恋愛にまつわる、短編集。全体的にぐだぐだ。はっきり言って、イマイチな作品ばかりを集めましたといった感じ。しかし一番初めの作品、山田詠美の「ぼくの味」だけは、高く評価したい。この本の中で唯一、読む価値がある。大人な彼女に溺れる、子犬のような「ぼく」。全体に漂う甘い、妖しくも哀しい雰囲気が、妙に心にしっくりくる。何よりも必死で彼女の気を引こうとする「ぼく」が子供のように可愛らしくも、どこかみだらで、とても魅力的に描かれているのが印象的。うん、好きだなこの子。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
アンソロジー
- 感想投稿日 : 2005年6月10日
- 読了日 : 2005年6月10日
- 本棚登録日 : 2005年6月10日
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