働かないの: れんげ荘物語 (ハルキ文庫 む 2-5)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439374

感想・レビュー・書評

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  • 勢いよく会社を辞めてれんげ荘の住人になったキョウコさん。
    前作から3年後の話です。

    キョウコさんはまだ働いてない様子・・・(笑)
    れんげ荘は新しい住民が入ったり、
    窓にサッシが入ったりと小さな変化はあるけども
    当の本人は相変わらずで、ささいな事にくよくよしてます。

    これキョウコさんがもっと気楽な性格ならもっとこの状態を
    楽しく過ごせるだろうに・・・と、
    読んでてもどかしく感じることもしばしばあるのだけど、
    悩めるアラフィフ独女はこんなものかもしれない。

    どんな状況でも大なり小なり悩みは尽きぬものだよなぁ・・・と、
    しみじみしつつ、
    猫とこたつでぼーっと脱力しながら読むのが似合う本です(笑)

  • まだ葛藤しとんのかい!そこがやはり現実的でよい。働きたくないが働いてる方がまだましかと思った。うらやましいけどな。

  • 主人公は、大手の広告代理店で働いていた40代の女性。
    今までの生活に疑問を感じ、会社をやめてしまいます。
    古いアパートに住んで、会社員時代の貯金を取り崩して生活しはじめたら・・・。

    そのような主人公の日常を描いた小説『れんげ荘』。
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/475843557X

    その続編が文庫化されていたので、読んでみることにしました。

    前作から3年が経ち、主人公キョウコは48歳になっています。
    彼女の住まいは変わらず、「れんげ荘」。

    時間に取り残されたような古いアパート。
    でも、住人が一人少なくなったり、部屋に網戸さらにはクーラーがついたりと、小さいながらも変化は生じています。

    その「れんげ荘」で”働かない”生活を続けるキョウコ。
    新しい住人の登場や、彼女が趣味を始めるいきさつなどが、ゆったりとしたタッチで描かれています。

    3年が経ち、今の生活にだいぶ慣れてきた彼女。
    でも真面目な性格ということもあり、周りの人と自分を比較したり、将来のことを不安に感じたりと、あれこれと悩みを抱えています。
    そんな悩みを、周りの人の助けを借りながら消化していく姿を、読者が追体験するような形になっています。

    自分を含め、この小説を読んだ読者の多くは、「これで、いいのだ」という気持ちにさせてもらえるのではないかなあと、感じました。
    特に女性の読者には、共感できる部分が多いのではないかと想像します。

    前作を読んだときに続編が出るとは想像していませんでしたが、出てしまうと、次を期待してしまいますね。
    キョウコの今後の姿が描かれることを、楽しみに待ちたいと思います。
     
     .

  • 「れんげ荘」の続編。三年がたち、キョウコは48歳になっています。れんげ荘にずっと住んでいますが母親とは没交渉で、大地震があっても何の連絡もありません。同居するキョウコの兄家族がキョウコの名前を出すとあからさまに嫌がって、自分の子供はキョウコの兄だけと言わんばかり。価値観が違いすぎると言ってしまえばそれまでですが、読んでいくほど、母親に同情的になりました。娘(キョウコ)には味方でいてほしかったのでしょう。それなのに否定され、これまでの人生が何だったのかわからなくなっているのかもしれません。混乱から、孫にも口出しをして疎まれる。そうした事情に無関係を決め込むキョウコですが、次の巻があるなら、予想外の展開が待ち受けているような気もします。あとから振り返れば、自分の家族について(れんげ荘の家族についても)考えるきっかけがこの巻にあった、ということになるのかもしれません。このシリーズがどう進んでいくのか楽しみです。

  • 有名広告代理店を退職して、ぼろアパートで月々10万円の貯金をおろしての、プチリタイア生活をはじめたキョウコの物語、第二弾。
    来るべき年金生活に向けて、働かない生活について一緒に考える…といいかもしれない。
    働かない、納税しない人間は、何の役にも立たない存在なのか?
    そう、自分を責めながら生きるのはつらい。
    どうして働かないのか、と詰め寄る役所。
    キョウコは、日々の出来事の中で、ただ生きるという意味をさまざまに考察する。
    けっこう哲学的でもある。
    淡々としすぎるかな?という流れを、思いっきり俗っぽくギラギラさせるのは、キョウコの母かな?
    このばーさんの揺らがないっプリはすごい。

  • れんげ荘という本の続編のようです。

    新年早々、午後の有休をとって読んだ本がこれって(笑)

    働かないっていいわー。ほんとあこがれます。

    この主人公が働かない選択をして貯金生活者(そうなれる時点ですでに勝ち組…?)となっても、やっぱりいろいろと悩んでみたり人と比べてみたりする様子にちょっと安心。人間ってそういうもんだよねーと。

    ゆとりがないので貯金生活者にはなれるべくもないですが、気持ちの上で余裕をもって暮らしていきたいものです。と、新年の抱負としました。

  • 『働かないの』

    自分を含め働いている人にとって
    強烈なインパクトの題名に
    思わず買ってしまった一冊

    意志を持って働かない

    実行するためには
    沢山のものを削ぎ落とし
    捨てていくことになるけれど

    何にもない生活が
    羨ましいくらい眩しく豊かに見えてくる

    れんげ荘に住むことを
    心から楽しんでいるチユキさんを新しく迎え
    心が温かく解れていくのを感じるキョウコ


    換えがたい毎日
    譲れない自分にリボンをかけて

    今がとても幸せと~☆

  • 前作よりドキドキ、ハラハラ感はなかったものの、れんげ荘にはゆったりとした時間が流れていて、うらやましい。

    私だったら何をするかなぁ?
    やっぱり本を読んだり、お散歩したりするんだろうけど、もっとお金をつかってしまうかも?いやいや、でも10万円だもんね…

    とてもキョウコのようには暮らせないけど、世の中のほとんどの人ができない暮らしができる素晴らしさ。

  • キョーコは48歳になっちゃったか
    働かないことでもつ、不安や弊害が
    リアルで、生々しかったけど
    人それぞれ、生きていていいんだよなって思えた

  • 題材は好みなのですが、キョウコさんの生活ぶりに憧れる点が少なかったのが残念です。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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