不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫 あ 101-1)

著者 :
制作 : 大森 望 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.33
  • (25)
  • (43)
  • (90)
  • (22)
  • (5)
本棚登録 : 748
感想 : 77
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943395

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自分で意外に思ったけど、芥川の作品が良かったなぁ。

  • 高校生のころに読んだ懐かしい話と久々に巡り合えて時をかける出会いをしました。
    「ゲイルズバーグの春を愛す」の中におさめられていた「机の中のラブレター」です。覚えているもんなんですね。


    美亜へおくる真珠-梶尾真治
    エアハート嬢の到着-恩田陸
    Calling You-乙一
    眠り姫-貴子潤一郎
    浦島さん-太宰治
    机の中のラブレター-ジャック・フィニイ

  • 時を超えたラブストーリーってロマンティックだし、大体において切ない。

    梶尾真治の「美亜へ贈る真珠」と貴子潤一郎の「眠り姫」が切ない。
    短編なのに豊かな物語。うるうる来てしまった!乙一の「Calling You」は再読だったけど、やっぱりいいものは何度読んでも感動させられる。

    どれも心の中で映画を観ているように、綺麗でココロ揺さぶられるイメージを喚起する作品でした。

  • タイムトラベル恋愛短編集*

  • 本読みのプロが選んだベストはこれ。
    古今東西の短編小説から不思議な味わいの傑作を集めたアンソロジーシリーズ、第1弾のテーマは「時をかける恋」。
    タイムカプセルに入った恋人のもとに通い続ける恋、時間と場所をこえて何度もめぐりあう男女の恋、ひとたび眠るといつ目覚めるかわからない彼女との一瞬の再会を待つ恋―。

    めちゃくちゃ面白い。
    傑作を集めたとまで謳うだけあると思う。
    太宰治の浦島さんは、今まで読んだ太宰作品でもブルーになる様なものでもないし。

    梶尾真治の美亜へ贈る真珠は、
    タイムカプセルに入った恋人のもとを繰り返す訪れるお話。
    アキはどんな気持ちで航時機に乗ったのだろうか。
    美亜を残してまで航時機に乗って、美亜が待ち焦がれた想いを分かっていたのだと思うけれども。

    恩田陸のエアハート嬢の到着は、
    時間と場所を越えて何度もめぐりあう男女の恋。
    こういうシナリオは素敵だなって思う。
    何度生まれ変わっても世界が金色にはじけるような喜びを覚えるなんて素敵です。本作のライオンハートを読んでみようと思う。

    乙一のCalling Youは、
    頭の中の携帯電話で遠く離れた人と電話をする話。
    ファンタジーの世界だけども、乙一ワールドは毎回楽しませてくれます。
    今回もまたひっくり返されました。

    貴子潤一郎の眠り姫は、
    ひとたび眠るといつ目覚めるかわからない彼女との一瞬の再会を待つ恋の話。
    お互いに健気だなぁと思う。きっと人生を通して考えてみると沢山は言葉を交わせなかったと思うし、想い出もほとんどないと思う。
    だけどそうじゃなくて相手を想う気持ちは、交わした言葉の数や過ごした場面の数々で決まるものではない。それを体現してくれるような感動的な話でした。

    太宰治の浦島さんは、
    太宰治的浦島太郎って感じ。
    話の筋と言うか考察と言うかいかにも太宰治と言った感じの
    浦島太郎でした。
    多分安定期の時の作品なんだと思う。

    ジャックフィニイの机の中のラブレターは、
    骨董屋で買った机の隠し引き出しの中に数十年前のラブレターが入っていて、それにお返事を書いて町一番の古い郵便局に投函してお返事が返ってくる話。
    イルマーレと言う映画の元となったそうですが、イルマーレもこの作品も好きです。ありえないような出来事だけど、確かにそこにあったというファンタジーとリアリティが混ざっているような感じの作品はどれも好きです。
    乙一の作品もそうな様に。

    とても良い短編オムニバスだと思います。

  • とうとうこのシリーズも読み終えてしまいました。まだ続くんでしょうけれども今んとこ4冊ですね。もっと続けて欲しいです。
    ・美亜へ送る真珠・・・SF的要素は「航時機」だけのちょっと切ないラブストーリー。
    ・エアハート嬢の到着・・・時を超えて出会う二人。こんなに話をぶった切るのは有り?ホンマにこれだけ?続きを書いてよ~。
    ・Calling You・・・頭の中の携帯が鳴る。これはいい!設定が旨いが使い方もいい!
    ・眠り姫・・・このアンソロジーの一押し。「世界の中心で愛を叫ぶ」を彷彿させます。映画化出来るのでは?
    ・浦島さん・・・饒舌な亀がウザい。
    ・机の中のラブレター・・・手紙の回数限定の(たったの3回!)イルマーレ。『時を超えた文通』ものの古典、だそうだ。(そんなジャンルあるんだ!?)なんと昭和34年初出!ようこんな作品見つけてくるな~。

    大森さんの博識を痛感するシリーズでした。続編待ってます。私のコメントの下の人のレビューを読んでこのシリーズを知りました。有難うございました。

  • 切なすぎて、頭から離れない
    …永遠に報われることのない恋

  • 短編集。その中の一編「Calling You」にやられてしまった。オチに自分は最後まで気がつかなかった。(各編紹介にも書いてあるが)「眠り姫」は「美亜へ贈る真珠」と重なる。

  • これは買って損なし!…と私は思います。
    なかでも恩田陸さんのエアハート嬢の到着がよかった。
    ライオンハートの中のひとつなんですが、この作品が気に入ったらぜひライオンハートよんでください。
    次点で机の中のラブレター。ジャック・フイニイさん。
    手紙ものってだいすき。
    「あしながおじさん」とか「アンの幸福」とか「踊り場ホテル」とか「シンシアリー」とかね。漫画まじってますけど。

  • タイムトラベルにはラブストーリーが良く似合う
    本読みのプロが選ぶ、不思議な味わいの短編アンソロジー「時をかける恋」がテーマの第一弾。


    出会うことができない時空を超えた恋というのは究極の悲恋だと思う。なんせ結ばれない、むしろ結ばれてはいけないという悲しい結末を予想させるのだから。

    「美亜へ贈る真珠」 梶尾真治
      この分野の達人と書いてあったが、タイムマシーンに乗った彼の気持ちが分からず、SF要素に気が行ってしまった。語り手は実はCPかとか思ってたくらいだし。
    「エアハート嬢の到着」 恩田陸
      男性側の時間軸の中で、女性は何度か転生しているのか?こちら時間軸はバラバラのようだし・・・「ライオンハート」を読めばわかるのかな
    「Calling You」 乙一
      以前読んだ作品。時間のズレは一時間だけなので出会えれば上手くいったはずなのにという切なさがぐっとくる。
    「眠り姫」 貴子潤一郎
      原因不明の病気で眠り続ける彼女。いつ訪れるかわからないほんのひと時の目覚めの為に、彼女のそばを離れることができない人生は、一途だけどちょっと辛い。
    「浦島さん」 太宰治
      古典のイメージの太宰治が、さらに古典の「浦島太郎」の新説を書く。ボンボンの浦島や、皮肉屋の亀・・・。-忘却は人間の救いである-何故、開けてはならぬ物をお土産として持たせたのか?長年の疑問が解消する、かも。
    「机の中のラブレター」 ジャック・フィニイ
      長い時を超えた手紙だけのやり取り。会うことはおろか実在していたのかすら分からない相手と恋に落ちるロマンチックな話。「栞の恋」が読みたくなった。

全77件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1961年、高知県生まれ。翻訳家。書評家。責任編集を務めた『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞を受賞。訳書にウィリス『航路』、劉慈欣『三体』(共訳)他。編著に『ベストSF』シリーズ他。

「2023年 『NOVA 2023年夏号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大森望の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
有川 浩
有川 浩
有川 浩
伊坂 幸太郎
米澤 穂信
有川 浩
村上 春樹
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×