自分の中に毒を持て<新装版> [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • もう少し早くこの本に出会っていたら、その後の自分の人生は大きく変わっていただろう。それくらいの熱さを持った本であった。
    個人的にグッときた一節。
    「しかし、よく考えてみてほしい。あれかこれかという場合に、なぜ迷うのか。こうやったら食えないかもしれない、もう一方の道は誰でもが選ぶ、ちゃんと食えることが保証された安全な道だ。それなら迷うことはないはずだ。もし食うことだけを考えるなら。そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。」

  • 自分が危険だと思うことにあえて飛び込んでみることこそが人生であり、
    自分が燃えられる瞬間である
    職業だとか国籍だとか小さい枠組みにとらわれることなく、
    自由に生きることが本来の人間であるべき姿である

  • 2022/12/29

  • 一番気になった一節をメモしておく。

    日常生活の中で、この社会のどうしようもないシステムの中にがんじがらめにされ、巻き込まれながら、しかし最後まで闘う。

    冒険とは突拍子もないことをすることだと思われがちだが、システムの中に適応しつつ抗うことが冒険だと解釈できる。

  • 己が最大の味方であり、敵である

  • 衝撃的な言葉の数々、岡本太郎の真髄を垣間見た感じがした。

  • 数十年ぶりに岡本太郎に接した。いつ読んでも激しいエネルギーだ。アナログの時代に長く身を置いた我々老年は、ネット社会で情報が飛び交い、その情報に振り回され、管理され、個を喪失した多くの若者を見ると、岡本太郎の強烈な「生命への焼き入れ」が極めて新鮮に映る。
    岡本は、既存の倫理、秩序、型式によって澱のように固まった生命を爆発で吹き飛ばし、新しい命の芽を育てようとする。「芸術は爆発だ」と言う彼の言葉は、無条件に命を突き出し爆発する、その生き方こそが芸術だと言う。利益を優先する費用対効果の生き方に疎外感を感じている人々に、失われた自身の「芸術」を取り戻せと力説する。まさに現代社会に対する強烈なアンチテーゼである。
    それは、「自分の中に孤独を抱け」「自分の運命に楯を突け」という彼の他の著書のタイトルを見ても、現代社会の科学主義、合理理主義に対する批判をみてとれる。画家であると同時に哲学、社会学、民族学に精通した著者の叫びは、極めて今日的な警告と言える。

  • 【目的】
    岡本太郎氏の思想からアート思考のヒントを得る
    【まとめ(1P)】
    芸術とは、無条件に命をひらき爆発する生き方
    【ポイント(What)】
    ・自分の絶対的なプライドがあれば、他人の評価は気にならない
    ・世の中は変わらないかもしれないが、挑戦した自分は変わる
    ・「爆発」とは、無償無目的にその瞬間に命をひらくこと
    【アウトプット(How)】
    ・「俺は生きた!」といえる人生になるかを軸とする
    ・自信はなくても、一瞬一瞬ひたすらやってみる
    ・自分を大事にし過ぎず、無償無目的に自分を表現する

    【その他】
    ・日本では世間に従って「生きながらえる」ことが美徳とされる
    ・外国人:日本人は働いてばかりで気味が悪い、話題がない

  • 【大変共感した点】
    ・意外な発想を持たないとあなたの価値はない
    ・社会の分業化されたシステムの中に自分を閉じ込めて、安全に生きることは退屈
    ・3日坊主を肯定。惹かれそうなことを”無条件”にやってみる。
     ・日常の些細な意志決定=探検
     ・仕事=全ての仕事は芸術的
     ・恋愛=形式化された結婚を否定し、手段ではなく目的しての関係を賛美
    ・死に直面して生を感じる(スキーの話)
    ・何かをやろうと決意するから、意志もエネルギーも噴き出してくる
    ・自分を殺す=他人と相対化した「自分」を壊し、内発的に溢れ出る自分を貫くこと
    ・本当の美人とは、その人全体としてそのままの姿で充足していること

    【共感しなかったが違いを感じて面白かった点】
    ・「結果が思うように行かなくても、自分は筋を貫いたと思えば、これほど爽やかなことはない」という点は、結果を出さなくてもいいというマインドセットになっていうような気がして、少し違和感。自分は結果にはこだわるべきと思ってしまった。

    ・「自分にとってマイナスな選択肢を選ぶ」という点は、自分にはやや過激的。どちらにも魅力を感じる選択肢のうち、危険な方を選ぶという落とし所が自分にはしっくりくると思った。

    【総評】
    全体的に共感する点が多かった。人によっては過激に映るかもしれないし、真似できないと諦めるかもしれないが、一つの生き方として憧れを抱かざるを得ないのは間違いない。

  • かなり響くものがあって新鮮な感じがしました。
    親と子が単なる人間同士として対等にぶつかりあうべき、己を殺す勢いで挑めなど、生命力をもてというメッセージが込められすぎていました。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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