自分の中に毒を持て<新装版> [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • “芸術は爆発だ”の岡本太郎氏の著書。
    自分をまもろうとするのではなく、自分自身と闘い、常に危険な道の方へと賭けることが、生きがいであり、ほんとうに生きることだと説かれている。
    そうすれば、失敗していいし、不成功でいいし、自信も才能もない方がいいという言葉にハッとさせられる。

    また、私も「幸せ」という言葉があまり好きではなく使わないようにしていたが、本書を読んで理由の一つが分かったような気がする。

    常識を打ち破りたかったり、違うものの見方をしたかったりするときに読むとよいと思う。

  • ずっと気になっていたが、芸術に興味がなく、著者にキテレツさにも食わず嫌いのような感覚を持っていたため、手に取ることがなかった本。
    読んで良かったというのが率直な感想。破天荒な生き方にもしっかりととした意思があったこと。自分を大切にするからこそ、一般的な考えとは一線をかくした行動をしてきたのだと、合点がいった。
    熱を持って生きる。命懸けで生きる。常に選択をしながら生きる。人生には、一瞬の無駄はなく、夢や希望、可能性に溢れた機会に満ちているということを教えてくれた。
    あとは、惰性に流されず生きていくだけだ。

  • 久しぶりの読書。
    中々過激な内容だった。
    筆者がとても強い自分を持っているので書いてある内容をそのまま間に受けても簡単に真似できるものではないと思った。そのまま受け取ってしまうと普通の人は病んでしまうんじゃないかと思う。
    しかし物事の本質をズバッとつくところはすごいし、そこに自分の意見をはっきりと持っていて表明できることはかっこいいなと思う。

    自分と生死をかけて闘う。

    一歩間違えれば自己否定の地獄に叩き落とされそうな毒のある言葉だと思う。
    それに耐えられるだけの覚悟が欲しい。

  • ・無条件に生きろ。
     →何かをやりたいと思ったとき、自分に条件をつけて先延ばししていないか?
      心に従い、今すぐやってみよう。
    ・死ぬ瞬間に「生きた!」と言えるのか?
     →本当に幸せだと言えるのか?自分にそう言い聞かせていないか?

  • マイナスを選ぶことこそ、情熱。

    童話、グリム、アンデルセン、アラビアンナイト、ガリヴァー、西遊記、モーパッサン、トルストイ、ツルゲーネフ、ショーペンハウエル、スタンダール、パルムの僧院、アンドレ・マルロー、ニーチェ、キルケゴール、ヤスパース、

    マックス・エルンスト、ジャコメッティ、マン・レイ、アンリ・ミショー、アトラン、パトリック・ワルドベルグ、写真家のブラッサイ、カンディンスキー、モンドリアン、ドローネー、モーリス・エイヌ、

    モンパルナッスの「ル・ドーム」「クーポール」「クローズリー・デ・リラ」

  • 「芸術は爆発だ」
    この言葉で有名な岡本太郎さん著の本です。特に「芸術」という言葉を単なる作品としてではなく、「人間古来の自由な生き様こそを芸術」として捉え、自分の内なる本能に従い人生を賭けて挑戦する。これこそが自分という芸術を世に爆発させる事だという話には衝撃を受けました。

    産業革命以後、資本主義の大頭により「経済」と「政治」が重要視され、成長ばかりを目的とした日本では、本能を曝け出した「芸術」という視点が淘汰されつつあります。社会の規範に縛られ、許与された行動を忠実にこなす。高度にテクノロジーが発展し人間社会が便利になろうとも、人々の顔はいつも苦悶の表情で、徐々に人間性が失われている現状に、我々はそろそろ気付くべきではないでしょうか。
    むしろ日本より、アマゾンなどの自然に暮らす人々の方が、自分の本能のままに行動し「人間らしい生き様」ができていると感じます。

    ○一つ、自分に響いた言葉を記します。
    それは「三日坊主でも良い」という、え?そうなの?ってなる言葉です(笑)。
    多くの人が継続し、習慣化する事が正義と思っていますが、むしろ「三日坊主はで終わる行動は、自分に合ってない証明だからバッサリ切り捨てて良い」と。
    それよりも
    「新しい事に挑戦したその一歩が一番大事」
    と著者は語ります。
    今後は「三日坊主=失敗」という意識を捉え直して、挑戦に重きに一歩を大事にしたいと思います。

  • 甥っ子が進学した大学の課題図書に指定されたということで、読んでみた。

    自分が大学に入学したころに読んでいたら、学生生活や、就職活動、今に至るまでの生活に変化はあっただろうか。

    最近、映画を観るようにしている。邦画が中心。
    切ない恋愛ものを好んで観ている。
    登場するキレイな女優さんを観るのが楽しみ。

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    ただ一言、「美しい」ということと「きれい」というのはまったく違うものであることだけをお話ししておきたい。
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    これからは、「キレイ」ではなく「美しい」と表現していくことにしようかな。

    人生、自分でレールを敷いて、ここまで来た。
    安心、安全が一番と、レールを敷いてきたが、果たして、それで良かったのか。
    一度の人生、後悔はないか。
    毎日、仕事に明け暮れて、家族・家庭を顧みていない。
    向き合っていない。
    自分にとっての幸せは、何だろう。
    考え続けることが幸せなのだろうな。

  • 岡本太郎氏の思想が「爆発」しています。自分という枠を決めて生きてしまっていては、ダメだなあと感じました。とはいっても、岡本氏の様には生きられない(こんな言い訳をしているところがダメなんですが)と思いながら、自分の枠の中でもいいから、精一杯爆発しようと思う力をくれます。

  • 天才のメッセージは難解です。分かった気になっても
    その本質までには辿り着けてない気がします。

    ①人間は無目的に、無条件で命を燃やし、爆発するべきである。
    ②純粋な人間性の発露そのものが芸術である
    これを一言で表したのが、かの有名な名言「芸術は爆発だ」です。これは岡本太郎の価値観全てを集約した言葉なのかもしれません。

    同調圧力が今より強い昭和の時代でこのマインド。驚きの連続です。

  • この本はまこなり社長のyoutube動画で知った。以前から岡本太郎の作品には惹かれるものがあり、東京で行われていた展示にも行ったし、大阪の太陽の塔の内部にもチケットをとって観に行った。
    冒頭、人生に悩んでいる自分に刺さる言葉や考えが羅列されており、読んでいて苦しくなった。自分は本当の人生を歩めているのだろうか。安全な道を選んでばかり、不満をたらして会社に勤めて、真に生きたいように行動して生きているのだろうか。オブラートのない言葉で刺さる言葉は、しかしながら今の自分が欲しかった言葉のようにも感じた。

    131Pに赤色について言及した内容がある。『私は幼い時から「赤」が好きだった。血を思わせる激しい赤だ。自分の全身を赤にそめたいような衝動。この血の色こそ生命の情感であり、私の色だと感じつづけていた。』私も赤色が好きだ。それは漫画やアニメをきっかけとして、チームラボや塩田千春展で表現されたものを愛しく感じる、そんな経緯と感情だった。そしてこれらを超えて鋭い刃のような言葉で、好きな思いを上塗りされた。
    岡本太郎の赤への思いを読んで、より赤色のことが好きになった。

    多分またこの本を読むときが来ると思う。その時はまた違う感情で新鮮な気持ちでこの本と向き合えたら嬉しく思う。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡本太郎の作品

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