- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797680089
感想・レビュー・書評
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AIの開発をしていた研究者から見て女性脳と男性脳の違いについて解説した本。女性の心理学的な本で言われている主張と大筋は同じであるが、その考察の仕方が面白かった。女性の無駄話と思える話も、その経験話の結論ではなく過程をゆっくりと共感することで他の人にもまるで経験したかのように自分の記憶の中に取り入れることができる。それによって、実際に経験していなくても、何か事象が起きたら、うまく対処できるという。これは、こどもを生む性として、自分自身や子供の命を守るために必要なことであるという。
女性のおしゃべりは無駄だと思っていた私にとっても、不思議と説得力がある話だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタートから時系列に沿ってプロセスを語る女性脳
ゴールから遡る男性脳
女性にとって検討するとは感じ尽くすこと
男性にとって検討するとは、比較検討すること 全体をつかみ、位置関係を把握する癖
男性も、相手の言葉の反復と同情を返すと良い
女 腰が痛いの
男 ☓病院へいったか?
◯ あー 腰がいたいのか それはつらいね
過去時間をねぎらうこと。彼女が心を尽くしていることに気付き、ことばにしてあげる
女性の兄弟に囲まれて育つ 共感がうまい
相槌にはあいうえおを使え
あーそうなの、いいね、それ、うんうん、そうなんだ、え、そうなの、お、そうきたか
女性のモチベーションを上げようと思ったら、成果を褒めるより、経過をねぎらうと効果がある
プロセス指向の女性のは、結果がよかったときには、そこに到るまでのプロセスから、さまざまな気付きを切り出して、正の情報として整理している
男性脳は、ゴール指向型なので、成果主義。結果がわるかったときには、モチベーションどころか免疫力までぐっと下がっている -
本当に気付きが多かった。多過ぎて何をメモしたらいいか分からないから、取り敢えず、多かったとだけ…
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若いときに一緒にいてくれた女性、結婚してくれた妻、躾けられてきた二人の娘たち、今から思うと、なぜあの時あんな対応(態度および発言)しかできなかったのか、ダメだったとは明確に理解できるのですが、では、どのような対応であれば良かったのか、未だにわかっていない私です。
先週、本屋さんで、「女の機嫌の直し方」という、女性が書かれた本が平積みになっているのを見つけましたが、著者の経歴(人工知能の開発研究者)が気になりました。本来の研究を進めるにあたって、人工知能は男性脳・女性脳であるべきか、両方を完全に平等に扱っていたらプログラムは暴走してしまう等、興味ある内容が書かれています。
この本は、人間関係を良くしたい(見直したい?)男性および女性のどちらにとっても、為になる内容が書かれています。今まで50年以上生きてきた私、もう一度人生をやり直したいとは思わないようにしてきましたが、もし、この本の内容を理解して若い時からやり直したら、違う人生になっていただろうなと思いました。ただ、それはもう私ではないのですがね。
過去はやり直せませんが、この本に書かれている内容を上手に活用すれば、知らなかった自分と比較すれば、違う人生が開けると確信しました。そういう意味で、この本との出会いは私の人生を左右する影響力を持った、記念すべきものになりました。
以下は気になったポイントです。
・ヒトの脳の機能を精査していくと、あきらかに男女の脳では、装置としての機能性に差があり、一緒にすることができなかった。事実として、男女脳差は歴然と存在する(p16)
・人工知能は第一次(1950年代)、第二次(1980年代)、そして第三次ブームとして2016年から起きている。これから人類は人工知能とともに生きていくことになり、まさに産業革命であり、2016年から続いている社会現象はブームより、人工知能シンドロームと呼ぶのにふさわしい(p17)
・男女の対話スタイルが異なる、女性は、ことの発端から語りたがる。男性は、最初にゴール(目的、結論)を知りたがる。話の流れが真逆である、これらが相容れるわけがない(p24)
・女性脳の真理演算を推進するためには、共感してあげること、これに尽きる。「あ~わかるよ、彼はそういう口を利くんだ」「そうだね、そういう気持ちだったんだ」共感のコツとは、相手の言葉の反復(p25、31、35)
・話し始める時から答えが決まっているのではく、話しながら答えが見えてくる(p25)
・経緯を語りだしたときは、気持ちよく着地までもっていくしかない、いきなり結論・問題解決は、対話の破たんを意味する(p30)
・男性は、遠くと近くを交互に見て、距離感をつかむ。ものの輪郭をいち早くつかみ、その構造を理解する。女性は、比較的近くにあるものの表面をなめるように見て、針の先ほどの変化を見逃さない(p39)
・脳に無駄はない、女性が感情的になるのは、それはその脳にとって必要なことだから(p43)
・男性と女性の2つのビューセンサーを搭載することは可能であが、もし双方が同時に答えを出したら、そのどちらを採択したらいいかの競合干渉になる。人に利き手、利き足、利き目があるのは、脳に優位半球があるからだが、それは競合干渉を避けるためという説もある(p45)
・男性は脳梁が細めで生まれ、男性脳型のビューセンサーを持ち、問題解決型の対話エンジンを育むが、いくばくかの男性は太めで生まれる。イメージ(右脳)を顕在意識(左脳)に伝えやすいので、科学者・デザイナー等が存在する(p53)
・女は4歳にして一人前の自我を持っていて自分の気持ちを語れる、女の子には4歳を過ぎたら、女友達として遇すべき、上から目線の命令語は通用しない(p58)
・テステステロンは、真夜中、闇の中で寝て、朝日とともに起き、一日の終わりに肉体疲労があること、危機にさらされていることで、分泌される(p67)
・インターネットが世界の言語スタイルをゆるやかに統一しつつあるが、世界中で一様式になれば、女性脳に統一が進むだろう(p72)
・女性は、現世で子供を持たなくても、自身の脳は、子供を持った女性脳から引き継がれた脳であり、過去の関連記憶を瞬時に引き出す能力を、生まれつき持っている。(p77)
・わかるよ、というか、わかりたいんだ!という、もうひと押しの言葉が大切。大切な人の心の氷を解かす言葉は、苦しまないと生み出せない(p83)
・何十年前のことでも、女性にとっては「過去」ではない、今ここでもう一度傷つく「今」の怒りである(p84)
・もしあなたが同じ過去を何度も蒸し返されるのであれば、謝り方が足りない。心から溢れ落ちた一言だけが、心のしこりを氷解する。(p89)
・人口知能が最後まで取って代われないのは、安売りのトイレットペーパーとうまく目が合う主婦の感覚である。(p106)
・育児をするオスは、生殖ホルモンが出にくくなる=男らしさを奪われる可能性も否定できない(p106)
・正解をすばやく出してくれる、行儀のよい優等生なんて、欲しければ人工知能で作るからいい、何としてもはみ出すあなたが楽しい(p107)
・女性にモノを売ろうと思ったら、色数やバリエーションを多めに展開し、今だけ限定・あなただけ特別を演出する必要がある(p110)
・男の妻である人は、男の母である人が、最も肝に銘ずべきことは、「男のぼっと時間を、できるだけ放っておく」こと(p113)
・笑顔をつくると、嬉しいときの信号が脳に起こる、表情や所作は脳の神経信号に、ある程度の影響を与える(p126)
・あいずちの「あいうえお」、「あ~そうなの」「いいね、それ」「うんうん、そうなんだ」「え、そうなの?」「お、そうきたか」(p137)
・成果でなく、過去時間(あのときの気づきはよかったね、あのときよく努力したよね)をねぎらうのが良い(p141)
・女性は待機時間を楽しむ、またデート後の「思い出し」も大事(p144)
・気づかなったことを謝ることは、察したい気持ちを伝える言葉なので、愛の言葉に匹敵する。「きみに、そんなことを言われたのが悲しい」(p152、158)
・ヤ行音は、長い時間と癒しを感じさせる、「やれやれ」「やっと」「ようやく」「ゆっくり」(p163)
2017年7月16日作成 -
結論から言えば「脳には性差がある」し、そもそも結論から言いたくなること自体が男性脳の特徴である。
最近「なんで私が怒っているかわかる?」という言葉が流行った(ネットでは本当にいろいろなものが流行る)。実際よくわからないことが多いし、謝っても火に油を注ぐような事態になりがちなので、その辺のヒントでもあればと思い本書を取った。
どうせ筆者の主観垂れ流しだろうと高をくくっていたわけだが、筆者は人工知能の研究者ということでその道のエキスパートである。なるほどこれは男性脳にも理解できる本なのではないかと期待も高まる。
いま「男性脳」と書いたがこれは筆者自身が述べている言葉であって、本書の第一章はまるまる「脳には性差があるのか」という話である。
男性脳は問題解決を求め、女性脳は共感を求める。もちろんこれはそうした傾向があるという話であって、身体的には男性でも女性脳的思考をする人はいるし、逆もまた然りである。
自分用メモとして大雑把に整理しておくと、女性が共感を求めるのは子どもを含めた自衛のためであり、「怖い」という記憶を集団で共有することにより身を守るのである。一方で男性が問題解決を求めるのは、自ら根本を除去することで危険を解消しようというのである。
女性は感情を共有することでストレスを解消する。「怖い」などのネガティブ感情だけでなく、可愛いだの嬉しいだのといったポジティブ感情でも共有することで自分の感情を客観視し、信号をリセットするのである。
男性は「転びそうになった」とか「お花が綺麗だった」とかいうことにかまけている余裕はない。狩りなど最前線においては意識共有をしている暇などなく、生きるために必要な情報だけを拾い上げ、速やかに問題を解決しなければならないのである。
人工知能の設計は、元々研究者の大半が男性だったこともあり、「男性脳」を基準に作られてきた。しかし「女性脳」はそもそも思考プロセスが違うため、同時に搭載することができない。コミュニケーションロボットの対話エンジンは男女脳を別々に搭載して目的によって使い分けなければならないという発想になっているらしい。
「男性脳」「女性脳」は経験上分類されているだけではなく、脳の構造の違いもあるという。たとえばゲイの人の脳は、女性脳に近い構造を持つ傾向があるという論文がある。右脳と左脳を連携させる神経線維の束(脳梁)が、男性の方が細いという統計もある。タレントのKABA.ちゃんはいわゆるオネエ系であるが、この脳梁が男性の平均よりも10%太かったという。
物理学者のアインシュタインも脳梁が太かったが彼はオネエでも同性愛者ではなかったということで、脳梁の太さだけが起因しているわけではないが、一応科学的な根拠もあることはあるらしいという興味深い話である。
将棋のような体力差の関係ないゲームであっても、男性の方が圧倒的に強いらしく、参加者の男女比を考慮してもその差は歴然としているという。これももしかしたら脳の構造が影響しているのであろうか。
第三章の「女の機嫌の直し方」という部分がまさに本題であろうが、まるで異世界を覗き込んでいるような記述であった。私も読みながら心の中で無数にクソリプを送りたい気持ちが湧き上がった。
本の構成上、筆者は男性に向かって「女性脳を理解しよう」と呼びかけている。いやそれはわかる、理解できるものならしたいと思う。しかし大事なのは歩み寄りの姿勢ではないか。なぜこちらだけが一方的に相手を理解しなければならないのか。
だがその「なぜこちらだけが」という思いが争いの元凶なのである。そう考えてとにかくクソリプを送りたい気持ちを押さえ込み、まずはありのままを受け入れよう、と読み進めた。たぶん日頃から女性の無理解に悩んでいる男性諸志であれば、本当に意味のわからない記述が続くだろう。たぶんそれは仕方のないことで、ごく自然なことなのである。
一度読み終えた今に至ってもさっぱり理解できない、共感できない部分も多いが、わからなくてもすぐに解決する必要はない。まずは一緒に「わからないねえ」と言えばいいのだ。それが男女ハイブリッド脳への第一歩である。たぶん。 -
いやー、これは高校生の時とかに読めていれば、と思わざるを得ないな。
夫婦生活において、起こる色々な諍いはかなりの部分本書で説明できることがわかりました。
女性はそういう生き物なのでしょうがない、と書かれる一方で、男性はこういう生き物なのでしょうがない、とも書いてあり、平等です。女性の方が優れているというありがちなトーンになっていません。
Kindleで読みましたが、良書なので書籍も買ってみました。妻にも読んでもらおう。 -
女性の脳はプロセス、共感を大切にする。
男性の脳は結果、問題解決を重視する。
脳の働きが真逆に動くのだから、まずはその違いを理解することが大事なんだな、と。
私は女性だが、男性ってこういう考え方をするんだなぁと参考になりました。
科学的根拠がどこまであるかは分からないけど、人工知能の研究者である著者の実体験も含まれていて、リアリティがありました。
同僚男性に読ませたいわ〜笑 -
‹内容紹介より›
なぜ女たちは思いもかけないところで不機嫌になるのか?”女の機嫌”は男にとって永遠の謎だ。
だが、この謎は、脳科学とAI研究でいとも簡単に解き明かすことができる。女性脳は共感のため、男性脳は問題解決のためにことばを紡ぐ。だから両者はすれ違い優秀な男性脳ほど女を怒らせるのだ。
女性脳を知り、女の機嫌の直し方がわかれば生きるのがぐっと楽になる。すべての男たちに贈る福音の書!
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女性=共感,男性=問題解決という話し方をする、というのは知っていましたが、「なぜ」そのような思考回路になるのか、という理由もわかりやすく説明されていて納得できました。なかでも、男児と女児の「気持ち」語りや、「お絵描き」から見る脳の発達のちがいは目からうろこでした。
具体的な場面やたとえ話も多く、どのように接すれば相手の女性に不安感やストレスを抱かせないか、ということもよくわかります…実践できるかどうかは別として。
男性脳と女性脳のちがい、という視点で多くの話が書かれているので、男性だけではなく女性にもぜひ読んでもらえれば、と思います。
互いの脳の性差(思考回路の差)がわかれば、おたがいによりストレスなく過ごせるはず。