欲望の資本主義

  • 東洋経済新報社
3.84
  • (20)
  • (48)
  • (28)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 532
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492371190

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • セドラチェックの考えは面白かった。
    借金をして成長することの意味?
    経済の躁鬱、強いことは怖い、神話歴史と経済

  • 未来社会や生き方など発想の転換につながりそうな内容だった

  • 経済学者の安田洋祐と世界経済のトップランナーたちとの対談でNHKで放送されたものが元になっている。ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ、24歳でチェコ大統領の経済アドバイザーになったセドラチェック、ベンチャー投資家のフォードの3人が本書の主人公である。

    スティグリッツは、不平等の拡大・拡散を懸念しており、政府の政策転換、具体的には「テクノロジー、インフラ、教育への投資を増やし、経済構造の転換を促し、不平等の是正に取り組む」ことが大切だと断じる。セドラチェックは、経済学と他の分野の英知を統合することが大切だと説く。そして、現在の経済学は成長に取り憑かれていると警告する。成長は大切だが最優先事項ではないという言葉は今後の社会を考える上で大切だろう。フォードはイノベーションの大切さを語っている。「ぼくたちが考えるのは、大きな市場を獲得し、大きな収益を生み出し、客をハッピーにすることだけなんです」という言葉は楽観的とも受け取れるし、短絡的だとも感じられる。いずれにせよ、これからの社会を考える上でこれら3人の考えは間違いなく参考になる。

  • 最先端の意見は必ずしも一致しないが、おぼろげな方向性を指し示しているか。

    ◯余った資産を活用するための政策転換
    →地球温暖化対策、インフラ、きょういく、テクノロジーなどに対する膨大な投資ニーズと過剰貯蓄過剰貯蓄
    ◯投資の調整機能は金利ではなく需要の拡大
    ◯イノベーションは本当に社会に貢献しているのか
    →既存市場の奪い合い、既存法の目をかいくぐった短期的優位の可能性は?

    ◯経済の好況不況は躁鬱病
    →ともに危険
    ◯成長資本主義ではなく、資本主義
    ◯利子はお酒
    →節度を超えると二日酔い、ツケはいつか支払う
    ◯供給側を減らせばいい

    ◯オンデマンド需要の拡大

    ◯羨望、嫉妬、貪欲

    ◯「ほしいものが、ほしいわ」の捉え方

  • セドラチェックの理論には結構?マークもあるものの、経済学者のスティグリッツとベンチャーキャピタリストのスタンフォード氏の視点にとても興味を持ちました。スティグリッツの場合、需要があるのは富裕層ではなく、中間層や貧困層の消費にあるので、中間層や貧困層にお金が行き渡るようにしないと「金」という経済の血流は滞り、経済は廻らなくなるというのは全く同感だ。倫理的に貧困層を救うとか、格差を是正すべきだとかそういうことではなくて、需要を喚起し、経済を活性化するための手法として、富裕層から中間層・貧困層に金を投入すべきということです。一方でスタンフォード氏は、未来の姿を我々に提示してくれている点で実に新鮮。いつかどこかに地点で全てがテクノロジーに取って代わられたら一体どんあ社会が生まれるのだろう。想像力をかき立てられる彼の説は実に興味深い。

全48件中 41 - 48件を表示

著者プロフィール

丸山 俊一(マルヤマ シュンイチ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
1962年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。「欲望の資本主義」「欲望の時代の哲学」などの「欲望」シリーズをはじめ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」「地球タクシー」他、異色の教養番組を企画・制作。
著書『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』『結論は出さなくていい』他。制作班などとの共著に『欲望の資本主義』『欲望の資本主義2~5』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』『欲望の民主主義』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』『AI以後』『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s「超大国」の憂鬱』他。東京藝術大学客員教授を兼務。

「2022年 『脱成長と欲望の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

丸山俊一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×