自分の中に毒を持て<新装版> [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「台東区図書館POPコンテスト2021」の「最優秀賞」者が紹介していた本。

  • ・人にどう思われてもいいと思え
    ・批判こそ歓迎すべき
    ・人間にしかできないことをやるんだ

  • 自分の中に毒を持て<新装版>
    岡本太郎氏による著作。
    2017年12月20日発行。
    本書は1993年に刊行された文庫の新装版。
    岡本 太郎(1911年(明治44年)2月26日 - 1996年(平成8年)1月7日)は、
    日本の芸術家。血液型はO型。
    1930年(昭和5年)から1940年(昭和15年)までフランスで過ごす。
    抽象美術運動やシュルレアリスム運動とも接触した。

    大阪府万博記念公園にある太陽の塔や、首都圏で言うと渋谷駅にある
    「明日の神話」という巨大画が有名だろう。
    (昔、会社の出張の際に明日の神話を見た。思っている以上に大きく驚いた)
    あとは中学生時代の美術の教科書に掲載されていた「森の掟」という作品だ。
    名前はこのレビューを書いている途中に調べて知ったけれども強烈な印象が残っていてすぐにかつての記憶が蘇った。
    ただ自分にとっては芸術家であり本とか出している事は知らなかった。
    YouTuberのマコなり社長が自分の人生が変わった本としてやたらに推薦していることから本書に興味を持った次第だ。
    ただ結論から言うと、人生で根拠が無いけれども一歩を踏み出す必要がある人の背中を押すための本である。
    大半の人にとっては逆にマイナスになりかねないと感じた。
    特に資格試験や大学、高校、中学などに入る為の勉強をする受験生はこれを読んで妙に勇気づけられては駄目だ。
    模擬試験や過去問を解いて判定が悪いのであれば状況次第では勇気を持って撤退する、志望校のランクを落とすといった冷静な判断が求められる。

    起業家や芸術家のような時には根拠が無くても走り出す事が求められる人にはこれ以上無い本だろう。
    だから薬にも毒にもなる本だと言える。
    岡本太郎氏の考え、第二次大戦前のフランスでの生活ぶり、実際に徴兵され中国大陸に兵士として送り込まれた過去などその時代の証言とも言える部分が個人的には興味深いものだった。
    ただ良くも悪くも規格外の人なのでその点だけは常に忘れずに接する必要がある。

    印象に残った部分

    人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。それが誇りだ。
    死ぬのもよし。生きるもよし。ただし、その瞬間にベストを尽くすことだ。
    現在に、強烈にひらくべきだ。未練がましくある必要は無いのだ。

    恋愛というのは、相思相愛でないと成り立たないと、とかくみんな誤解しているんじゃないだろうか。
    それだけが必ずしも恋愛じゃない。
    たとえば片思いも立派な恋愛なんだ。
    相思相愛と一口に言うが、お互いが愛し合っていると言っても、その愛の度合いは必ずしも同じとは限らない。
    いや、どんな二人の場合だって、いつでも愛はどちらかの方が深く、切ない。
    つまり、男女関係というのは、デリケートに見ていくと、いつでもどちらかの片思いなのだ。
    悲しいことに、人間の業というか、運命的な落差。
    そこに複雑なドラマがある。

    いくつで成人として認めればいいか。ぼくは十歳前後で成人式を行い、もうちゃんとした社会人として扱うべきだと思っている。

    近頃はテレビの番組でもふざけたり、笑わせたり、ガチャガチャやる
    バラエティが大はやりだ。その影響か、一般の人でもお笑いタレントみたいな喋り方をする人が結構多い。
    それはサービス精神なのかもしれないが、つまりはみんなに悪く思われたくない、
    自分がかわいい一念なのだ。とかく、みんな自分を大事にしすぎる。
    自他に甘えているんだ。ほんとうに自分の在り方を、外に突き出していない。
    だから、裏目が出てきてしまう。
    (この辺はTV全盛時代というものを感じる。今ではネットに大きくTV側が振り回されるほどに変わってきた。今の時代を見て岡本太郎はどう思うのか 聞いてみたい所だ)

    ほんとうに生きるということは、いつも自分は未熟なんだという前提のもとに平気で生きることだ。それを忘れちゃいけないと思う。

    大切なのは、他に対してプライドを持つことでなく、
    自分自身に対してプライドを持つことなんだ。
    他に対して、プライドを見せるということは、他人に基準を置いて自分を考えていることだ。そんなものは本物のプライドじゃない。
    たとえ、他人にバカにされようが、けなされようが、笑われようが、自分がほんとうに生きている手ごたえを持つことが、プライドなんだ。

    相対的なプライドではなくて、絶対感を持つこと、それが、ほんとうのプライドだ。

    自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。
    その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。
    それだけでいいんだ。また、それしかないんだ。
    意思を強くする方法なんてありはしない。そんな余計なことを考えるより、ほんとうに今やりたいことに、全身全霊をぶつけて集中することだ。

    そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。
    わが人生、他と比較して自分をきめるなどというような卑しいことはやらない。
    ただ自分の信じていること、正しいと思うことに、わき目もふらず突き進むだけだ。

    それに、人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
    夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。
    (ここの一文は特に中学高校大学受験生は参考にしたら不合格通知の山ができるだけだ。素晴らしい一文だが、一般人が参考にし過ぎない方が良い)






  • 仕事辞める、海外に移住する、彼女と別れるなど大きなチャレンジに踏み出そうとしている時に背中を押してくれる一冊。

    本って100冊くらい読むと、あーーまたこの論理展開ねとかこの具体例どっかでみたなーーとかいう部分が出てくる印象なんですけど、この本は終始独自の視点が貫かれていて、新鮮味が途絶えなかった。

  •  熱い!とにかく熱い!平凡に生きるのではなく、強烈に生きるべきと熱く語られている。

     本書の冒頭から「いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。」とメッセージが書かれている。このメッセージが本書の核心部分だと思う。

     自分だけの考えこそ価値があり、他人が考えたものに価値はない。常識とは他人が考えた価値観。世の中の常識を無視した、強烈なオリジナリティこそ、世の中を引き付ける呪力がある。これまでの常識を捨て、自分の限界を突破するべき。そういう自分を貫こうとするとき、自分に刷り込まれた常識と対決することになる。そのとき己が最大の味方であり、敵になる。「己を殺せ」と著者は語っていた。

     これは著者の有名な「芸術は爆発だ」に通じる考えがあった。本書で次のように語られていた。
     芸術は自分の生きているアカシを形にしたもの。芸術とは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだ。人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。これが生きるということだ。

     自分の考えとして「人は何かしら自分を表現しようとするもの」だと思っている。例えば、仕事においても、やり方や考え方など、どこかに自分の価値観を表現する余白があり、その余白をどう埋めるかは選択できる。「表現=芸術」なら、仕事も芸術のように自分の価値観を表現する場としてあってもいいのかなと思った。そのとき、著者の言っていた「世の中が変わらなくとも、自分自身は常に変わり続けること。妥協せず、闘いつづけること=失敗を恐れない」が大事なんだなぁと思った。

     最も共感できた部分は、「強烈に生きる」こと。強烈に生きるとは常に「死」に直面しているのと同じ。惰性的に安全な方向へ選択して生きれば「死」の危険はない。しかし、「死」に直面してこそ、生きていると言える。これは失敗を恐れず、チャレンジし続けることが、生きていることだと理解できた。安全な選択ばかりしていても、生きているとは言えない。「己を殺せ」や「常に変わり続けろ」はとても参考になった。

  • 表現の仕方が独特で、いい人面するなと書かれた本だと私は感じた。人間の本性を現した本である。ただ、ある意味で周りの目を気にせず正直に生きることを後押ししてくれる本である
    表現方法が、すごい多彩で小説のようだとも感じた。
    語彙を増やす本としてもおすすめ

  • 筆者が「ぼくだったらこうする」ということを語っている本
    熱い
    爆発している感じする

  • ”いずれ”なんていうヤツに、ほんとうの将来はありっこないし、懐古趣味も無責任だ。つまり、現在の自分に責任をとらないから懐古的になっているわけだ。

    やらなければならない、ベストをつくさなければならないのは、現在のこの瞬間にある。それを逃れるために”いずれ”とか”懐古趣味”いなるんだ。

    響いたなぁ。

  • この人の生き方はそう簡単に真似できない。無理。いばらの道過ぎる。人間だからぬるま湯に浸かりたい。毎日アイス食べたい。 と思っていた自分を殺したくなりました。 少しでもいいからトライしてみようではありませんか。

  • オードリー若林さんのエッセイから読み始めました
    この本を20代の前半に読めてよかった...

    誰だって周囲の状況に甘えて生きていく方が楽だから、厳しさを避けて楽な生き方をしようとする。自分を殺せ

    安定や保守を選んだところで、自分は生きた!と言えるのだろうか

    危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。
    ほんとうはそっちに進みたいんだ。
    行きたくない道に行こうとする自分を殺せ!

    まず、どんなことでもいいからちょっとでも情熱を感じること、惹かれそうなことを
    無条件にやってみるしかない

    「いずれ」という言葉を使うやつは、自分の人生に責任を持っていない
    その未来は本当に存在するのか?

    皆、自分を大事にしすぎる。自他に甘えている
    自分を大事にすることも結構だが、自分に甘えすぎるな

    いつだって出る杭は打たれる
    打たれるぐらいなら己を突き出していけ

    やろうとしないからやれないんだ。それだけのことだ

    激しく挑み続けても世の中は変わらない。
    しかし、世の中は変わらなくても自分自身は変わる

    己を失って、ただ惰性的に生活を続けているというなら、
    本質的に生きているとは言えない。

    ダメになる方、マイナスの方の道を選ぼう、と決意してみるといい
    そうすれば、必ず自分自身がワァーッと盛り上がってくるに違いない
    それが生きるパッションなんだ。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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