暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (658ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823891

感想・レビュー・書評

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  • この作者の「館」シリーズは、正直4作目くらいで構造がわかってしまったので、それ以降読んでいなかった。また、女性なら「え?」と思うようなトリックがあったりしたので。

    ノベルス上下巻、文庫にすると全4冊というボリュームのこの作品、上下巻書く105円で売られていたので、読むものがなくなったときのために購入しておいた。

    何年か寝かせてようやく読んだが、上巻は冗長。おそらく文庫2冊めくらいまでは退屈。そして、案の定前半の謎である「肉」については早々に見当がついてしまう。

    そして、途中幾度となく、「自分が誰であるかわからない誰かの視点」というのが出てくるのだが、これは読者に対しては、物語の構造を解くものすごいヒントになっている。しかし、描写についてはお粗末。作者の細君や他の本格派の人たちならもっとうまく自然に描くよなあ、と思ってしまった。

    終盤の人間関係についての話も、「おいおい」と言いたくなるようなことがいくつもあったが、最終的な謎については、まあまあ。これがなかったらダメダメだったと思うけど。

    というわけで、やはり私の評価としては、「この作者はデビュー作が一番よかった」。最近の作の『Another』は「正直、もう過去の人だと思っていたがよかった」というレビューも見かけたので気になってはいるが、例によって「視線」などの伏線があんまりうまくないんだろうなーと予想。

  • 文庫版のALI PROJECT宝野アリカさまの解説ついてないorz

  • むむっ?ギリフェアってところですな(・∀・)ノ
    やりすぎよくないっ(*_*)と思ったけどやっぱりこの館シリーズ好きとしてはアリなんかなと…。
    『中也』に添って話を読んでると感慨もひとしおですよねぇ☆彡あの玄児さんにはもう会えないんだろうか…。それにしてもダリアの祝福恐るべしですね。

  • 暗黒館の謎が徐々に明かされていき「中也」は破局に向かうその姿に幻惑される。

    2冊で1300頁を2日間で読んだので少し大変でした。

    (2006年10月09日読了)

  • <ネタバレ有り>



    ++++++++++++++++++++++++++++++++



    館シリーズ7作目、下巻。
    とりあえず、中 也 君 は も っ と 怒 っ て い い 
    上巻は割とすらすらと読めたのですが下巻の解決編は玄児の焦らしっぷりに少し疲れてしまった感がありました。
    でもちょっと置いといて後で…という気にはならず、先が気になって寝不足覚悟で結局一気読みしてしまいました。
    謎解きミステリーとして読むと「えーなにそれ!?」という感想でしたが(あまりにもたまたまや偶然の上に成り立ってるのが多くて…)これは幻想怪奇小説であって、すべてを「ダリアの導き」と捕らえてしまうと、それもアリかなと思えました。
    玄児⇔忠教、中也=青司というのには驚きました。
    玄児の足の指のあたりは途中で気付いたんだけどなぁ。
    あのラストにはなんともいえないやるせなさに包まれました。
    それにしても最後の「浦登家の医者」っていうのは誰だったんだろう。
    浦登家の「彼」ってことは清…?
    あとあと、島田さんもっと出てきてください!!

  • 十八年前に暗黒館で起こった殺人と不可思議な人間消失の謎を追ううち、ついに玄児の口から語られる〈ダリアの宴〉の真実、そして恐るべき浦登家の秘密……。いつ果てるとも知れぬ嵐の中、犯人の狂気はさらなる犠牲者を求め、物語は哀しくも凄絶な破局へと突き進む!構想から完成まで、八年の歳月を費やした比類なき巨大建築。ミステリ作家・綾辻行人の全てがここに結実!
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    下巻は怒涛の展開。
    一つ、また一つと焦らされていた謎の真実が明らかになるたびに「えー!」「うそっ」と声をあげてしまいました。
    まぁもちろん上巻同様長いので、読んでも読んでも終わらない感はありましたが…それでも真実知りたさに夢中になって読めました。

    でもこの展開は賛否両論なんでしょうね。
    私は楽しめましたが、探偵小説的なミステリー(論理的な謎解き)を求めて読むと微妙なのかも。
    オカルト風味だし、江南くんの結末がソレッ!?って感じで。
    あと、ちょっと気持ち悪い事象が多かったです。
    〈宴〉での食事はまさかの●●(予想的中)だし、閉鎖的な名(?)家ではよくあったのかもしれないけど●●●●とか、ダリアの契約とか…館シリーズじゃなければホラー小説にもできたんじゃないかと思いました。。。

    でもお話としては面白かったです。
    それに、「黒猫館の殺人」までを読んだ上で本作を読み、さらにその上で今までのシリーズを読み返すとまた違った目線で読めて面白いかも知れないなと思いました。

    あとはあとがきの最後の言葉がw

  • (上に同じ)
    館シリーズはポロポロと何冊か読んだことがあったけれど、この本は一番印象に残る話だった。
    ミステリというより幻想ホラーやオカルトの要素が強いので、評価も分かれるだろうと思う。私自身は世界観も登場人物も好みだったので、長いけれど最後まで集中力が途切れることなく読めた。
    とにかく浦登玄児が「中也くん」と呼ばれているこの話の主人公の一人に並々ならぬ思い入れがあるようで…
    面白かった。図書館で借りた本だけど、買いたい。
    あと館シリーズをもう一度はじめから読み返したい!

  • 読了! 心に引っかかってはいたことが、まさかこんな風にまとまるとは……。限りなくアンフェアに近いけど確かにフェア。こっちの思い込みを利用するところがさすが……。

  • もやもや感や???感が残る感じでした。えっ!?そうなの?!みたいな感じですが長かった。新書は長い!

  • 館シリーズ第7作目。

    とりあえず、かなりの大長編。
    綾辻さんの作品はいつもグイグイ先へと読み進められるのだけど、この暗黒館は初めて一旦距離を置いた。

    この作品は『推理小説』として読むよりも、『館』に迫る、って感じで読むと良いかもしれない。

    とにもかくにも、これまで読んできたなら読むべし。
    ただし、覚悟して表紙を捲った方が良いと思う。

    十角館から順番に読むことをおすすめします。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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