ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (399ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 上巻では第二次世界大戦後、内戦下のカンボジアを舞台に、ポル・ポトの隠し子で他人の嘘を見破ることができる少女ソリヤと、潔癖症の天才児ムイタックの二人を軸に物語が進んでいくのですが、上巻に限っていえばもう文句なしで面白かったです。この時代を選んだ作者の勝利としか言いようが無いと思うのですが、デタラメな権力者、密告、裏切り、虐殺、粛正といった胸を打たれるような不条理のオンパレードで、読んでいる間じゅう興奮しっぱなしの、まったくもってとんでもないディストピア小説でした。史実を基にしているとはいえ、とにかく人が死ぬ死ぬ死ぬ・・・。そんな時代をサバイブしていく主人公2人の運命はいったいどうなるのか、そしてタイトルに付けられた「ゲームの王国」が意味するところは何なのか、下巻への期待は膨らむばかりです。

    ところで本作は日本SF大賞受賞作ですが、上巻を読んだ限りでは泥が自警団と戦うシーンぐらいしかそれっぽい部分は無かったような。あとは輪ゴムで人の死を予言する男がリアリズムっぽくないくらいで、上巻は歴史小説の色合いが濃かったように思えます。この点も下巻でどういったSF的な展開を見せてくれるのか、興味は尽きません。

  • まだ淡々と描写が続く感じで、まるごと導入部と言う感じ。後半は面白くなるのかな?

  • クメール・ルージュ期と近未来のカンボジアを舞台にしたSF小説。上巻は、話としては主人公となる少年ムンタックと少女ソリアの出会いやそれぞれの成長が中心ながら、クメール・ルージュの「革命」の描写の方が読まされる。日々、当時を生き延び(逃げ延び)て今を生きるカンボジア人達と仕事をしたり食事をしたりする機会があるだけに、色々と思わされるところがある。トンチンカンな論理や会話に思えるカンボジアの普通の人々の様子は、今にも脈々と繋がっていて、僕には割と日常だったりする。本筋もモチロン面白いが、色々な角度で面白い。

  • 小川哲天才。前作『ユートロニカのこちら側』を読んだ時、これは伊藤計劃の再来か?と思った記憶があるけど、それが確信に変わった。

    日本のSF史における新たな時代の到来よ、おめでとう。

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