- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480020475
感想・レビュー・書評
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難しい話が多く難易度が高く感じた。
一般人向けに優しい伝え方を希望。
朝に考えて、一晩寝かせて、内容を要約するためにとにかく書き出してみるといい。
という内容は読み取れた -
創作活動をする人、論文を書く人向け。著者からの思考の整理法のヒントが随筆のように書き並べられている。
倉庫のように記憶できる人=優秀な人とされていた時代はコンピューターの出現によって終わった。これからの時代に求められているのは、情報の取捨選択であり、整理法であり、必要な時にそれを取り出し、一次的情報ではなく二次、三次的情報にまで純化させられることである。それらの方法の一ヒントが記されている。
It seems to be からI think へ。情報の羅列から考察へ。
のめり込むような感覚や感動はなかったが、興味深い内容ではあった。また時間を置いて再読してみたい。 -
知識偏重に陥らず新たな視点で創造することを良し、とする前提で書かれた本。
知識偏重にならない、という点では納得。
一方でビジネスにすぐ役立つ、というものではないことも感じた。学生が熟考し、アイデアを出す。論文を出す。そういった観点で書かれていた。 -
得た知識は自分で整理していかないといけない。
知識と現実をつなげ、グライダーではなく、飛行機を目指す。
情報のメタ化、自分に不足してると感じ、とても興味深かった。 -
長岡絵里佳先生 おすすめ
12【教養】141.5-T
★ブックリストのコメント
考えるってどうすればいい?アイディアの着想や情報の整理など…著者が自分の体験をもとに紹介しています。初版から30年以上経ちますが、ロングセラーの理由がわかる、定番ですが重要なヒントが詰まっています。 -
昔に書かれたものなのに、今一番必要性のある議論を書いている。読むと落ち着く。
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アンテナを張ることとアンテナを大事にすること。
新しいものに飛びつくのではなく、地に足つけて自分の必要な知識を体系づけて学ぶこと。
忘れることを怖がらないこと。
忘れる前に書き出すこと。
むしろ意識的に忘れること。 -
今まさに議論されているような、知識のインプットではなく創造性が大事だ、みたいな教育に関する論点が語られている。35年前というのが驚愕。
今年でた新作としても信じてしまう。それこそ本書で語られる「時の試練」を経ての今なので、本質的で重要な内容なのだと思う。
グライダー型(自分で飛べない)から飛行機型(自分で飛べる)になることが重要で、そのためには思考がキーになる、というのが本書のテーマ。
グライダー型になるための数々のセオリーが記載されており、これを心の書として実践していけば、自ずと創造的になれること請け合い。
具体的に感心したセオリーは以下の通り。
・思考は醸造と似ている。書き留めて寝かせることが重要
・教えないことが重要
・個性はそれ自体が主張するのではなく、触媒になる
・アナロジーの有効性
・メタ思考
・コンテクストを変えること
・時の試練により、文脈が欠落し、古典になる
・知的作業の種類 -
・創造性人間であり続けるために、読書を通じていかに拡散的思考を鍛えるか。
★本の中で大事だと思った部分を抽出し、それらに対する今後の行動指針を決める
★他人の言うことを真っ向から否定することはしない。建設的な話ができる人間と接する人間が自他共に成長する。
メモ
・自らに飛行能力を備えた、飛行機兼グライダー人間にならねばならない。
・目的の課題の解を探すにあたって、serendipity(副次的な思いがけない発見)を活用するためには、目的の課題を常に中心として考え続けるのではなく、周辺部に晒して無意識の作用を待つことも大切である。
・思考の整理とは、情報のメタ化(低次の思考を、抽象化のはしごを登って抽象化)することである。
・脳は、知識を格納する倉庫として活用するのではく、知の生産工場として活用するために、知識は忘れなければならない。
・古典として持続的な価値を持つものを生産するためには、忘却のふるいを経なければならない。
・思考の整理は名詞を主とした題名ができたところで完成する。不必要なものを可能な限り削ぎ落とすと、最後は名詞が残る。テーマは1文で表現されるものでなければならない。
・他の人の考え方には、常に肯定的な姿勢を持ち続けなければならない。(ピグマリオン効果)
・ゴシップには害あって利なし
・似たものは似たものに影響を与えるのは難しい
・真に創造的な思考は、第二次現実(頭の中の空想の世界)ではなく第一次現実(直に接している物理的世界)から生まれる。cf:ことわざ
・想像力と直感の飛翔によって、既知の向こう側の未知の世界へ踏み入ることのできるような読書を身につけねばならない。
・思考には、収斂的思考と拡散的思考がある。拡散的思考は表現の生命を不朽にする絶対条件であり、古典は拡散的思考が十分に繰り広げられ、それらが収斂した結果形成されるものである。自分の新しい解釈を作り出していく読書をせねばならない。
・機械と人間の競争は、機械的な性格をあらわにする人間の負けに終わる。「人間らしく生きていくことは人間にしかできない。」創造性を常に意識せねばならない。
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全てには賛同できないが、参考になる箇所を二つ。
・メモ
僕は日常的などんな些細なことでも心動かされた事象は必ずメモっているが、見返す機会もないし、どれも有機的に結びつくことがなかった。本書では「メモを寝かせて発酵させたり、後にその中でも重要なメモを新しいノートにまとめる」という目新しい技は悩める僕の参考になった。
・読書マーカー
「本は借りるべきか買うべきか?」と「本の重要な示唆はどのようにまとめようか?」といった悩みを抱えていたが、「読書しながら直接本にマークし、自分の共感や反論、意見を書き残して置く」という筆者の意見はそれらの悩みを同時に解決してくれた。
本へのマークは重要な示唆をまとめられるだけでなく、自分の意見を発することもできる。言わば、筆者との対話が可能になる。だから本は極力買う方が良いと自分の中では納得。破産だ〜〜〜
【メモ】
画一的な並びではなく変えてみたり
日本語は単語の切れ目もなく連続→流れの美しさを重視
教育のセレンディピティ 脱線が印象的になる!
考え事は一つに集中せず寝かせておくのも大事
具体から抽象はメタ化 メタ化するほどに高度の思考 -
考え方の指南書と思って購読したらまさかのエッセイ。
体験を踏まえながらの著者の思考に対する考えが述べられている、
この情報過多な時代に思考の整理は必要な能力であり、これが数十年前から述べられていることに驚き。
知識を覚えることではなく、忘れることについて考えさせられたのは初めてだった。 -
最近かなり読まれているらしいので、実家で昔買ったの(1989年、第11刷、350円)をみつけてきて再読中。
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新聞に載っていた著者の近況を読んだのを機に、昔から書名だけは知っていたこのロングセラーを読んでみた。なるほどと思うところも多々あるとはいえ、期待していたほどには感心しなかった。適切とは思えないたとえ話が多いせいかと思ったが、むしろ、考えるべきことを発見するためにはどうすればよいかという観点で書かれた本だからかもしれない。仕事では、考えるべきことは既に決まっていて、それに対する自分の意見をいかに効率的にまとめるかが重要なので、「思考の整理法としては、寝させるほど大切なことはない。」(40ページ)と言われても、そうのんびりとはしていられない。もっとも、一晩寝たら考えがすっきりまとまったという経験は、何度もしたことがあるので、著者の言いたいことは分かる。「書きなおしの労力を惜しんではならない。書くことによって、すこしずつ思考の整理が進むからである。」(134ページ)というところは、まったくそのとおり。木下是雄も同じようなことを書いていた。その木下是雄が同人の一人だったロゲルギストのことが、「同じ学問を専攻している学者たちが、やはり何十年と創造的雑談をしている例」(163ページ)として紹介されているのを読んで、「物理の散歩道」を楽しく読んでいた昔のことを懐かしく思い出した。巻末の「「思われる」と「考える」――文庫本のあとがきにかえて――」で言及されているイギリスの物理学者は、木下是雄も書いていたあの人のことだろうと思い、名前を確かめるために「理科系の作文技術」を取り出したら、その帯に外山滋比古の推薦のことばが載っているのを発見して、ちょっとびっくりした。一九八六年四月二十四日第一刷発行、二〇一九年二月二十五日第一二〇刷発行。定価(本体価格520円+税)。
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途中で断念してしまった。。。。
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古い本だが、今でも通用することが書いてある
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人生の節目に何度も読み返す本。今回三回目の再読。
思考の方法についてのヒントを得られる。
悩んだときにこの本に手が伸びる理由は、悩むことと考えることの違いを教えてくれる内容だからである。
現在の情報過多の時代で、自分の意見を形成維持することの大切さを感じた。
「情報の整理とは、忘れること」である。
忘却とは、自分の興味を軸に時間の試練を経て取捨選択されるため、情報の純度が上がるという仕組みである。
確かに、悩んでいるときは考えようとする対象が多いときである。一方、考えているときは対象自体は定まっていることが多い。つまり、大切なのは、何について考えるかと同じ程度、何については考えないか、切り捨てる基準と覚悟を持つことか。
自分には切り捨てる覚悟が足りない。
完璧主義の不完全性は把握済みだが、このような情報整理においても、マイナスに働いていることが分かった。
だから俺のプレゼンは純度が低いのか。
全部を追い求めても、それはAIの劣化版でしかない。
何に注目するか、情報を常に文脈の中に置くことで初めて、自分自身の視点や考え方が反映される主張となる。
これからは、自分の思考の癖を、自分の興味や触れている情報の傾向から整理しておこう。 (続く) -
まさにそのとおり!
バスの中で読んでいて、
もう、うなづける事だらけだった。
やはり人間は、
自分たちは何をどう考えているかということを
もっとしっかり問うべきだ。
そうすれば、もっと世界が見えてくるはず。 -
本書を要約すると、"グライダー型"の学びでなく"飛行機型"の学びを、"倉庫人間"ではなく"工場人間"を目指せ、ということになると思う。
具体的に述べる。
・学校教育では、教員に引っ張られる形での、受け身の姿勢での学びしか教わらない。これでは学ぶことは半ば強制された不自由なものである上に、問題設定や答えがあらかじめ用意されている状態での思考力しか育たない。これが"グライダー型"の学びである。しかし社会における課題解決では、問題を自ら設定し、あるとも知れぬ答えを探すことが求められる。この形の思考は"グライダー型"の学びでは育たない。
課題の設定から答えの無い問いの探求まで、全てを自力で行う"飛行機型"の能動的な学びが必要である。
・ネットなどで簡単に知識が手に入る現代では、知識を溜め込むだけの"倉庫人間"であってはいけない。既存の知識を活用し新たな知恵を生み出す"工場人間"になることが求められる。
"工場人間"に必要な能力は以下の3つ
① 知識の保管のためにコンピュータやノートなどの外部の"倉庫"をうまく活用する能力(例えば、適切に"成型"、"整理"して保管する能力)
② そこから"適切な材料(知識)"を選び出す能力
③ 選んだ材料を適切に調合し反応させ、"製品(研究成果や新たなアイデア)"を生みだす能力
そしてこれらの能力を身につけるためには、学校で行われている暗記中心の教育ではなく、上手に忘却する能力こそが重要である。
本書は上記を示した上で、良い"倉庫"たるノートの付け方、良い忘れ方などの具体的な方法論を示している。
個人的には共感する点も多く、またその上で新たな発見がありとても勉強になった。比喩や文学的?な表現も豊富な文体で、とても楽しく読めた。
しかし客観的根拠に乏しく、主張は基本的に著者の経験や故事にのみ基づいている。そのためか、明らかに科学的に誤った記述がちょくちょく見られる。
40年ほど前の、認知科学も未発達な時代に書かれた本なので仕方がないところもあるかもしれない。
よって思考の整理"学"と言えるほど普遍的であるかは微妙なところではないかと思う。
以上の理由より本書の手法が万人に適したものかどうかは未知数ではあるものの、少なくとも私にはしっくりきた。
そもそも思考法を試すのにリスクはないのだから、自分に合うか合わないかは試してみればすぐにわかる。その点で本書に客観性や普遍性などを求める必要は薄いとも言える。
どちらにしても多くの気づきを得られる本なので、読む価値はあると思う。 -
整理の仕方は人それぞれ。
ちょっと文章が固い感じが否めないが、参考まで。
・グライダー型人間 …(先生と教科書に引っ張られて勉強する)
・朝飯前 …(朝の内が最高の時間)
・三上(馬・枕・厠)…良い考えの生まれやすい状況
・三多(看・做・商量)…文章上達方法→本を読み、文を作る、工夫・推敲する
・想像と現実→知ることは必ずしも幸福とは限らない