不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫 あ 101-1)

著者 :
制作 : 大森 望 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943395

感想・レビュー・書評

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  • 「時間と恋」をテーマにした短編アンソロジー。

     「美亜ヘ贈る真珠」/梶尾真治
     ・航時機に乗った恋人を見る女性の想いがせつない。
     「エアハート嬢の到着」/恩田陸
     ・悲運の恋人との再会が涙を誘う。
     「Calling You」/乙一
     ・架空の携帯電話で繋がる恋。設定が面白い。
     「眠り姫」/貴子潤一郎
     ・同じ時間を生きながら、病が2人の時間を分かつ切ない物語。
     「浦島さん」/太宰治
     ・太宰治さんの独自解釈で綴られた浦島太郎。新鮮で面白かった。
     「机の中のラブレター」/ジャック・フィニイ
     ・古い机に託された手紙が異なる時代の2人を繋ぐ、ちょっとメルヘンチックな物語。雰囲気があって好き。

  • 【梶尾真治】 “航時機”というのが、面白い。
    【恩田陸】  二人が幸せなら、いいと思う。
    【乙一】   頭の中の携帯で繋がる二人。距離じゃない。
    【貴子潤一郎】ピュアな話。思いは届いていると思う。
    【太宰治】  こういう話も書くんだな。落語のようだ。
    【ジャック・フィニー】時を超えたラブレター。ロマンチックだ。

  • SFというジャンルなんですよね? これらの作品群は。すんなり理解できるものもあれば、ちょっと作品世界に入っていきづらいものもありました。ただ、幸い(?)にして、全く入り込めない作品はなかったです。やはり、ちょっと切ない感じのもの、悲恋ものは人間でなくとも心にしみます。

  • 国内外の作品からテーマごとに集められた短編集の第一弾。
    古典から現代作品まで幅広く、新しいお気に入りの作家さんを発掘するのにもってこいの作品。

  • 時間、タイムトラベル系の恋愛短編集。
    既読が多かった。
    最後のジャック・フェニィのごく短い小説「机の中のラブレター」に思いがけず涙が出た。
    この時間の長さとこもった気持ちの濃密度、ページ数じゃないですね。

  • 梶尾真治「美亜へ贈る真珠」
    恩田陸「エアハート嬢の到着」
    乙一「Calling You」
    貴子潤一郎「眠り姫」
    太宰治「浦島さん」
    ジャック・フィニィ「机の中のラブレター」

  • 時をかける話の短編集。
    乙一泣ける。白乙一!
    太宰の浦島さんが良かった。
    純文学たまに読みたくなる。
    大学時代に先生が浦島さんを読んでみてと薦められてたことを
    今さら思い出した。

  • 恋とSFはどうしようもなくせつない

  • 大森望:編 SF恋愛集

    「美亜へ贈る真珠」梶尾真治
    「エアハート嬢の到着」恩田陸(ライオンハート)既読
    「Calling You」乙一(失はれる物語)既読
    「眠り姫」貴子潤一郎
    「浦島さん」太宰治
    「机の中のラブレター」ジャック・フィニィ ◎

  • 「時間と恋」をテーマにした、こんなアンソロジーが出ていることは全く知らなかった。たまたま図書館の蔵書検索をしていて、気になったタイトルの文庫本だった。その内容紹介を見てびっくり。太宰治が入っているのが妙な気がしたものの、実に豪華な執筆陣。未読の短編ばかりでテーマも好みのものということで手に取った次第。 読書の楽しみが広がるアンソロジーだと思う。梶尾真治の若き日のデビュー作、『美亜へ贈る真珠』は初々しい。恩田陸の『エアハート嬢の到着』を一読して、すぐにこの短編を収録している連作短編集『ライオンハート』を予約したのは言うまでもない。必読の一作と思われるのは『Calling You』で、乙一さんの作品。時間のトリックと計算されたストーリー・テリングが生み出した切ない恋物語だ。意外に面白かったのが、意表をついた『浦島さん』という太宰作品。竜宮城への案内をする亀のキャラクターが、ひょうひょうとした江戸っ子じみていて秀逸。 最後の作品、『机の中のラブレター』(ジャック・フィニイ作)は大森さん自身の翻訳。この手のロマンティック・タイムトラベル物のパイオニアらしく、過去への憧憬と細部にこだわった作品だった。大森さんの解説の中には、たくさんの作家と作品の紹介が、、、これはと思える作品がいっぱいで、これからの読書が楽しみになりました。

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著者プロフィール

1961年、高知県生まれ。翻訳家。書評家。責任編集を務めた『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞を受賞。訳書にウィリス『航路』、劉慈欣『三体』(共訳)他。編著に『ベストSF』シリーズ他。

「2023年 『NOVA 2023年夏号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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