みじかい眠りにつく前に 3 (ピュアフル文庫 ん 1-13)

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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861766824

感想・レビュー・書評

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  • 桜庭一樹さんの「A」が読みたくて手に取りました。「A」は、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「接続された女」が契機となって書かれた作品らしい。確かに設定は割と「接続~」そのものなんですけど、桜庭さんの「アイコンの神」の描写がとても切なく美しくて、「接続~」とは一味違い、良かったです。

    川西蘭さんの「炎」も良かったです。少年たちが「言ってはいけない場所」でひと夏過ごすというのは、ちょっと前に観たばかりのスタンド・バイ・ミーと同じ構図。なんとなく2-2に別れるところも。折角建てた秘密基地があっけなく燃え上がり、少年たちは散り散りになる。どこか儚くも心に残る感じは、この世代を描く時の永遠のテーマなのかも。

    東直子さんの「道ばたさん」。母と娘と、アカの他人の女性の、ほんの少しの間の関わりを描いている。結局「道ばたさん」が誰なのかわからないんだけど、母の豪快さと主人公のどこか引いた感じと、道ばたさんの慇懃無礼な感じが絶妙でした。

    三浦しをんさんの「予言」も良かった。
    両親の離婚に巻き込まれた少年の心がほぼストレートに書かれていて、まっすぐなだけにダイレクトに心に響きます。
    椿との交流や、バイクを通して、主人公は父親の存在と決別する。「もう会わないだろう」と心に決める。庇護してくれていた、絶対的な存在だった親からの離別は、つまり青春からの離別。青春からの離別を経て、人は大人になるんだと思う。

    皆川博子さんの「雪女郎」は、タイトルも雰囲気も素晴らしかったです。
    萩原朔太郎の「猫町」。朔太郎ってこういうのも書くんだ…と新鮮な感じでした。

  • 【内容】
    翻訳・書評活動で日本に「ヤングアダルト=YA」を根づかせた第一人者・金原瑞人が選んだ傑作8編に、作家・江國香織が日本文学から選んだおすすめの名作2編をくわえた、YAアンソロジーの決定版。本書で文庫初収録となる作品を含む、“心に響く”珠玉の短編セレクション・シリーズ第三弾。巻末には、「選者」二人が収録作品それぞれの読みどころを解説した特別対談を収録。

    【感想】

  • 02YA
    明け方が一番暗い、というのにふさわしい内容かも。
    でも大丈夫。すぐに明けてしまいます。
    金原瑞人さんセレクションのYA短編集。みじかい眠り、というのはお昼寝かもしれないし、死かもしれないし、ひとそれぞれ。想像の世界へ飛び立つ瞬間だってみじかい眠りかもしれない。
    子守唄のようなやさしい本ではないかもね。

  • 池上永一「サトウキビの森」
    小川洋子「美少女コンテスト」
    川西蘭「炎」
    桜庭一樹「A」
    東直子「道ばたさん」
    三浦しをん「予言」
    皆川博子「雪女郎」
    よしもとばなな「血と水」
    有島武郎「火事とポチ」
    萩原朔太郎「猫町」

    特別対談「いつもと違う角度から世界を見るということ」江國香織、金原瑞人 

  • 作者の持ち味が「濃ゆい」短編集☆

  • 2013 11/3

  • シリーズ3。
    印象に残った話 は『サトウキビの森』、『美少女コンテスト』、『A』、『道ばたさん』 。

    本書ベスト は『A』、シリーズ1〜3中ベストも『A』。
    スターアイドルの設定がなかなか斬新だった。

  • 2より好みの作品が多くて嬉しかったです。

    サトウキビの森:4
    ⇒あらすじは、沖縄の少女の恋と失恋…というだけだが、途中にお婆さんのシーンを挟むことで面白みが出ている

    美少女コンテスト:4
    ⇒以前読んだことがあるが、やはり小川洋子さんの作品は良いな~と改めて感じた。こういう短編セレクションで他の作家さんに挟まれていると、なんだか知らない人の中で突然知り合いに会えたような気持ちになります。

    炎:5
    ⇒冒頭と最後の現在の自分(冬)と、メインの小学生の自分(夏)の対比が美しく、今回の掘り出し物。

    A:4
    ⇒今時のSFものといった感想を持ちました。

    道ばたさん:3
    ⇒道ばたさんというタイトルではあるものの、道ばたさんの記憶などは実は物語にとってどうでも良い事柄なのが面白い。

    予言:4
    ⇒"予言"というオカルトチックで非日常的な世界と、離婚して家を出て行く超日常的な世界を組み合わせたことが凄いなと感じた。

    雪女郎:3
    ⇒何かになりたいけど、結局変われない悲しさと諦めが漂う作品。

    血と水:5
    ⇒よしもとばななさんは、やっぱり面白いなぁと改めて思った作品。作品の中に、毎回ドキリと(またはギクッと)するような文章が2,3ある。ばななさんの作品は、まだ未読のものも多いので、全部読破したい。

    火事とポチ:3
    ⇒淡々と読み進めて気付いたら終わっていた作品。

    猫町:3
    ⇒自分の好みではないけれど、やりたいことも言いたいことも分かるし、そして一つの小説の完成形なのだろうなぁと考えました。でもやはり好みではない。

  • しをんさん目当て・・・だったんですが、単行本で読んだことのある話でした。どこらへんが「明け方に読みたい」選だったのか、金原さんの思いが分からずじまい・・・。
    印象的なのは「A」かな。短編なんですけれど、しっかり読んだ気持ち。「A」が個人的には大当たり。

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    池上永一「サトウキビの森」 異様に歩くのが遅い不思議なおばぁ
    小川洋子「美少女コンテスト」 
    川西蘭「炎」 
    桜庭一樹「A」 
    東直子「道ばたさん」 印象に残る不思議な話。道ばたさんは結局どうだったんだろう。ボディコンのカマキリダンスなに? 短編にありがちですが、畳まれない風呂敷が気になって仕方ない。
    三浦しをん「予言」 「私が語り始めた彼は」の中の一作でした。単行本を読み返したくなった。
    皆川博子「雪女郎」 
    よしもとばなな「血と水」  不思議な像を作る彼との生活。新興宗教に帰依する両親。
    有島武郎「火事とポチ」
    萩原朔太郎「猫町」

    江國香織×金原瑞人 特別対談
    江國さんが好き、というのもあるけれど、この対談良かったな。「ああ、江國さんはこの話の、この文章を読むのか」と。

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