タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061155053

感想・レビュー・書評

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  • 日本という社会を明快に分析していると思う。場を基礎とする集団意識、縦を基礎とした樹状構造とそのヒエラルキー、これらは現在でも通じるものがあるだろう。初版初刷りの発行が 1967 年、底本の発表は昭和 39 年 (1964 年) というのが信じられないくらい。入社 2 〜 3 年で転職してしまう若者が当時すでに増えていた (p.56) とはさらに驚いた。

  • なぜ日本では傑出したリーダーが生まれないのか、なぜ日本の労働力の流動性が低いのか、年功序列はどのように機能しているのか、、、そういった疑問について1つの枠組みを得ることができた。
    60年前の本とは思えないほど、現代でも当てはまることが多くあった。社会が変わるということが、それほど難しいということなのかもしれない。

    本書の内容が記憶に新しいうちに『タテ社会の力学』も読むと、筆者の主張がより理解できました。

  • 感想
    時代は変わる。しかし社会のタテ構造はなかなか弛緩しない。気候が人種が、建物の構造が影響を与えているから。長所も短所もある。

  • COURRIER JAPON
    著名人の本棚
    篠田真貴子さんの推薦図書より

  • タテ社会とは、タテの上下関係でできあがっている社会。動員は早く、一気に末端まで指示を浸透できる。リーダーとの人間関係という感情的な要素が強く、結束が強い。ただし、ヨコの連絡調整はタテの構造を弱くさせるということにもなる
    ヨコ社会とは、ヒエラルキーによって作られないので、個々の意見が同様に扱われるので、意思決定をして進むには論理プロセスなどが必要になる。また、新規参加にあたっては、同列にすぐ参加できるが、何らかの資格が必要で、排他的になる。ただし、リーダーに依存していないため、個人がいなくなっても、集団組織は存続しえる。

    タテ ヨコ
    動員力強い 意思決定に工夫が要る
    開放的・新規参加容易 排他的・新規参加に資格が必要
    横の関係が機能しにくい 孤立などが起きにくい


    アジャイルの文脈でSAFeというのがあるが、
    これはタテを重視してスピードと伝達能力を活かすやりかたになっている。

    でも、Amazonなどの組織の作り方や、もとのスクラムというのは、このタテの重視では無かった気がする。タテを使ってスケール指せる要素はあるとおもうが、ヨコを重視する側面がある気がする。
    整理がおいつかない。


    (追記)
    タテ・ヨコという構造のほか、契約による構造という提示があった。

    なるほど。
    タテの社会というのは非常に優しい世界で、個々人を尊重するスタンスがあくまで求められる。
    ヨコは、組織を動かすには向かないので、どうもそれだけでは成立しない。

    契約の社会というのは、優しさがなくて、厳しさのなかで、組織が一定の契約で結びつく。
    これだと、今の日本のメンバは、どこにも守られない中で、耐えられないかもしれない。
    ただ、テレワークという中で、タテの結びつきを作る場がなくなりつつあり、さらに組織構造も薄くなった。
    この中で、タテを求めて、優しさを求めてしまうと、キビシイ世の中になってしまう気がする。

    もう少し整理しよう。

  • 常々抱いている組織に対する違和感の正体が分かったような気がした。横のつながりは個人の力で構築できるものではないと納得した。

  • 日本の社会構造を分析し、社会集団の構成原理として、“資格と場”の2つに着目し、日本社会は“場”を強調する“タテ社会”とする。組織論の古典的名著。ササラ・タコツボ論に通じる視点が、同じく1960年代に登場したのは偶然か。

  • 中根先生の訃報を聞きようやく読めた。日本人の本質というのは変わらないのだな、1967年初版だもの。それを憂うことはないが日々の仕事生活で感じることばかりだった。そして飲み会の意義…!
    …海外駐在者の苦労がまたひとつわかった気がする。

  • 2/25
    日本社会の社会学的構造分析の本。1966年に書かれたもの。日本社会における集団の役割や人と人の関わり方など日本の単一性から生まれる日本ならではの特徴が述べられていた。

    Todo
    この特徴を知った上で、どうすればさらに幸せになれるのかを探求していく。

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