確信し、出版に至った本。

    たしかに、その通りの内容でした。

    自身のキャリアを改めて振り返ることや、自己の能力に対する認識や、自分が身を置く環境の理解なと、様々な視点を改めて理解させてくれます。

    何より、もともと娘へのメッセージですので、ものすごく愛があり、勇気を与える言葉が詰まっています。

    自分自身も、親であり、著者と同世代のビジネスパーソンであり、プロとして社会の役に立ちたいと思っている者です。

    私と同じように、既に社会人としてのキャリアが長いひとにとって、本書は「働くことの本質」を考え、深め、振り返られる、そんな一冊だと思います。

  • どんな職能に就きたいとか、どの会社に入りたいかなんか具体的に見えなくて良い。
    理想の状態を考えて、それに向けてのスキルや経験が学べるかが重要。
    「理想状態からの発想法」

    転職をする上でとても参考になった本です。著者のハードな経験も踏まえて、中身の濃い、思いが伝わってくる本でした。こんな親父がいたら良いなあと思いつつ、自分の肉親だったら、そのありがたみが分からないだろうという気もします笑。

  • 新卒就活の時一度読んだけど、ピンとこなくて諦めた本。
    社会に出て3年、転職を考える20代半ばでもう一度手に取ってみました。森岡さんのいう「社会の残酷さ」がリアルで、特に「自分が信じれないものを人に信じてもらわないといけないこと」「自己存在価値を失ったこと」が、私が感じた辛い時のことと全く同じでした。社会人になって辛くなった人に特におすすめしたいです。

    仕事で活かすべきは、自分の得意なこと。
    自分の得意なことは、自分の好きなことの中にある。
    「好きこそものの上手なれ」だし、1番のモチベにもなる。
    その考えが前提にあった上での「自己マーケティング、ブランディング」して戦略的に生きていこうってこと。目から鱗でした。(Tスキル、Cスキル、Lスキルを中心に。)

    今の世の中、世間で言う「いい道」のレールが崩れ出してて、一つの企業にずっといることが正ではないし、大企業が正でもない。企業にしがみつかずに自分のスキルを伸ばして、広げて生きていくこと。失敗しながら、不安になりながら挑戦すること。それが強さ。それが成長。私もこんな生き方がしたい。

  • 職場の同僚に借りっぱなしで積ん読してました...ゴメンナサイ。
    自己分析すると確実にT(Thinking)の人...。C(Communication)は弱め。L(Leadership)はまあ普通か...。
    学生や社会人になりたてぐらいに読んでおくと良い本。娘に送ろうっと!

  • 壮絶な苦労と努力でそれを克服していく姿が、率直に、切れ味良く、痛快に記載されていて興奮します。興味深く、面白くためになります。また、娘さんへの愛も深く感じます。

    読んでいるときは、非常に学びになる充実感があります。読了後、ふと自分自身のことを考えてしまい、鬱症状的な精神状態になる副作用もありました。

    おそらく、森岡先生の英雄的な精神・行動と自分を無意識に比較してしまい、そのギャップを、無意識に受け止めてきれない心境になってしまったからではないかと推測します。

    自意識過剰にならず、人は人、自分は自分である事実を再認識すると、読後に訪れる、自分の心の的外れな反応から、早めに立ち直れるような気がします。

    • こまつなさん
      丁寧なコメント誠にありがとうございます。杉浦さんの人柄を感じます。
      10年以上前に、30通の手紙も読んでおられたのですね。大先輩ですね。
      ...
      丁寧なコメント誠にありがとうございます。杉浦さんの人柄を感じます。
      10年以上前に、30通の手紙も読んでおられたのですね。大先輩ですね。

      30通の手紙は、大学生から社会人10年目ぐらいの成長時期を中心に、特に役立つ内容を扱っているように思いますので、ちょうど、今の時期に復習すると、新たな気づきがあり、面白いかもしれませんね。

      手紙といえば、「手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~」(喜多川泰著)は、ご存じでしょうか。
      こちらは、就活生を舞台に、役立つ内容が書かれており、また、ストーリー自体も大変面白いので、もし、機会があればぜひ、手にとってみてください。
      2022/04/23
    • 杉浦 亮さん
      >「手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~」(喜多川泰著)
      こちらの本は知りませんでした。機会があれば手に取ってみたいと思います。
      >「手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~」(喜多川泰著)
      こちらの本は知りませんでした。機会があれば手に取ってみたいと思います。
      2022/04/23
    • こまつなさん
      喜多川泰さんの本は学びが多く面白いです。
      手紙屋、運転者、賢者の書、君と会えたからなど、どれも楽しく読ませていただきました。
      喜多川泰さんの本は学びが多く面白いです。
      手紙屋、運転者、賢者の書、君と会えたからなど、どれも楽しく読ませていただきました。
      2022/04/24
  • USJのV字回復の立役者、最近では西武園ゆうえんちの立て直しでも知られる著者のキャリア論。
    タイトルを見て、著者の半生から、その経験から感じたキャリアのあり方を述べるもの、という印象がありましたが、実際は、就活を目前にした著者の娘さんが、自分のやりたいことをどう見つけるか、という話から始まる、実の娘に語りかける構成になっています。
    内容としては、実の娘に語っていますが、自分の強みを知る方法、自分をいかにブランディングし、どうキャリアを描いていくか、これは、著者から見て、後輩であったり、若手ビジネスパーソンであったり、これから社会に飛び込もうとする学生すべてが読んでも当てはまる内容です。
    自分の強みや弱みを見つけ、どのように自分の力を発揮していくか、著者の経験から語られる内容は、非常に重いものがあります。ぜひ多くの人に手にとっていただきたい一冊です。

    ▼自分のことを知っている度合をSelf Awareness
    という。日本の最大の課題の1つは、このSelf Awarenessが強い子供をもっと増やしていくことだと思う。小学校へ入学してから大学に出るまで16年間もあるのに、自分が何者で、どんな特徴があって、どんなときに幸せを感じるから、どんな職に就いて、どのような人生を送りたいか、そういうことをほとんど考えさせない。
    ▼結果、Self Awarenessが未成熟なまま、己の軸がない状況のまま就活が始まる人が多い。
    ▼キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている”特徴”を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。

    ▼君がコントロールできる変数は、①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択、最初からこの3つしかない

    ▼具体的”こと”から発想するのではなく、”どんな状態”であれば自分はハッピーだろうかという未来の理想”状態”から発想することである
    ▼”強み”とは、自分の「’特徴’とそれを活かす’文脈’がセット」で初めて発揮される
    ▼”強み”を見つける最大の近道は、社会との関わりで気持ちよかった文脈(≒自分が好きなことをしている文脈)をどんどん列挙することだ。君が”好きなことをしている文脈”こそ、君の特徴が強みとしてすでに発揮されている可能性が極めて高いからだ。
    ▼20年も生きてきたのなら、君の強みは必ず好きなことの中にある。

    ▼どの職能においても重要なビジネスパーソンとしてのコンピテンシー(基礎能力)として分類
    ①T(Thinking)の人:考える力/戦略性が強みになる
    ・知的好奇心が満たされるものが趣味
    ・何らかの課題に対して自分の思考力で問題解決するときの”知的好奇心”と達成感を満足させて走るタイプ
    ・暇になると無意識に課題を設定して頭を使って遊んでいる
    ・知的好奇心をガソリンにして考える力を磨き、より大きな結果を出す、その好循環でキャリアを作っていくのが基本戦略
    ・自分が考えて突き詰める対象に”興味が持てる領域”を選ぶことが何より重要
    ・他人との相対比較においても思考力がそこそこ強いんおであれば、はっきり言って、その人の特徴を活かせる職能はすべて
    ・いかに早くビジネスに役立つ戦略的思考力を身につけるかが重要
    ②C(Communication)の人:伝える力/人と繋がる力が強みになる
    ・人脈づくりが趣味
    ・コミュニケーション能力と社交性が高い
    ・人との繋がりと、その繋がりを広く太く持てている自分自身に価値を置いている
    ・強い対人コミュニケーションを武器に使い、人と人を繋げることで新たな価値を生み出していく職能において秀でていくのが基本戦略
    ・購買決定の最終段階で顧客心理に直接シュートを撃ち込める営業スキルは、企業にとっては売上構築の”最終兵器”であり続ける
    ・伝える能力に特徴を持っている人が多い
    ③L(Leadership)の人:変化を起こす力/人を動かす力が強みになる
    ・達成感を味わうことが生きがいなので、趣味もその嗜好を反映したストイックなものが多い
    ・とにかく挑戦すること、達成することが大好き
    ・高い目的意識で自分が起点となって周囲を動かし、組織に高いパフォーマンスを発揮させる能力を武器にキャリアを切り拓いていくのが基本戦略
    ・人に結果を出させる強みに長けている人が多い
    ・自分を起点に変化を起こすことが得意
    ・人を使う能力に長ける特徴
    ▼避けた方が良いのは君にどんな職能が身につくのか想像がつかない会社だ。

    ▼緊張から解放されるための「ある準備」をしているからだ。「ある準備」とは何か?それは自分自身のブランドである「My Brand」を予め設計しておくことだ。
    ▼「My Brand」の設計図は、キャリアを成功させる3つの効果をもたらす究極魔法の構成式のようなものだった。
    1つ目の効果:プレゼンや面接で緊張することから解放された人生を送れるようになる。
    2つ目の効果:自分のキャリア戦略の最重要な指針として機能する。どんなスキルを開発すべきなのか、どんな業界でどんな実績を積んだ方がブランド(自分)は強くなるのか、都度の判断が明瞭になる。
    3つ目の効果:最初は理想の割合が多かった設計図にも次第に現実の実力が追いつき、結果として自分の名前で勝負できるビジネスパーソンになれる確率を激増させる。自分のブランド・エクイティーが縦に積み上がっていくのだ。
    ▼購買者の頭のなかで自社ブランドが選ばれる確率が上がるようにブランドへのイメージを操作することを「ブランディング」という。そのブランディングこそがマーケターの仕事の核心だ。
    ▼「My Brand」を設計する4つのポイント
    ・Valuable:価値は十分強いか?
    ・Believable:信じられるか?
    ・Distinctive:際立っているか?
    ・Congruent:自分の本質と一致しているか?

    ▼人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき。自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたときだ。周囲の塩評価も、自分で自分を疑い始める導入に過ぎない。
    ▼苦しかった経験の中から学んだこと
    ①Congruency(信念と行動の一致)の大切さ
    ②結果を出さないと誰も守れない

    ▼”キャリア”に対する個の覚醒が必要なのだ。シンプルに言えば、やりたいことを考えないことや我慢することがデフォルトになっている社会を。それぞれの”欲”に対して素直に旗をたてて進むことが当たり前になる社会に変えるということだ。この資本主義社会の構造は、一人一人の成功の積み重ねが、結果的に全体を活性化させるようにできている。そうやって素直に生きていく人は、さまざまな経験を経て、プロとしてのキャリアを成功させ、この社会をポジティブに活性化させる原動力になるだろう。

    <目次>
    はじめに 残酷な世界の”希望”とは何か?
    第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
    第2章 学校では教えてくれない世界の秘密
    第3章 君の強みをどう知るか?
    第4章 君自身をマーケティングせよ!
    第5章 苦しかったときの話をしようか
    第6章 自分の”弱さ”とどう向き合うのか
    おわりに あなたはもっと高く飛べる

    • こまつなさん
      詳しい解説ありがとうございます。学び直しになりました。
      似た本に、キングスレイ・ウォード著「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という...
      詳しい解説ありがとうございます。学び直しになりました。
      似た本に、キングスレイ・ウォード著「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という名作があります。
      森岡先生の本をここまで情熱的に紹介できる杉浦 亮さんならば、きっと、この本も好きなのではないかと推測します。
      このような、父親のノウハウが書籍で読めるなんて、よい世の中になりましたね。
      2022/04/19
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著者プロフィール

株式会社刀 代表取締役CEO

「2020年 『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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